« 民主主義とはどういうものなのか(八ッ場ダム中止からの考察) | Main | 政権内の食い違い自体は全く問題ではない(連立政権のあるべき姿を考える) »

09/20/2009

数におごるとしっぺ返しが必ず来ます(永住外国人への地方選挙権付与の問題)

シルバーウィークが始まりましたね。皆さんはいかがお過ごしですか?

私は連休中に釣りに1回行きたいなと思っています。釣りは小学生の頃やったことがある以来なので、上手くできるか解りませんが、せっかくの秋の休みなので、何かそれらしいことを1日やれれば、息抜きもできるかなあと思っています。

さて、今日は、2つのニュースについて論じます。

1つは鳩山民主党政権に対するエール。もう1つは苦言です。

官僚が政治家によりコントロールされる。

まさにこれが本来政治のあるべき姿です。

責任を取るのは、国民の信託を受けた議員により選出された内閣総理大臣が任命した国務大臣です。

基本的に官僚が省庁の見解を代表するような記者会見は禁止するのは当然です。

この制度で、イギリスでは政治もメディアも日本以上にしっかり機能しています。

一連の官僚記者会見に関するメディアの抵抗、及び、記者クラブ廃止に対するメディアの反抗を国民は注視していく必要がありそうです。

新政権に戦々恐々 記者会見見直す省庁続々

9月18日23時45分配信産経新聞

 鳩山内閣が官僚による記者会見廃止の方針を打ち出した波紋が広がっている。鳩山首相は18日、事務次官の定例会見は中止とするものの、必要と判断した場合は官僚による会見や情報提供は行ってもいいとの方針を示した。ただ、警察庁が長官の定例記者会見を廃止したほか、海上保安庁も長官会見を廃止するなど「脱官僚依存」を掲げる新政権に戦々恐々としている様子が浮き彫りになった。

 中井洽(ひろし)国家公安委員長は18日夕の記者会見で、警察庁長官の定例記者会見を廃止し、今後は委員長会見に長官が同席する方式とすると発表した。

 今後、会見は委員会の主催とし、委員長が欠席の場合は、5人の公安委員のうち1人が代理として質疑に応じる。また、重大事件が発生した場合など長官が臨時に単独で会見に応じる場合には、委員長に事前に届け出ることを警察庁に求める方針という。

 一方、海上保安庁は各管区海上保安本部に対し、定例記者会見の開催を当面見合わせるよう指示した。海上保安庁で毎月1回行われていた長官会見についても廃止を決定。第2管区海上保安本部(塩釜)と4管(名古屋)、6管(広島)、8管(舞鶴)、9管(新潟)は18日、定例記者会見を中止する方針を明らかにした。

 農水省も農水相による閣議後会見で、これまで慣例だった官房長の同席を取りやめた。中部運輸局(名古屋市)は29日に予定していた記者懇談会を中止した。

さて、次のニュースは永住外国人への地方選挙権の問題です(あえて、私は参政権という言葉を使わず、選挙権と以下言います)。

私は、日頃、小沢幹事長の政治手腕は高く評価していますが、この問題に対する取り扱いは非常に不適切だと思います。

少なくとも、永住外国人の地方選挙権付与の問題は、国民の参政権に非常に大きな影響を及ぼす問題ですから、現在の衆議院では、かかる法案を通過させることは不適切だと思っています。

その理由は簡単です。

民主党は、8月の衆議院選挙で、この政策をマニフェストに入れていないからです。

選挙の争点として、国民の十分な審判を経ていない問題ですから、安易に付与する動きは到底認められないと思っています。

多少、例としては不適切かもしれませんが、選挙権の付与というのは、株式会社の非公開会社でいう新株(とりわけ、株式の自益権という点に似ていると思うわけです)の発行に似ており、会社法上、非公開会社における新株の発行には、株主総会の議決によらなければなりません(会社法199条1項、2項)。

なぜ似ているのかといいますと、基本的に、地方選挙権を外国人に付与するというのは、地方自治体における構成員の拡大を意味します。新株の発行も、会社という社団の拡大行為ですから、その点に類似性があると感じるわけです。

そして、譲渡が可能な株式(非公開会社においては会社の承認を必要としますが)でさえ、株主総会という場での決議が必要なのです。

したがって、選挙権という本来国民にのみ憲法上保障された権利を永住外国人という保障されない人々にその権利を付与し、いわば地方自治体の構成員を拡大するのですから、それを実行するには、選挙において、その是非が明示的な争点となり、その選挙を通じて、国民の審判を仰がなければならないはずです。

にもかかわらず、参議院選挙の前に、法案として通してしまおうというのでは、筋が通りません。

もちろん、通常の法案であれば、国会議員は既に国民の信託を受けていますから、彼らが十分な議論を尽くして判断した法案は、マニフェストになくとも法案化されることは何ら問題がありません。

しかし、永住外国人への地方選挙権付与というのは、地方自治体の構成員を変更するという非常に大きな問題で、かつ、高度に政治的な問題です。

あえてこの前の選挙の争点から外しておきながら、そして、選挙後にやってしまおうというのは、間接民主主義の悪用であって、筋が通りません。

あえて選挙前に、マニフェストへの記載を見送ったものなのですから、それを選挙後に国民的な議論を待たずにやってしまおうというのは、国民に対する背信行為ととられても仕方ないでしょう。

