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03/10/2010

スカイマークの問題について(私は二度と乗りません)

突然ですが、宣言します!

私は、以後、以下2つの条件のいずれかが達成されない限り、二度とスカイマークの飛行機には搭乗しません!

①機長の交代、及び当該機長の解雇に関与した役員が引責辞任をし新しい経営陣のよる新しい安全体制の構築を図る、

又は、

②辞任しないにしても、今回の事件について徹底した説明責任を尽くし、このような利用者の安全性を犠牲にする経営陣の介入が二度と起きない体制を作る。

既に御存じだと思いますが、スカイマークの社長及び会長が機長の安全判断に介入して、国土交通省から文書による厳重注意がなされました(時事通信の記事)。

TBSが報じたところによれば、最終権限を有する機長の安全判断に介入した上に、雇用契約を解約して、解雇したと報じており、その判断に誤りはないと会社は言い張っているようです。

人の命を扱っている企業において、このような行為が許されて良いのでしょうか。

私は航空業界という厳しい業界で、二大企業のはざまで頑張っている小さい企業であることなどから、応援の気持ちも込めて、スカイマークを結構利用していました。

それだけに裏切られたという気持ちでいっぱいです。もちろん、私一人が勝手に不買宣言ならぬ、不搭乗宣言をしたところで、何の影響もないでしょう。

しかし、私はこういう利用者の安全性を犠牲にし、機長の判断を覆したうえで、解雇するなどという行為に及んだスカイマークの行為を一利用者として到底許すことはできません。

もちろん、現場の職員、とりわけ、客室乗務員、整備士、地上職員、ディスパッチャー、などは薄給の中、一生懸命頑張っているに違いありません。

私も友人がJALやANAに勤務していますから、航空業界の厳しさを良く聞きます。現場の職員は本当に良く頑張っていると思います。

だからこそ、私は今回のスカイマークの社長、及び会長の行為を許して、利用する気にはなれないのです。

TBSの映像を見る限り、注意処分を受けた役員2名は、報道陣の問いかけにも答えていませんでした。

スカイマークのHPを見ても、およそ利用者を馬鹿にしているのではないかと思ってしまうのですが、数行のお詫びが掲載され、まったくもって説明がなされていません。

読売新聞の記事によれば、2年間の契約期間を残して機長との雇用契約を解約したと言います。

期間の満了前に解約することは、何らかの債務不履行事由(懲戒事由)がなければ許されません。おそらく、業務命令に違反したなどの懲戒事由をもって解約していることと推察しますが、機長の判断に介入したこと自体が航空法の運航規定違反であり、この業務命令には違法があったということになります。

違法な業務命令に従わないことは、懲戒事由には当たりません。

期間の定めのある雇用契約であっても、解約権の行使に当たっては、労働契約法3条5項の権利濫用、および労働契約法16条の解雇権濫用の規定が類推適用され、客観的の合理的理由を欠き、違法な権利行使として、無効となります。

スカイマークの件については、報道されている限りの情報で判断すると、機長との契約解除は民事的に違法と判断され、解約権濫用で無効となるのではないかと私は思います。

人の生命、身体の安全が最優先されるべき航空業界において、このような事態を引き起こすのは本当に驚きです。経営陣の法令順守意識の欠如が甚だしいく、憤りを感じます。

応援していただけに、本当に腹ただしい。

私が今できることは、上記2つのいずれかの条件を満たして改善されるまで、スカイマークを利用しないということです。

一生懸命頑張っている従業員の皆さんには申し訳ないと思います。

しかし、国交省の厳重注意を受けても、スカイマークのプレスリリースは、「平成22年2月5日の運航便において安全上の問題で機長を交代しましたが、結果として機長の権限の扱いに疑義を抱かれ厳重注意を受けることとなってしまいました。」と言っています。

あくまで、交代させた判断に間違いがあったということは認めないかのように読み取れます。

TBSの報道でも、「スカイマークは、『パイロットの精神に反する』としてこの機長をその日のうちに解雇していて、『判断は間違っていない』としています。」ということです。

