いよいよ明日が投票日
明日は東京都知事選挙の投票日である。
私は特に脱原発を支持するわけではない。
むしろ、代替エネルギーの確保が十分にできない中では、即時の脱原発は実効性に欠けるし、火力発電等による地球環境への影響等を考えると、脱原発が本当に正しい方向なのかは正直分からないというのが私の原発問題に対する立場である。
しかしながら、今回の選挙では、細川護熙元総理へ投票をしようと思っている。
今回の私の投票基準は、オリンピック開催に伴う既得権益に群がる人間を排除できる候補者は誰か、東京都にはびこる既得権益に切り込めるのは誰かという点が極めて大きい。
いかなる選考基準によったのかわからないが、歴史的にも極めて不人気で、既得権益の象徴のような森喜朗元総理が東京オリンピック組織員会の会長になった時点で、東京オリンピックの歴史的失敗は目に見えていると私は思う。
この人事体制はまさに土建屋ジャパンといっても過言ではない。
小泉純一郎元総理が細川護熙元総理を支持したことによって、一番焦ったのは、シンキロウこと森喜朗である。それは、彼の「原発ゼロなら五輪は返上」とか、立候補したことそれ自体のみで、なぜか細川候補を「卑怯者」呼ばわりした発言事実からも明らかである。
これらの発言はまさに自分の東京オリンピックに係るポスト、自分の既得権益を侵されることへの怯えからくる率直(単純)かつ正直な心情の吐露であろう。
私はこれらの発言を聞いた時から、オリンピックを控える東京の都知事には細川候補が一番最適であろうと思った。
舛添候補や田母神候補が都知事になれば、この土建屋ジャパンともいうべき体制には何ら変更なく、バブル時代の再来を夢見る既得権益保持者によって、東京オリンピックは内弁慶的な世界に恥をさらすオリンピックになるのではないかと思えて仕方ない。
他方で、宇都宮候補には、政治的能力に疑問がある。宇都宮弁護士は、クレサラ問題や非弁提携問題で尽力し、その弁護士として業績は私も尊敬するところがあるが、しかし、政治家としての能力となると私は疑問符を付けざるを得ない。
それは彼の日弁連会長時代の功績が何かと聞かれた時に何も思いつかないことからも明らかである。日弁連会長として、大胆な法曹改革ができたという実績すらない人が都知事として、何かを達成できるとは到底思えないのである。
むしろ、彼の在任中に生じた北千住パブリック法律事務所の弁護士による577人の個人情報流出事件における対応を見ても、極めて官僚的であり、責任の所在とその取り方をうやむやにして、処分すら十分に行われずになんとなく終わった感じがしてならない。
弁護士という専門職の集団すら十分に統率することができていないとしか思えないような実績の人間を都知事にしたいとはまったくもって思えないのである。
また、舛添候補には人間的にも支持したくない理由がある。
舛添要一という人物がどういう人間なのかは、片山さつき議員が語っていることから明らかであろう。
片山氏が指摘する子どもに対する養育費の問題や実の姉の扶養義務拒否という指摘に対し、舛添氏は何ら説明責任を果たしていないし、マスコミがこの点を十分に指摘しないことには不満も残る。
このような人間を選ぶことのリスクは極めて高いのではなかろうか。
にもかかわらず、安倍自民党はそうした事情を十分把握せず、勝ち馬に乗りたいからと、人間的誠実さを著しく欠いていると思われる舛添要一氏を支持し、さらには、片山さつき候補に応援を依頼したというのであるから呆れるにもほどがある。安倍自民党がいかに何も考えていないかが如実に表れているといって過言ではないだろう。
いずれにしても、阿保っぽい「アベノミクス」という得体のしれない、かつ、既得権益にしがみつく層しか恩恵を受けられないような現政権の政策に対して、やはり、都民はおかしいぞという声を上げなければならないだろう。
土建屋ジャパンからの脱却に一番効果的な候補は誰かと考えた時、私は、細川護熙候補への一票を投じるという結論に至った。
今日は驚くような大雪である。
この影響があるかもしれないが、明日は数多くの人が自分の投票基準が何かをしっかり考え、それぞれの投票基準に自信をもって投票をしてもらいたい。
「 日本の政治」カテゴリの記事
- 虚像が批判され本物が人気となった2020年(2020.12.31)
- 後手後手を先手先手という菅内閣の詭弁と国民の不信(2020.12.30)
- 日本の危機管理能力がいかに乏しいかを世界に知らしめたクルーズ船隔離の失敗(2020.02.21)
- 森友問題の文書改ざんについて思うこと(2018.03.20)
- 選挙における「言葉」の影響力(2017.10.10)
The comments to this entry are closed.
Comments