なお、下記の産経新聞は憲法違反などという話をしていますが、憲法は永住外国人の地方選挙権については、憲法は禁止はしておらず、保障もしていない。いわば、許容しているに過ぎないというのが判例の立場です(最判平成7年2月28日)。

判例が、選挙権を外国人に憲法が保障していないと考える理由は、地方自治という重要性から、憲法93条2項の住民とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民と考えるのが相当で、外国人には、憲法が選挙権を付与していないと考えるのが妥当だからです。

さらに、判例が、外国人への地方選挙権を付与することについては憲法が禁止していないと考えるのも、住民の意思に基づく政治形態を憲法が保障しているので、永住者等のその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つにいたったと認められる外国人については、立法裁量の範囲で、選挙権の付与は認められると考えています。

もっとも、被選挙権については、判例は言及していませんから、違憲という可能性は残されているでしょう。

いずれにしても、外国人への地方参政権付与の問題は、このような判例があることを前提に、国民的な議論をしたうえで、法案化すべきでしょう。

今回の衆議院選のマニフェストにあえて載せなかった政策を、焦って参議院選挙前に通そうとすることには大きな違和感を覚えます。

また仮に被選挙権を付与するような場合は、違憲判断が出る可能性もあります。

外国人と参政権という問題はそれだけシビアな問題ですから、今の行け行けドンドンというような民主党の勢いで通そうとすれば、有権者の民主党への期待と支持は急落することになるでしょう。

歴史的勝利をしたからと、何でもかんでもやろうとするのではなく、マニフェストにない政策については、「わきまえる」ことの重要性を小沢幹事長をはじめ、民主党の議員には感じてほしいです。

にほんブログ村 政治ブログ 法律・法学へ
にほんブログ村

*「にほんブログ村」というサイトがアクセス数のランキング等をつけてくれるらしく、ブログを書いてて張り合いを持たせるために登録してみました。上のバーナーやリンクをクリックされると、ポイントが入りランキングに反映され、多くの方に閲覧されるチャンスが増えるようです。この記事を読んで、他の人にも広めたいと思った方は、クリックしてみてください

小沢氏が韓日議連会長と会談 参政権付与「通常国会で目鼻」
9月20日0時43分配信 産経新聞

 民主党の小沢一郎幹事長が19日、李明博(イミョンバク)大統領の実兄で韓日議員連盟の李相得(イサンドク)会長(ハンナラ党国会議員)と会談し、永住外国人への地方参政権付与問題について「何とかしなければならない。通常国会で目鼻を付けたい」と述べていたことが分かった。民主党筋が明らかにした。早ければ来年1月召集の通常国会で法案提出を目指す意向を示したとみられる。鳩山由紀夫首相も推進論者として知られるが、民主党内にも反対論が強いため、意見集約は難航しそうだ。この問題は「憲法違反」との指摘もあり、来夏の参院選に向け、大きな争点となる可能性がある。

 会談は19日夕、党本部で約40分間行われ、「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上推進議員連盟」(会長・岡田克也外相)事務局長を務める民主党の川上義博参院議員、権哲賢(クオンチヨルヒヨン)駐日大使らが同席した。

 参政権付与問題は、権大使が「ぜひお願いしたい」と要請し、小沢氏が前向きな姿勢を表明したという。

 民主党は結党時の基本政策として地方参政権付与の早期実現をうたっている。小沢氏も推進論者として知られ、昨年2月に就任直前の李大統領と会談した際も付与に向け、努力する意向を伝えた。今月11日に川上氏とともに在日本大韓民国民団(民団)幹部と会談した際も「自分はもともと賛成なので、ぜひ来年の通常国会で方針を決めよう」と述べたとされる。

 ただ、民主党内にも反対論が根強く、衆院選マニフェスト(政権公約)には盛り込まれなかった。国民新党も反対を表明している。今回の会談で民主党は会談内容の記者説明に応じず、概要を記した発表文を1枚配布。付与問題に関するやりとりは公表しなかった。

 一方、小沢氏は李氏との会談で「韓国との関係を形式的なものではなく本当の信頼関係を作り上げることに力を尽くしたい。両国間の基本的な問題も必ず解決できる」と語った。李氏は「大統領も小沢氏と同様に未来に向かって道を開こうとしている」と応じた。また、小沢氏は政権交代について「私自身の大きな目標の第一歩でしかないが、達成できたことを喜んでいる」と述べたという。

 ■永住外国人への地方参政権付与問題 永住資格を持ち、日本に居住する外国人に地方参政権を与えるため、民主、公明、共産などの各党が過去に付与法案を提出した。平成19年末の法務省の統計では、永住資格を持つ外国人は約87万人。このうち在日韓国・朝鮮人が多数を占める「特別永住者」は約43万人。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090920-00000506-san-pol

|

« 民主主義とはどういうものなのか(八ッ場ダム中止からの考察) | Main | 政権内の食い違い自体は全く問題ではない(連立政権のあるべき姿を考える) »

日本の政治」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/530145/46248265

Listed below are links to weblogs that reference 数におごるとしっぺ返しが必ず来ます(永住外国人への地方選挙権付与の問題):

« 民主主義とはどういうものなのか(八ッ場ダム中止からの考察) | Main | 政権内の食い違い自体は全く問題ではない(連立政権のあるべき姿を考える) »