このようなプレスリリース、報道対応を平気で行う経営陣がいる会社に、私は自分の身を委ねることは二度とできません。

さらに、朝日新聞の電子版の記事によれば、「この問題で機長と社長らが口論になったといい、機長は、この際に社長らが『手をあげた』などとして警視庁東京空港署に被害届を提出。同署が経緯を調べているという。」ということで、かなり大きな問題に発展しそうです。

低価格運賃であったとしても、自分の生命、身体の安全を犠牲にし、安全性の確保に疑義が生じる体制を指摘された企業の航空機に乗るほど勇気もありません。

賢い消費者となるためにも、私は今回、一人で勝手に、不搭乗宣言して、実行します。

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<スカイマーク>機長交代不適切 国交省が会長らに厳重注意

3月9日19時39分配信 毎日新聞

 国土交通省は9日、スカイマーク(本社・東京)の井手隆司会長と西久保慎一社長が機長の安全上の判断を否定し、別の機長に交代させ運航したのは不適切だったとして、同社に厳重注意した。

 国交省などによると2月5日、羽田発福岡行き017便(ボーイング737-800型、乗客177人)の外国人機長(52)は、客室乗務員のチーフの声が風邪でかすれていたため緊急時の呼び掛けが困難と判断、本社にチーフの交代を求めた。これに対し、社長と安全統括管理者の会長は交代させずに飛ぶよう求めたが、機長は拒否。このため自宅待機していた別の外国人機長を呼び出し、この機長がチーフの声に問題ないと判断して1時間遅れで出発した。同社は交代を求めた機長を同日付で契約解除した。

 同社では航空法に基づく運航規定で、安全の最終判断は機長がすると定めている。国交省は「会長らの行為は安全運航体制を脅かしかねない」と指摘し、安全管理体制を見直すよう求めた。機長2人の判断に問題はなかったとしている。国交省で文書を受け取った会長と社長は何もコメントしなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100309-00000093-mai-soci

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Comments

私も、まったく同じ意見です。
なぜ、チーフパーサーを交代させなかったのか? まったく理由が分かりません。
国交省も、もっと厳しい措置をとるべきでしょう。

Posted by: aabandoneon | 03/11/2010 at 04:56 PM

初めて書き込みます。
確かに今回の問題はあってはならないことだと思います
ただ、JALにしてもANAにしても以前同じような問題を起こしてるのをニュースでみたのを覚えています。JALについては客室乗務員に飛んでるときに操縦桿を触らせて記念撮影したとか。しかも、操縦士もCAも解雇されずに今でも飛んでいます。これは悪い言い方かもしれませんが表沙汰になってないだけで他の航空会社でもこういうことはあると思うんですよ。今回スカイマークの操縦士にしても解雇されたわけだし十分厳しい処分のはずですよ。
まあ、僕個人の意見なんで100パーセント正しいとは言えませんが。

Posted by: | 03/13/2010 at 12:18 AM

>aabandoneonさん
はじめまして。
コメント有難うございます。おっしゃる通りだと思います。
私もいわゆる厳重注意というあくまで行政指導の範囲を超えない対応は非常に問題だと思います。
特に機長の判断への介入に対しては事業改善命令を出すべきだと私は思います。行政指導はあくまで、指導であって、従わなくたって良いわけですからね。


>無記名の方
はじめまして。コメント有難うございます。
次回から何かニックネームを入れていただけると、他の方と区別できますのでよろしくお願いします。無記名ですと、公開しない場合があります。

さて、他の航空会社ですが、あるかもしれませんが私はそれ以上のことは言えません。あると信じる相当の理由がないためです。名誉毀損罪になってしまいますからね。

処分に関しては、会社に対してなのか、操縦士に対してなのか特別すべきでしょう。操縦士に対しては、航空法違反なのか、懲戒解雇が妥当なのか等も含め詳しく解らないので、なんともいえません。

