仙谷官房長官の失言への重要な批判と法務大臣のポストについて
1.仙谷官房長官の失言に対する責任を追及せよ
昨日の記事「代表選から読む"民意"と円高と仙谷官房長官の失言 」で示したように、やはり仙谷官房長官の「防衛ライン82円発言」は重大な失言であるとの批判がちらほら出始めている。
この問題、一部の経済メディアと一部の野党議員しか重大視していないので、今日も引き続き取り上げ、この失言の重大さを読者の皆さんと再認識しようと思う。
まず、ブルームバーグのコラムニスト、ウイリアム・ペセック氏は、「円売り介入は『ソロスたち』への招待状、投機シーズン解禁」と題し、以下のように、仙谷官房長官の発言を厳しく批判している。
ジョージ・ソロス氏や同類の投資家たちが円高を見込むべき理由が2つある。
1.日本の円売り介入は単独行動で、主要7カ国(G7)による協調介入ではなかった。
2.日本の高官が介入の引き金となる水準を投機家に教えるという失敗をしてしまった。
(省略)
また、政府は何がおころうと決して、防衛ラインの水準をトレーダーに教えてはいけなかった。
この鉄則を破った仙谷由人官房長官に眉をひそめた人は多かった。仙谷氏は財務省は1ドル=82円を攻撃に出るべき水準と考えていると発言したばかりか、政府は介入について米欧の理解を得ようとしているとまで喋ってしまった。
つまり、FRBとECBが協力していないばかりでなく、米欧当局は介入が必要とも、奏功するとも確信していないということだ。円投機のシーズン解禁だ。
(省略)
ソロス氏がこの機会を利用しないとしたら、ついに焼きが回ったとしか思えない。同氏は1992年に、ポンド防衛を図るイングランド銀行(英中央銀行)を相手に売り勝ち、10億ドルをもうけた。日銀に買い向かえば今回も恐らく、巨額利益を上げられるだろう。日本の当局者らは無意識に、投機家たちに招待状を送ったも同然だ。
さらに、ブルームバーグが伝えるところによれば、JPモルガン・チェースが「防衛線の水準に言及したことは大きな過ちだ」と指摘したことを伝えている。
JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の佐々木融チーフFXストラテジストは、最終的に円が再び上昇に転じるのは不可避だとした上で、その際に82円が、当局の再介入の水準として投機の焦点になるだろうと指摘した。
(省略)
佐々木氏はさらに、「円が82円台を割れると、一気に79円75銭が見えてくる」との見通しを明らかにした。
こうした金融関係者の厳しい批判が出始めているが、野党や日本のメディアの批判の動きは鈍い。
唯一、明確な批判を開始した国会議員は、みんなの党の渡辺喜美氏のみである。
時事通信の記事によると、野党、みんなの党の渡辺氏も、「わたしが投機筋なら『82円までは大丈夫だ』と必ず狙う。本当にばかだ。国家経営をやったことのない人たちに国家経営任せると日本が滅ぶということだ」と批判したいう。
私にとって、みんなの党は格別、渡辺喜美氏は、野党に転じてから薄っぺらい批判をすることが多いと感じていたので、あまり好きなタイプの政治家ではなくなっていたが、この批判は非常に正しい批判だと感じる。
日銀のホームページでも解りやすく説明されているが、今回の為替介入に使われているお金は、税金である。これは日銀が政府の代理で実務を執行しているが、決定そのものは財務省の権限である。そして、税金を使っている以上、最大の効果を挙げるべきことは明白である。
にもかかわらず、官房長官が、わざわざ不用意な発言をして、介入の効果を減殺する危険を高めてくれるのだから、渡辺氏がハッキリ言うように、仙谷官房長官の発言は、本当に馬鹿げた発言である。
国家の危機的状況において、こうも発言が軽く、失言をしてしまう人物が、官房長官の要職にあるということ自体本当におかしい。
自民党ももっとこの失言問題を批判すべきだし、マスメディアも、下らない「脱小沢」か否かとか、ポスト予測をするくらいであれば、こうした失言をする仙谷官房長官の留任がどれだけ日本社会にとって有害なのかに目を向けて、まともな報道をしてほしい。
仙谷官房長官を即刻更迭しなければ、第二次菅内閣はさらに日本社会を混迷に追い込み、政治による社会不安を引き起こすのではないだろうか。
しかし、報道されている閣僚人事のニュースに耳を傾けると、以前くだらない「脱小沢か否か」ばかりが注目され、日本の危機的状況に対する認識が欠如している。
我が国においては、発言に重みがあり、自分の立場をわきまえた人物を閣僚にしてほしいと望むことすらできないのかもしれない。
2.注目されていない法務大臣のポストこそ民間からの起用を!
なお、個人的には、法務大臣のポストが気になることである。菅直人内閣総理大臣への切実なお願いとしては、ぜひともまともな人物を国会議員以外から登用してほしい。
法務大臣の職は、現国会議員を見る限り、まともにこなせる人物は皆無である。
かつて、三ケ月章教授(民訴法)が民間から登用されたように、まともな人物を民間から登用してほしい。
今、司法制度改革は過渡期に来ている。実務と司法の抱える問題を熟知している人物でなければ、この難問への十分な対応は困難であろう。
具体的な名前を言えば、池田修福岡高裁長官や川出敏裕東大教授、渡辺咲子明治大学院教授など、刑事訴訟法に精通している方々が望ましいと考える。
引き続き今回も紹介します。
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