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10/16/2009

意外な事実(最近見かける映画のCMでは解らないこと)

最近テレビのCMを見ていると、よく見かける映画のCMがある。

東映が配給元で、「仏陀再誕」という映画である。何気なくインターネットを見ていたら、この映画について書かれていることを目にして、意外な事実をしてしまった。

当初は、この映画について、不覚にも、「あれ?手塚治虫の『ブッダ』の関係の映画なのかな?」という程度理解で、「手塚治虫のアトムもハリウッド映画化されたし、ブッダも日本で映画化されるんだな。数ある作品の中で、宗教色の強いブッダをアニメ化に選ぶなんて、やっぱり暗い時代を背景にしているのかな?」なんていう感想を持っていた。

しかし。なんと!!!

この映画、実はこの前の選挙戦あたりから、政界進出を計画している幸福実現党の母体である宗教法人幸福の科学の教祖、大川隆法の本が元になっていることをインターネットで初めて知ったのである。

もともと、私自身宗教に興味がないのであるが、この事実を知って、ある種の恐ろしさを感じたため、今回取り上げることにした。

私の記憶が確かならば(ええ、料理の鉄人の鹿賀丈志さんのセリフです・・・)、約15秒ほどのテレビCMでは一切、大川隆法とか、幸福の科学という情報がないので、「仏陀再誕」という本が大川隆法の原作だということを知っている人でない限り、おそらく、気がつかずに、映画を見てしまう人も数多くいるのではないだろうか。

驚いてしまうのは、配給元が東映ということである。天下の東映が、いくら発行部数が多いといっても、新興宗教の宣伝につながるようなアニメの配給元となり、大々的なテレビCMを流していることが許される世の中になっていることに私は驚きを隠しえない。

もちろん、この議論、私の専門とする法律的な話に持っていけば、信教の自由や宗教的表現の自由とか色々話をすることができるが、今回はそれにはあえて言及しないでおく。

つまり、私が言いたいのは、①幸福の科学という宗教団体が、創価学会と同じくらいの集金力を持ち始めているということ、②資金力があるために大手配給元を使い、大々的なテレビCMが流されていること、③インターネットと無縁の人は特に、この映画が新興宗教団体の教祖が原作であることを知らずに、映画館に行ってしまうこと、④そうすると、中にはマインドコントロールされる人がでてくるおそれがあること、の4点である。

インターネットは万能ではないが、テレビをはじめとする既存のメディアだけでは、得られない情報があるということの良い例ではないだろうか。

こういう新興宗教団体の宣伝につながる映画が、何のためらいもなく、しかも、全国的なネット網のある東映系の劇場で配給されていることに(都内だけでも主要な映画館では取り扱うようである)、違和感を感じるのは私だけだろうか。

この手の映画が他の映画と同じような扱いを受けることに、デフレ状態にある日本におけるある種のモラルハザードを感じてしまう。

最後に、「手塚治虫先生、勘違いしてしまってごめんなさい」と心から言いたい。

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以下は、上記映画とは全く関係ない、手塚治虫先生の「ブッダ」です。私はこちらの方が好きです(といっても上記映画が新興宗教団体の教祖の原作と知った今、どんなことがあっても見ることはないと思うのですが・・・)。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

ん〜〜〜む……。
もちろん私も全然観たくありませんが、ちょっと気になって公式サイトを見てみましたら

「この作品の収益の一部は、ネパール大使館の協力のもと、釈尊生誕の国、ネパールの子供たちの教育支援に役立てられます。」

とあり、こうきたか!と、うなってしまいました。
ネパールに寄付する主体が出版社なのか宗教法人なのか映画会社なのかなんだかわからないし、どのくらい観客を動員できるのか、作品自体にマインドコントロールできる説得力があるのかどうかも甚だ疑わしいですが、それ以前の素朴な疑念が……。
この映画の宣伝を信者の方々がやった場合、それは「公益を目的とした」宗教法人の活動の一環、ということになるのでしょうか?
おそらく映画制作自体は出版社の収益事業なんでしょうけど、「寄付」云々の文言がある以上、税率は優遇されるのかなあ……??

オウムの事件以来、宗教法人の課税優遇措置に対する批判が高まっていますが、そもそもその措置の前提となる、宗教活動の公益性の有無を判断する基準には、何か明確なものがあるのでしょうか?

社会福祉法人や学校法人のように事業目的が具体的な団体ならばわかりやすいのですが……。
一般企業の活動にも公益性はあると言えば言えるわけですし、一律に宗教法人イコール公益法人としなければならない理由ってあるんですかね?