しかし、会社に対しては、行政指導だけです。厳重注意に何も法的意味はありません。機長への介入は会社の経営トップがやっていますからこれは絶対許されるべきことではありません。

国交省は会社に対してもっと法的効果のある事業改善命令などの「処分」をすべきだと私は思います。

JALやANAに対しては、事業改善命令が出た例もあります。しっかりとした処分が望ましいですね。

Posted by: ESQ | 03/13/2010 at 12:49 AM

初めて書き込みします。

私は正直、スカイマーク以上にパイロットや国交省を信じるに足る情報が充分に報道されていないので、ブログ主様のような判断はできません。

パイロットは自分の判断が絶対に正しかったと思うなら、記者会見をしてスカイマークの非道を明らかにするべきなのではないでしょうか?それが無いのはなぜでしょう?

日本のパイロットは、規制に守られた既得権益享受者の代表のような職業です。このような職業の人は昔の職人同様、時としてささいな「聞き分けのない子供」のような態度をとることがありますが、今回の事がそのような例ではないと言う事はできるでしょうか?
もしくは、JALの崩壊に伴うスカイマークの躍進を快く思わない人種が行ったマスコミ工作ではないという証拠は何でしょう。

日本人はとかく「お上」に叱責された、というだけで叱責の対象になった個人や集団を「悪」と思考停止してしまう傾向がありますが、そもそもその「お上」こそ、厳重な監視をしていかなければならない存在であることに気づく必要があります。
そうでなければ、共同体の利益は益々損なわれていくばかりです。

今回は、その機長が飛行を危険と判断したその背景、機長と上位者との会話の一言一句まで明確にし、判断するべき事と思います。

Posted by: haruomi | 03/13/2010 at 08:20 AM

>haruomiさん
はじめまして。
コメント有難うございます。

マスコミの報道を一方的に信じないという姿勢は正しいと思います。しかし、パイロットに既得権益があるからパイロットが会見すべきというのは論理が違っていると私は思います。

法は機長に運航上の安全判断に関する最終的な判断権者としての権限と責任を与えているわけです。その判断を機長が行っている以上、それを覆すのであれば、機長の判断が権限の濫用に当たるなど立証責任は会社側にあるはずです。

機長ないし国交省はその権限に従って判断したのですから、会社側の立証責任を前提に反証すれば足ると考えるべきでしょう。

そもそも、この問題に不服があるのであれば、スカイマークは行政指導でしかない厳重注意に対し、反論するなりすべきです。行政指導は従う義務はありません。単なる事実行為です。

にもかかわらず、お上の前だからしおらしくしていれば良いみたいな発想で、自分たちの説明責任すら尽くさず、嵐が過ぎるのをやり過ごそうという姿勢が見え見えです。


>このような職業の人は昔の職人同様、時としてささいな「聞き>分けのない子供」
>のような態度をとることがありますが、今回の事がそのような>例ではないと言う事はできるでしょうか?

この部分についても、単なる憶測でしかありません。もし、そういう事実があるとするならば、繰り返しになりますが、それはスカイマークが立証すべき事柄で、スカイマークが説明責任を尽くして、そういう事実があったから、介入したのは妥当であるという反論をすべきです。

しかし、スカイマークがそのようなことをする兆しすらありません。したがって、そのような事情を仮定してスカイマークの行為を許容することはできません。

>日本人はとかく「お上」に叱責された、というだけで叱責の対>象になった個人や集団を「悪」と思考停止してしまう傾向があ>りますが、そもそもその「お上」こそ、厳重な監視をしていかな>ければならない存在であることに気づく必要があります。


少なくとも私はこういう発想はしていません。スカイマークが自分たちの判断が正しいと信じるならば、それを立証すべきなのです。そういうことを一切する気配がなく、行政指導を受け入れている以上、指摘された事実が正しいということになります。

