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04/28/2010

小沢氏の事件に対する起訴相当決議について

小沢一郎氏への検察審査会の起訴相当決議が出たので、非常に簡単ではあるが、私見と参考になる意見を紹介しておこうと思う。

11人中8人以上による起訴相当決議が出たことは、極めて意外であり、私の知見に基づいた判断では、「起訴相当決議は出ないのではないか」という意見を支持していたので、驚きをもってこのニュースに接した。

法律家として、また制度上あるべき姿としての最大の争点は、起訴した場合に有罪にできる証拠があるのか否かである。

これは、専門家として有罪にできないと判断した検察と、起訴相当と決議した審査会の審査員しか「証拠」に接することができないので、制度上、後者が「起訴相当」という判断を出たことは重たい事実である。

ただ、これにより有罪が認定できるかという点については、私は未だに懐疑的に思っている。

いずれにしても、検察審査会という制度は新しい制度であり、今後この判断に基づき、有罪が認定できるのかどうかは非常に関心がある。

検察審査会も、裁判員制度と同様、司法の民主化の試みであって、基本的にこの制度は望ましいと考えてはいるが、裁判員制度と検察審査会制度には根本的な違いがあることも、この際きちんと理解してもらいたい。

裁判員制度は、裁判官の3人が無罪で、裁判員全員が有罪であった場合に、裁判官の判断が優先する。専門的判断に対する尊重の担保ができている。

他方で、検察審査会は全て一般人で構成している。裁判員裁判では職業裁判官が3人ついて綿密に議論を進めるが、検察審査会は担当弁護士(補助員という立場)だけで、関与の度合いも裁判官の指揮のように綿密とはいえないだろう。

そう考えると、一般人である審査員がメディア等々により事前に受けてきた情報の刷り込みに基づき、感情先行の判断をしてしまう危険は否定できない。

法律の専門家が補助員としてしか関与しない以上、裁判員の場合以上に、そうした危険を取り除くことは困難な場合が多いのではないだろうか。

検察審査会制度が注目を受けることは非常に良いことであり、司法の民主化はどこまでが妥当なのかを含め、この制度で起訴された後の有罪率がどうなるのかに注目したい。

なお、今回の検察審査会の起訴相当決議に対する具体的評価について、私見は、以下のブログの記事にある弁護士阪口徳雄先生の御意見に同意するものであり、是非そちらの記事を参照していただきたいと思う。

「弁護士阪口徳雄の自由発言」― 『小沢議員に起訴相当決議(政治とカネ211) 』

「弁護士阪口徳雄の自由発言」―『小沢氏起訴相当の議決書全文(政治とカネ212) 』

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Comments

検察審査会とはどういうものだろうと疑問が膨らみ、検察審査会法に目を通してみました。
審査員の選定については、詳細な規定がありますが、補助員の選び方については、特別の規定が無いように読めたのですが、どうなのでしょうか?
さらにネットで探してみると、千葉県の弁護士会で検察審査会補助員の募集の記事を見つけました。と言う事は、補助員はある程度高度の確率で採用を見込んだ、意図的な立候補が可能ということになります。
先日偶々、90歳の伯父を見舞ったところ、審査員をした経験を話してくれました。無論、審議の内容は話しませんが、硬骨漢の伯父が、すべての証拠を精査すべきと論じたにもかかわらず、結局事務局のお膳立ての通りに進んでしまったと、述懐しておりました。
伯父の経験は、数十年も前のことで、まだ審査会制度が改正される前のことですから、単純に同じとはいえませんが、そういう傾向はいまだに引きずっているのではないかと疑ってしまいます。
ESQさんは陰謀論に組しない方とは思いますが、以上のようなことを勘案しますと、あからさまではなくとも、何らかの誘導があったのではと、疑っている私です。

Posted by: K.T.  | 04/30/2010 at 10:53 PM

200,000アクセス突破、おめでとうございます。
来週からも、破竹の勢いupwardrightをキープすることを祈っております。。

Posted by: scott | 05/09/2010 at 01:51 AM

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» 『検察審査会』とは一体どういう種類の人達なのだろう?/マスコミの誘導に影響されている部分は無いのか? [晴れのち曇り、時々パリ]
日本との時差が7時間で暮らしている。 仕事から遅く帰って来て、マックを開いたとたんに「小沢起訴相当」との記事が目に飛び込んで来た。 やっぱりな。。。 想像していた事が起こった。 悔しいが、想定の範囲内であった。 そもそも『検察審査会』なる組織体の構成員は、ランダムに選ばれた(これが一番のくせ者)一般市民では無かったか。 各地裁所在地に設置されている機関。 司法の判断を、市民目線から審査する事がその目的。 民意を反映させることによって、起訴・不起訴に関する検察官の判断がひとりよがりに陥る... [Read More]

Tracked on 04/28/2010 at 05:12 PM

» 【検察審査会】惨軽は主張を転向させた理由について説明責任を果たすべきだ!【推定無罪】 [ステイメンの雑記帖 ]
 「天網恢々疎にして漏らさず」という言葉は、支那の古典である老子にある言葉で「天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。」という意味である。  さて、頭狂第5検察審査会が小沢幹事長を「起訴相当」としたお陰で、民主党を不倶戴天の敵として忌み嫌う売国新聞惨軽が、狂喜乱舞している。  だが、実際に現段階で「起訴」された訳ではないうえに、 近代刑事法の大原則である「推定無罪」の大原則を少しでも弁えていれば狂喜乱舞する... [Read More]

Tracked on 04/30/2010 at 08:25 AM

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