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10/04/2011

テレビ局は徹底した暴力団排除とお得意の説明責任を果たせ

10月1日より、暴力団排除条例が全国で施行されたのは、もうご存じであろう。

これを機に、ぜひともテレビ業界には暴力団に対する徹底した排除を期待したいところであるが、10月1日に放映された暴力団との親密交際が原因で引退した元タレントの島田紳助が司会を務めていたTBSのテレビ番組では、暴力団との関係が噂される"芸能人"が平然と多数出演していた。

TBSだけではない。10月2日に放映された別の局の番組にも、同様の"芸能人"が平然と出演していた。
これらの芸能人については、インターネット上で、暴力団の組長の誕生日等に参加している動画は多数存在する。それこそ、GoogleやYouTubeで、「暴力団」、「芸能人」などのキーワードで検索すれば容易に動画は発見できる。

過去の交際であり、現在は付き合いがないということなのかもしれないが、それであれば、そういう人物をあえて起用するテレビ局は徹底した説明責任を果たすべきではなかろうか。

先に、小沢一郎の元秘書3名の有罪判決(控訴中)が出た際に、テレビ局や新聞は、小沢一郎に説明責任が求められるとの論調一色であった。かかる指摘をするのであれば、ぜひとも、マスコミには、自分たちが起用する芸能人の中に、暴力団との結びつきが噂される者がいる場合には、それをあえて起用することに対する"説明責任"を果たしてほしいものである。

当然、芸能人と政治家には、立場上違いがあるだろう。後者は公的色彩が強いのであり、同視することはできない。しかしながら、私は何も芸能人本人に説明責任を求めているわけではない。

マスメディアは説明責任を掲げ、社会的正義を標榜しているのであるから、暴力団排除条例が施行された今、そのマスメディアのうち「テレビ局」という極めて公共の利害に関わり合いのある一般企業とはその公的色彩に違いのある社会的存在が、あえて、暴力団との関わり合いが噂される芸能人を起用するのであれば、その説明をする"社会的責任"を果たすべきだとと思うのである。

島田紳助の騒動は、暴力団という存在が社会的に徹底した悪であるということを改めて認識させ、社会全体で排除していく機運を高めてくれた点において、私は極めて有意義なものであると感じている。ぜひとも毎日新聞の「暴力団排除:「黒い交際」決別求められる芸能界」と題した記事のとおり、テレビ局やマスコミには、この機運と意義を持続して、忘れないようにしてもらいたい。そして、我々もこの機運を時が経つつ共に忘れ、「これを熱しやすく冷めやすい」の一例にしてはならない。

暴力団排除条例は、施行されたばかりで、その適用範囲を巡っては、これから色々な法的問題も生じてくるだろう。しかしながら、せっかくこのような条例ができたのであるから、この条例を積極的に活用し、暴力団という反社会的存在を認めないという断固たる姿勢を我々は示していかなければならないであろう。

暴力団の幹部が、産経新聞の取材()に対し、次のような発言をしていた。

今、解散すれば、うんと治安は悪くなるだろう。なぜかというと、一握りの幹部はある程度蓄えもあるし、生活を案じなくてもいいだろうが、3万、4万人といわれている組員、さらに50万人から60万人になるその家族や親戚はどうなるのか目に見えている。若い者は路頭に迷い、結局は他の組に身を寄せるか、ギャングになるしかない。それでは解散する意味がない。ちりやほこりは風が吹けば隅に集まるのと一緒で、必ずどんな世界でも落後者というと語弊があるが、落ちこぼれ、世間になじめない人間もいる。われわれの組織はそういう人のよりどころになっている。
社会から落ちこぼれた若者たちが無軌道になって、かたぎに迷惑をかけないように目を光らせることもわれわれの務めだと思っている。
不良外国人たちは今、日本のやくざが行き過ぎだと思える法令、条例が施行されて以降、われわれが自粛している間に東京の池袋や新宿、渋谷、あるいは名古屋、大阪などのたくさんの中核都市に組織拠点をつくり、麻薬、強盗などあらゆる犯罪を行っている。

今後、暴力団擁護派からこの手の詭弁を掲げ、暴力団排除条例そのものの批判も出てくるだろう。しかしながら、我々は、かかる虚偽の反論には一切耳を傾けるべきではない。

「落ちこぼれ、世間になじめない」人間を使い、治安の悪化を招いているのは、他でもない暴力団であるという根本を我々は忘れてはならない。また、「不良外国人」を巧みに使って覚せい剤密売等の違法行為の追求を免れるように画策し、トカゲのしっぽ切りで「不良外国人」を悪用して違法な収益を上げているのも暴力団である。

真実から目をそむけさせ、あたかも暴力団に存在意義があるような主張に対して、我々は断固とした姿勢で対峙していかなければ、我々の生活の平穏は虚構のものとなってしまうであろう。

多くの一般市民は、暴力団との関わり合いはないのであるから、こうした暴力団排除ということは、あまり身近な問題として感じてはいないかもしれない。しかし、既に、暴力団は様々な形で、市民生活に忍び寄っているのであり、この排除の機運を維持することが、我々、一市民に求められている。

そして、"民意"を標榜するマスコミこそ、徹底した暴力団排除の機運を高め、維持し、自らを積極的に律して、お得意の説明責任を果たし、自らの背負う社会的責任を果たしてほしい。

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