私はむやみやたらに陰謀論などを主張したり、無理のある発想をすることには賛同しません。機長をはじめとしたパイロットの待遇の良さ、労組の強さは知っていますが、パイロットの判断がいかにおかしいかという権限濫用の立証を会社側がしない以上、難の正当化できる理由なくして、法に反して会社側が安全判断を覆したと考えるのが妥当だと思います。

Posted by: ESQ | 03/13/2010 at 09:27 AM

丁寧な反論ありがとうございます。
しかし「権限」だからといいますが、権限を否定したいう事じたいがこの場合本当に本質的に罪なのかとあえて言いたいですね。

機長の権限は本来乗客の安全を守るためにあるはずですが、「チーフパーサーの声がかすれているから危険時に指示できないかもしれない」というのが、航空会社のみならず、乗客の何千万もの損失を与えることになる、飛行機の離陸を止めるに「無理のない」理由でしょうか。客室乗務員も複数いるでしょうし、いったい何時間の飛行なんでしょうか。検温させる間飛行を遅らせる、乗務員を交代させるなどの方法で代替できなかったのでしょうか。「変だな」というのは報道を読んだ誰もが思った事でしょう。

この場合機長の側からなんらかの詳細な説明がない限り事情はわかりません。例えば、客室乗務員は熱を出しており、スカイマークは乗務員の健康管理を日常的に怠っていたと言う説明が機長側から告発されているなら別です。
しかし普通に考えれば単なる機長がカッとした結果の「権限の濫用」としか思えません。
また「憶測」でしかありませんが、あまりに指摘が細かい点であることを常識に照らして推測すれば、この事件に先立って当該の機長と会社の上司、または乗務員との間に何らかの心理的確執が存在したと言うのが常識的な見方でしょう。
しかし少なくとも、「声のかすれ」が、他社で起こったような操縦席で写メをとっていたような行為に較べ、どれだけ実際の安全に影響があったのかは疑問が残ります。

無実の証明は難しい、というのはいつの世の中でも同じです。
あまりにもくだらない理由で貶められれば、弁護の言葉を重ねれば重なるほど弁護している人が怪しまれてしまう事さえ起こります。残念ながら「疑わしきは罰せず」は日本で発明された原則ではありません。
このような場合、賢明な周囲の人間は愚かな告発者を無視するべきですが、お上信仰と衆愚が事態をややこしくしてしまうというのは蛮社の獄の時代から変わらないこの国の悪癖のようです。

Posted by: haruomi | 03/13/2010 at 03:59 PM

>haruomiさん

長い反論コメント有難うございました。

私が貴殿に言えるのは、スカイマーク社が行政取締法規違反に該当する行為をしたことについて、同社が争う姿勢を見せ、十分な主張立証を行っていない以上、違反に該当する行為があったと考えるのが法的論理的思考であるということだけです。

貴殿のおっしゃっている事実は貴殿の推論に過ぎず、スカイマーク社のプレスリリースからもかかる時事実を裏付けるような主張は出てきていません。

何度も言いますが、権限濫用に当たり、スカイマーク社の判断に違法性が無いと考えるのであれば、同社が争うべきなのです。同社は数行程度のプレスリリースにより説明しかしていませんから、同社の判断の正当性を根拠づける評価根拠事実は一切存在しません。

したがって、貴殿のような見解には私は賛同できません。

また、しっかり私のコメント等を読んでもらえれば解るはずですが、私は無実の立証など求めているわけではありません。

すくなくとも、国交省は機長の安全判断を覆したという違法行為につき、その事実が存在するという高度の蓋然性の立証は尽くしています。あとはこれに違法性がないスカイマーク社が考えるのであれば、いわゆる違法性阻却事由ともいうべき、正当化事由を立証すべきであり、その挙証責任はスカイマーク社にあると考えるべきなのです。

それを果たさない以上、国交省の指摘通りの違法があったと認めていると考えるのが極めて自然な思考であると考えます。

Posted by: ESQ | 03/13/2010 at 06:19 PM

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