Ant and Decはイギリスでは人気者(イギリスで大衆受けするコメディ―)
Britian's Got TalentとYoutubeで世界的に有名になったスーザン・ボイル(Susan Boyle)さん。その後、ストレスなどからメディアにあまり登場していなかったが、7月22日にアメリカ、NBCで放送されるトーク番組の収録に参加した。
その予告映像がYoutube上にあったので紹介する。
スーザンボイルさんに関連し、今日は、以前も紹介した、ボイルさんを誕生させたイギリスの人気オーディション番組で司会をしていたアント・アンド・デックについて、久しぶりに、取り上げようと思う。
以前には、彼らの出演料がイギリスで一番高額であるというニュースを紹介したが、今回、イギリスの芸能メディアによれば、高額でも出演番組を増やしたいというのが、イギリスのテレビ局「ITV」の本音らしい。
彼らは、現在、ITVとの専属契約を結んでおり、ITVの顔というべき一面がある。専属契約を解除して、他のテレビ局の番組にも登場するのではないかという報道も前には流れたのだが、ITV側はできる限り、自分の局のテレビ番組への出演を増やして、つなぎ止めたいようである。
ITVのテレビディレクターの話として、記事は、「彼らは若く、視聴者に愛されており、彼らに代わるタレントがいない」という。
Ant and Decの人気について、イギリスへの留学経験のあるアメリカ人の友人に聞いてみたところ、非常にイギリス人っぽいネタが多く、必ずしも同じ英語圏であるアメリカではこれだけの人気にはならないと分析していた。
そこで、今日はイギリスとアメリカのコメディーの違いという観点から、Ant and Decの人気について私見を述べてみたい。
まず、アメリカのコメディーは何といってもブラックジョークが一番人気である。皮肉や風刺がこもったユーモアというのがアメリカでは人気で、このサーカズム(Sarcasm)が笑いの要素として重要である。
人種問題や宗教問題など様々な価値をもった多国籍国家という一面があるアメリカでは、それだけある種のタブーも多い。多くの人々が様々な差別(逆差別の問題もある)を感じているため、ジョークの中でそうしたタブーを打ち破ることで、それを笑にする風潮があるのということなのかもしれない。
このサーカズムの例として、サウスパークという大人向けアニメがあるのだが、これは非常にブラックなネタ(差別を助長しかねないネタ)が満載で、これがアメリカ人の成人に人気がある番組のひとつであるということを考えると、多少恐ろしくもあるのだが、このサウスパークに代表されるように、アメリカ人にとって、ブラックジョークというのは、最も人気のあるコメディーの1つである。
なお、以下の動画はその一部であるが、番組自体が成人向けに指定されているので、未成年者は再生しないようにしてほしい。また、さほど内容が過激ではないが、汚い表現が多いので、見る人はそれを解った上で見てほしい。
これに対し、イギリスのコメディーを見てみると、アメリカのような過激なブラックジョークは大衆受けはしないようである。
たとえば、ウィーケスト・リンク(the Weakest Link)の司会者であるアン・ロビンソン(Anne Robinson)さんは、失礼な質問やきつい一言を解答者に対してぶつけることで人気を博したが、あまりに過激なやり方に対してはイギリスの視聴者などから苦情がでるなど、アメリカよりもブラックジョークに対しての寛容でないようにおもわれる。
また、最近は、アン・ロビンソンさんのコメントも以前のような鋭いものからより大衆受けするようなコメントに変わりつつあるという指摘もされている。
イギリスではむしろ、幅広い年齢層が見て一緒に笑いを共有できるコメディーが人気となる傾向が強いようである。スーザン・ボイルさんを生んだ「Britain's Got Talent」という番組でも、親子の裸リバーダンスが人気を集めたりした。
日本でもおなじみの「ミスター・ビーン」も、皮肉や風刺の要素は多少あるが、ブラックジョークという部類ではなく、幅広い年齢層に受ける番組作りがされている。
そういう意味で、Ant and Decも、この大衆受けする笑いの一例であり、必ずしもブラックジョークが人気となるアメリカでは成功しないという分析は、正しいように思う。
以下の動画にあるネタからもわかるように、Ant and Decのコメディーはどちらかというと、ミスター・ビーンのコメディ―にあるような幅広い年齢層が安心して楽しめるというような番組やネタが多く、そういう意味でイギリスっぽいといえよう。
彼らの番組の舞台裏を映したDVDで、彼ら自身が言っているのだが、彼らの番組でドッキリなどを仕掛けたりしても、仕掛けられた人の名誉が気づ付くようなひどい仕掛けではなく、仕掛けられた人も笑って済ませられるような内容にするようにかなり気を使って計画が練られているという話である。
今年の9月には、Ant and Decの自伝がイギリスで販売されるらしく、彼らはまさにイギリスで人気絶頂のようである。
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