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02/11/2014

ジャーナリスト池上彰の凄さ(池上無双と言われる理由)

半年ぶりのブログ更新であったが、大変嬉しいことに、多くの人が土曜日に更新した「スカイマークの制服にみる日本企業のあり方」という記事を読んで下さったようである。

また、昨日のブログ記事、「ジャーナリスト池上彰から敵前逃亡をした新都知事の情けなさ」はライブドアニュースのポータルサイト、ブロゴス上でも1番人気の記事なったり、Facebookの「いいね!」の数がかなり多いなど大変人気を博しているようであり、多くの人の目にこの記事が触れたのは大変喜ばしい限りである。

他のメディアでも、池上彰さんの「池上無双」と称されるその様子は具体的に報じられ始めている。

そこで、今日は池上さんと舛添新知事やその他の人間とのやり取りをもう少し詳しく、具体的に紹介することで、いかに「池上無双」が凄かったかをもう少し詳しくお伝えしようと思う。

まずは、TOKYO MXでの舛添新都知事への質問の概要である。

(池上氏)

舛添さん。池上彰と申しますが、インタビューよろしいですか。

(舛添氏)

はい。どうぞ。

(池上氏)

あ、よろしいですか。今回はですね。舛添さん、過去には自民党を批判して離党されたわけですね。あるいは、除名処分を受けました。今回、自民党から支持を得て、まあ、もちろん他の方々からの支持もあって、当選ということいなりますけれども、そこである種の自民党に借りを作ってしまったということはありませんか

(舛添氏)

いやいやそういうレベルの話をもうするのはほとんど意味がないと思いますね。池上さん。つまりですね、政策を掲げて政策に賛成ですかと問うて賛成なんで、もう過去を見るより、先を見て投票どうするかを考える。自民党の皆さん方も、連合東京の皆さん方も、公明党の皆さん方も、その一点において力を合わせてやったからなんで、そりゃー、政治家ってのは、いろんな経歴がありますから、そんなこといちいちあげつらうような段階では、申し訳ないけども、もはやありません

このやり取りから、舛添氏が突かれたくない質問をされて、イライラしている気持ちがその回答ぶりに表れてしまっていることは明らかであろう。

しかしながら、この程度の質問は、事前に当然予想される程度の質問であって、池上氏の質問の仕方も、いわば、「素朴な疑問」をぶつけたに過ぎないが、そんな質問に対して、舛添氏は、のっけからイライラした感情を出してしまったのである。

候補者の「人となり」、つまり、「器の小ささ」や「政治家としての胆力のなさ」を当確直後に視聴者の目にさらした点において、池上氏のジャーナリストとしての凄さを感じずにはいられない

さらにインタビューは続く。

(池上氏)

なるほど。政治家にはそれぞれ色んな経歴、履歴があるというご発言でした。それで言いますと、例えば、エネルギー問題ですよね。原子力発電所に関して、舛添さんの先ほどのご発言、今のお立場、よくわかるんでありますが、過去のはですね。原発に関してはもう少し稼働又は原子力発電所をエネルギー源として活用していくというので、もう少し積極的な発言をされていたと思うのですが、今回、変わったのですか。

(舛添氏)

みなさんね。3・11福島の原子力発電所の事故の後、私だけでしょうか。変わったのは。圧倒的多数の日本国民があれにショックを受けたと思いますよ。ですから、皆が原子力エネルギーの専門家ではありません。だから、環境をどうするか、CO2の温暖化をどうするか、そういうことを総合的に考えて判断していましたけれども、しかしながら、ああいう事故を受けて、なんの感想もない。なんの意見も変わらないという方が私にとっては不思議なのであって、今あなたが言われたような質問もほとんど意味がないように思います。

(池上氏)

突然割り込んでしまって申し訳ありませんでした。

このやり取りでも、視聴者は舛添新都知事が普通に回答できず、イライラしながら、「ほとんど意味がない」などと無駄に攻撃的な回答をしていることに疑問を感じたはずである。

池上氏の質問は、特段、失礼であったり、攻撃的でもなかった。

にもかかわらず、普通に回答せず、イライラ感を全面に出したまま回答してしまう舛添新都知事の器量の無さを視聴者に見せつけた池上氏の質問は、ジャーナリストとしての真骨頂といっても過言ではないだろう。

しかし、まだまだ池上氏のジャーナリズム精神はこの程度では終わらない。

そこが、ダラダラと質問をするNHKの記者や、民放ニュースの司会者である宮根誠司や古館伊知郎、安藤優子などのとの違いである。

舛添氏の事務所からスタジオに戻った途端、池上氏は政治家とメディアとの駆け引きの内情を暴露するのである。

(池上氏)

舛添さん、インタビューはですね。実はかなり前からインタビューをお願いしますというところでですね。なぜか私もインタビューをするという予定の時は実は都合が付かないからということで、一度、MXテレビのインタビューをお断りになったんですね。で、改めて、風戸記者それから近藤キャスターが質問をしますと申し入れをしたら、今度はなぜか都合が付いたようでですね。インタビューに応じていただけるということでした。ですから、私は今回、途中から割り込んだという形になったのですが、何とかお答え頂けたということでした。

池上氏がこのような内幕をしっかり視聴者に伝えたことで、視聴者は、なぜ舛添氏が無駄に攻撃的な回答をしているのか一瞬にして「あー、なるほど」と分かったわけである

このやり取りを視聴者として目の当たりにすることで、私は、昨日のブログ記事にも書いたように、新都知事の「情けない」、「チキン」と評すべき言動を生の事実として捉えることができ、新都知事の当選直後の姿勢がいかに幼稚であるかを的確に把握することができた大変貴重な一言を池上氏は隠すことなく伝えたのである。