えーと、仮に、の話ですけども。
布教活動から営利目的事業から公共に資する活動から、時には政治的な活動までも一緒くたになっている団体が仮にあったとして、果たしてそういう団体にも、公益法人としての格を与えてしまってよいのか。そういう団体に対して税制上の優遇措置を適用できるのか。
宗教法人法というのは、法人申請時にはその団体の社会的業績なり功罪なりを問わない法律なのか。そうならば、法人活動開始以降どの時点で、活動実態や事業収益の使途などを審査するのか。例えば課税の時にそれは厳しくチェックされているのか。
等々、正直よくわからないことだらけです。(たぶん、法律的に無茶苦茶なこと言ってると思います、すみません)

個人の信教の自由の問題と、宗教団体の活動のあり方の問題と、法人税制上の問題とは、分けて議論しなければいけないんでしょうけれど、法律が新興宗教の資金力拡大を助長してきた面もあるのでは……? 
どうもアタマがこんがらかってしまって、メディア業界のモラルハザードを批判するところまでたどり着かないうちに、息切れであります。。。

Posted by: ginger | 10/17/2009 at 12:34 AM

 僕も、TVcmを見て、「ありゃこれはオウムかいな」「カルトの洗脳フィルムを垂れ流すのは、番組審議会で引っかかるのではなかったのか」と思いました。
 だって、①仏教の教えは、その哲理=抽象にあって、肉体的物理的実存とは無縁だと思っていたからであり、②「再誕」自体が、キリスト教的復活思想の焼き直しで、新新宗教にありがちな俗説教義の「ごった煮」だと感じたからです。
 手塚ブッダには、こんなところありましたっけ。
 しかし、これを公然と放送するかなあ。
 学ばないメディア界には、ホントに愛想が尽きましたね。

Posted by: 豊後魂 | 10/17/2009 at 12:07 PM

>gingerさん
いつもコメント有難うございます。
返信が遅くなり申し訳ありません。

さて、貴殿の疑問ですが非常に難しい話ですね。
正直、具体的な宗教法人の収益事業と(非)課税措置の問題について真剣に考えたことがありませんでした。

あくまで一般論ですが、宗教法人の活動でも「収益事業」に当たる場合は、課税対象となります。

「収益事業」と言えるためには、販売、製造、その他一定の事業(政令で定められたもの)で、かつ継続的に行われ、事業所を設けて行われていることが要件となります(法人税法2条13号)。

教祖の本の出版、販売(出版事業)や映画の事業収益は、通常、継続的に行われ、事業所を設けて行っているといえますから、収益事業として課税対象になると思います(法人税法2条13号)。

ただ、実際は貴殿のおっしゃる通り、不明確なものが多く、本来課税対象となっているものが、非課税という扱いにしてしまっている例が多いという問題があるのが現状です。

記事を書いたときはそこまで深く考えていませんでしたが、宗教法人の活動と税制上の取り扱いは、法的にはややこしい問題(評価の線引きが難しいということ)がありますね。

後半の宗教法人の設立の話ですが、公益法人(社団法人や財団法人)は許可主義ということで、主務官庁による審査があり比較的厳しいわけですが、宗教法人は認可主義ということで、設立要件を具備していれば、認可(認証)されます。

許可主義と認可主義の違いですが、許可主義は主務官庁の自由裁量による審査となりますからより厳しく判断できるわけですが、認可主義の場合は要件を満たしている限り認可しなければならないことになります。

もっとも、認証(認可)は、営利法人(会社)の設立の場合のような登記と登記官による形式的審査によって設立される場合とは異なり、本来、認証を行う所轄庁(都道府県知事および文部科学省)は実体的な審査権限を持っていますから、いわゆる税金逃れ目的での設立は困難なはずです。

ただ、設立後は認証を行った所轄庁による調査等がどこまでできているのかについては御存じとは思いますが疑問があると多くの指摘がされていますね。


>豊後魂さん
いつもコメント有難うございます。

手塚治虫のブッタなのかと思ったのは、ブッタといえば手塚治虫だからという単純な思考で、あのCMの具体的な映画の中身を真剣に見ていなかったので、そこまで考えずに、「ブッタ?手塚漫画でも映画化したのか?」と思っただけです。笑

最近は、一時期よりCMを見かけなくなりましたね。なんか理由があるのでしょうか。それとも単にもう十分CMをやったからなのでしょうか。

いずれにしても、貴殿のおっしゃる通り、あの映画を東映が配給し、大々的なCMが流れたのは私は非常に疑問を持ちます。

Posted by: ESQ | 10/24/2009 at 07:41 AM

詳細かつ分かりやすい解説、ありがとうございました!
(とっちらかったゴニョゴニョを整理していただき、本当にすみませんでした)

社会的に重大事件を起こした宗教法人が、団体名称を変えて事実上存続できているというのが、すごく不思議だったのです。
そっか、一口に公益法人といっても、許可と認可の違いがあるのですねえ……。
世のため人のためになっているかいないかという評価基準も、法律で定めるのは難しいんだろうな、とは思います。
でも、宗教ばかりじゃないですけど、世間的にアウトでも法的にはセーフなことって、けっこうあるので、なあんか釈然としない今日この頃デス。

あっ遅ればせですが、私も手塚ファンです。『ブッダ』再読してみようかな。

Posted by: ginger | 10/28/2009 at 05:14 AM

>gingerさん
コメント有難うございます。

およそ法というものは基準を定めているに過ぎず、結局はそれを運用したり、解釈する側がどうやって理不尽ではない妥当な結果を導くかということに尽きるのだと思います。

ただ、法を世間の感情に迎合するような運用がなされてしまうことも問題です。

このバランスをいかにつけるかが法解釈や制度運用を行う人間に求められている究極の問題なのかもしれませんね。

Posted by: ESQ | 11/04/2009 at 07:44 PM

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