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10/21/2009

読売新聞の世論調査に愕然とした話

先日、危険な数字によるイメージ操作の典型例ともいえる衝撃的な記事を発見しました。

もしかすると、皆さんの目にも止まったかもしれません。読売新聞の14日の朝刊記事です。

なんと、その記事で、85%の人が新聞が信頼できると答え、91%が新聞は必要だと答えたというのです。

最初の私の感想は、「本当か?新聞取ってない人多いのでは?」というものでした。

ただ、よくよく記事を読んでみると、明らかにこのように新聞の存在意義を強調するための「作られた数字」(公認会計士の山田真哉先生の言葉を借ります)であることに気がついたのです。

この世論調査には、以下、3点のような問題があります。

まず、皆さんで考えてみてください。(考える時間の目安:1分)








さあ、3つ思い浮かびましたか?様々な解答が予想されますが、私の考える3つの問題点は以下の通りです。

一つ目は、調査方法です。

面接方式を採用しているわけです。これは、サンプルとなる人物を会社などに呼び出して、面接官を前にして、サンプルの回答を引き出す方法です。この方法は有効回答数(あいまいな回答や回答拒否などを除いた回答)を高くするには優れているのですが、面接官による影響が受けやすく、面接官による誘導に乗りがちです。

また、わざわざ新聞社(ないしその関連会社や委託会社)が呼び出して、それに応じて来た人をサンプルにしているわけですから、自然と新聞社に好意的な人が集まる傾向が高くなります。

時間帯によっては、面接に行ける人間は非常に限られてしまいますから、意図的に新聞を好意的に読む層をサンプルに組み込んで、実態とかけ離れた「作られた数字」が生まれる恐れが非常に高いわけです。

さらに、面接方式の場合、電話方式などと比べ、サンプル数には限界があります。

したがって、面接方式というだけで、以上のような信ぴょう性に疑問を生じさせる問題があるわけです。

2つ目は、新聞は必要か不要かという二者択一での回答を求めている点です。

私自身、新聞があったことにこしたことはありませんが、必要か否かと問われれば、必要と信念を持って答えません。つまり、「不要だ!」と信念を持って明確に答える以外の「どちらかといえば必要とか」、「あってもよいけど、不要とまではいえないな」というような中庸の回答がどこに含まれているかわからないのです。

しかし、そういう回答をどこに含めるか(そもそもそういう回答を認めるのか)により、調査結果は大きく変わります。それを「新聞は必要」に含めてしまうと、新聞に対する認識を正確に反映できているとは言えません。

また、上記の面接方式にも関係してくることですが、あいまいな回答があった場合に、面接官が、「じゃあ、不要というわけではないのですね?」と確認した場合、「そうですね」と回答してしまうことが容易に予想されます。

そのような場合、面接官の誘導と回答方法の二者択一ということが相まって、調査側の欲している「作られた数字」が生まれてしまうことになります。

3つ目は、利害関係を有する新聞社自体がこの調査を行っている点です。

これが最大の問題点です。全くの利害関係のない団体が行った調査と、利害関係を有する団体の調査では、前者の方が後者より信頼できると経験則上いえます。

これは裁判における証拠調べにおいても同じことが言えます。

証人尋問において、全くの利害関係がない目撃者の証言と、被害者又は加害者と利害関係がある目撃者の証言とでは、証拠価値(証拠としての信頼性)は前者が相対的に高いのに対し、後者は相対的に低くなります。

したがって、新聞社がこのような調査をすること自体、結果ありきの調査となるのは必然的な帰結であって、「作られた数字」であるという疑惑が生じさせる最大の理由がそこにあるのです。

さて、皆さんの回答と私の回答は一致しましたか?

他にも色々な問題があるでしょうが、とりあえず、私は以上3点が直ぐ思いつきました。

つまり、この調査は「新聞社の、新聞社による、新聞社のための調査」ということです。

ただ、私はこの記事を読んだときに、それを恥かしげもなく、「このような世論調査の結果が出ました!」と言い切れる、メディアの面の皮の厚さに驚いてしまいました。

読売新聞は私企業ですからどういう世論調査をしようと勝手ですが、下らない世論調査にお金と労力を使うくらいなら、もう少しまともな記事を日々書くように社員教育する方が、読者のためになるのではないかと私は思います。

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「新聞は必要」91%…読売世論調査

 読売新聞社が15日からの第62回新聞週間を前に実施した面接方式の全国世論調査で、情報や知識を得るために新聞は必要だと思う人は91%に達し、昨年の90%と同様の高い数値を記録した。

 新聞の報道を信頼できると答えた人は85%(昨年85%)に上り、国民の多くが新聞を評価していることがわかった。

 新聞について「必要とする情報や日常生活に役立つ情報を提供している」と思う人は88%(同86%)、「事実やいろいろな立場の意見などを公平に伝えている」は69%(同66%)、「国民の人権やプライバシーを侵さないように気を配っている」は74%(同70%)だった。いずれも昨年を上回る評価を得た。

 「ニュースの背景や問題点を掘り下げて解説する」という点で、大きな役割を果たしていると思うメディアを複数回答で聞くと、「一般の新聞」を挙げた人は61%(同76%)で最も多かった。「社会の懸案や課題に対する解決策を提案する」点でも「一般の新聞」は59%(同63%)で、他のメディアを上回った。

 調査は9月5~6日に行った。

(2009年10月14日23時19分  読売新聞)

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