さらに、池上彰氏のジャーナリズムはここで終わらない。

次の標的となったのは、石原伸晃氏であった。

(池上氏)

今のインタビューの中で、舛添さんは都民の支持があるんだよというお話がありました。つまりは、勝てそうな候補だから舛添さんを選んだということなんじゃないですか。

(石原氏)

私どもは違う候補者を考えていたのですけれども、実はその方に断られてしまいまして。それでやはり政策的にどの方が一番我々に近いんでだろう。都議会の第一党ですから、候補者を立てないという選択肢はないわけです。そんな中で、舛添さんと都議会の皆さんが政策協定を結ぶことができました。(略)

池上氏が、石原伸晃氏に対して、「勝てそうな候補だから舛添さんを選んだのでは?」との問いをぶつけると、石原氏は思わず、「別の候補者を考えていましたが断られました。」と発言してしまった。つまり、舛添氏という勝ち馬に乗ろうとしたことを自民党都連幹部に認めさせたのである。

さらに、池上氏は、不用意な石原伸晃氏の「都の防災対策はガタガタ」という発言を見落とすことなく、その真意を追及した。

(池上氏)

今、石原さん、記者のインタビューに答えて、東京は防災対策がガタガタだとおっしゃいました。これまで自民党がずっと推薦してきた知事が東京都知事だったわけですよね。にもかかわらず、防災対策がガタガタということになりますと、過去の取り組みをかなり否定する発言になると思うのですがいかがですか。

(石原氏)

そういうことではなくて、やはり想定外の震災というものを私たちは3年前に体験しました。想定内の中では着実に防災対策を取り組んできましたけども、それよりも想定されないものが起こった時にも耐えうるものを作っていかなければならない。舛添候補がずっと言ってまいりましたが、やはり、火事が死傷者の最大の要因になる。しかし残念ながらそこの部分は、財産権の問題で、多くの方々が木造密集地、道路も本当に消防車も入ってくれないようなところに住んでいらっしゃる。こういう人たちにも万全の対策を取っていかなければ、大きな大きな災害になってしまう。(略)

石原氏の回答は、何ら、自民党が支援してきた知事が震災前も、震災後もずっと都知事であったにもかかわらず、「ガタガタ」と発言したことに対する答えにはなっていない

不用意な発言をしてその場しのぎのために、3・11が「想定外」だったと述べ、切り抜けようとしているが、そもそも、住宅密集地の問題は、「想定外」の地震に特有のものではない。阪神淡路大震災の時からずっと指摘されてきた問題である。

つまり、伸晃氏は、この鋭い指摘に、その場しのぎの詭弁ともいうべき内容でしか反論できなかったのである。

「ガタガタな防災対策」しかしてこなかった自民党が、何の反省もなく、無責任に「想定外」の震災のせいにしている姿を露呈させたのは、池上無双と称させる池上彰氏ならではのジャーナリズムスキルであろう。

池上氏の伝説はここでも終わらない。

ゲストで出演した松沢成文氏からもなかなか聞けない発言を引き出した。

(池上氏)

それにしましても、石原さんから出てくれと言われたから、じゃー出ようといったのに、石原さんご本人から、俺が出ると言われると、なんか梯子を外されたようなもんですよね。

(松沢氏)

まあ、でも、政治の世界はこうゆうことがあるもので、騙すほうも悪いけど、騙されるほうも悪いんですよね

(池上氏)

騙されたんですか。

(松沢氏)

まあ、そういうことになったと思います。(以下、略)

このように、鋭い質問でありながら、まろやかな口振りで、相手が安心して本音を言わせてしまうのは、やはり、池上彰さんならではのジャーナリストスキルである。

また、細川元総理を支持していた円より子氏に対しても、「都知事選挙を脱原発に利用して違和感と指摘する声もあったがどう思うか」と問いただすと、円氏はその質問にまともには答えようとすらせずに、違和感はなかったと言わんばかりに必死に反論していたが、その姿は視聴者に、「真摯に批判的な声に耳を傾けることのできない、プライドの高い、融通のきかないおばさん」との印象を与えたのではなかろうか

どの陣営に対しても、「批判的な声があることに対してどう思うか」という素朴な疑問をぶつけ、それに対する回答の仕方から、「政治家の力量」、「人となり」という生の事実を視聴者に見せてくれる池上彰さんの質問は、まさにジャーナリストというべき姿勢なのであって、選挙特番における池上氏は本当の意味でのジャーナリストが減っている日本の現状において、大変貴重な存在であると感じた。

そして、この番組の後、池上彰さんはTOKYO MXからテレビ東京に移動し、そのテレビ東京の冒頭で、昨日のブログ記事のような新都知事の敵前逃亡が報告されるのである。

ちなみに、この番組に出ていた石破氏は、のらりくらりと池上氏の切り込みを上手にかわしており、個人的にはあのしゃべり方などは好きではないが、それは別として、この点において、石破幹事長には、政治家としての安定感を感じた。

残念ながら、テレビ東京は、その報告のやりとりは、オン・デマンドで放送されているシーンからは削除されてしまっているため、ネットではそのやりとりを見ることはもうできない。

また、TOKYO MXも、昨日の夕方頃までは、この話題の選挙報道番組をYoutubeの公式チャンネルで公開中であったが、現在は残念ながら非公開になってしまったようである。

上記の池上氏と政治家とのやり取りについては、見逃した方も多いことを考慮し、かなり忠実に再現したつもりである。

今後も、選挙特番の度に、池上無双伝説が新たな1ページを刻み続けることを期待してやまない

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Comments

池上さん、世界の首脳ではありませんよ、七カ国プラス一ですよ。

Posted by: 黒田保司 | 05/29/2016 at 04:36 PM

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