« ロビン・シュコルツ(Robin Schlotz)君も凄い才能を持っています | Main | リベラル勢力、共産党、社民党が生き残る道はあるか »

06/06/2009

スーザン・ボイル(Susan Boyle)さん報道に見る法律家の役割

イギリスの公的機関の対応は日本の公的機関の対応よりも迅速かもしれない。

ガーディアン紙電子版によれば、6月2日に、イギリスの報道苦情処理委員会(Press Complaints Commission、以下「PCC」という)が、全ての新聞各社に対し、スーザン・ボイルさんの健康状態に関する報道に当たり、詳細に報じすぎることで、彼女のプライバシー侵害をしないように自粛するように求める警告を行ったという。

ボイルさんのマネジメント等は、現在、サイモン・コーウェル氏が代表を務めるソニー・ミュージック・エンターテイメントの子会社、「SyCo社」が代表して行っているが、このSyCo社がPPCに対し、報道の自粛を警告するように要請したようである。

おそらく、今回の対応には、イギリスの法律家が関わっているだろう。

なぜそう思うのかというと、今回、SyCo社がPCCに要請した際に、メディア報道がプライバシー規制に関する法令のどの具体的条項に該当するかを指摘して行っており、こうした関係法令に詳しい法律家の関与が見て取れるためである。

ある自体が生じたときに、法的仕組みの中で、どういう対応が可能なのかどうかを瞬時に判断できる法律家が多数存在することは社会にとっても有益であろう。

日本のように、法律家が特別職扱いされ、訴訟や契約などの限られた局面でしか活動しないのと異なり、欧米では、法律家の数が多いため、色々な局面で法的知識を活かして活動がなされることが多い。

また、コンプライアンス(法令遵守)と企業の社会的責任というのが欧米社会では日本以上に重視される傾向がある。

環境保護団体等が企業に苦情を申し入れた場合に、日本の場合は無視したり、形式的な回答をすることが多いが、欧米ではそれを面倒な苦情処理と捉えるのではなく、いかにして企業にとって有益な結果をもたたすチャンスに変えるかという視点がある企業も少なくない。

このように、法律というのは企業のあらゆる活動の場面で必要になってくる知識であり、訴訟や契約の場合にだけ法律家がいればいいという日本社会の現状は、海外の司法状況に比べ10年以上遅れていると言っても過言ではないだろう。

もちろん、企業内部にいる法務部職員は、私が指摘しなくても法律家の役割が訴訟や契約に限られるものでないことは熟知していると思われるが、非法務部の大多数の人はあまりこのことを意識したことはないのではないだろうか。

今回のボイルさんとメディアスクラムに対する公的機関の迅速な対応の裏には、法律家の存在があるように思われ、日本社会でも公的機関や企業が迅速かつ適切な対応をするためには、法律家の関与がますます必要になるのは明らかである。

もっとも、私はあえて、「法律家」と今回言ったのであって、弁護士と言っていないことも付言しておく。つまり、弁護士をたくさん採用して、儲けさせろと言っているわけではない。

なお、みにーさんの情報提供で確認したところ、ボイルさんが退院したようだ。

デイリーテレグラフ紙によれば、既に、デミ・ムーア、アシュトン・カッチャー夫妻(Demi Moore and Ashton Kutcher)が9月の結婚記念パーティーにボイルさんを個人的に呼ぶことを計画しているらしい。同夫妻は、Youtubeでボイルさんが人気となる際に、Twitterというネットコミニケーションツールをつかって、ボイルさんの歌声を聞いて涙が止まらなかったと絶賛するなどその爆発的人気の火付け役となった人物である。

出演料として、30万ポンド(日本円で、約4500万円)を支払い、飛行機でハリウッドまで来てもらう計画らしい。

もっとも、現在はボイルさんの健康状態の関係で、契約には至っていないが、健康状態の回復後に今後話が進められるという。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

|

« ロビン・シュコルツ(Robin Schlotz)君も凄い才能を持っています | Main | リベラル勢力、共産党、社民党が生き残る道はあるか »

海外の生活」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。

実は1か月ほど前からよくお邪魔しておりました。
スーザン・ボイルさんの歌をネットで聞いて以来、すっかり彼女の声に心を奪われて、偶然こちらに訪れました。スーザンさんだけでなく、ご専門の分野での記事も大変興味深く、読ませていただいております。

書き込み等、慣れていない者ですが、今回書き込みしてみました(汗)。。。

Posted by: MS | 06/07/2009 at 09:28 PM

初めて書き込みます。
スーザン・ボイルさんの歌声が好きで、偶然こちらにお邪魔しました。それ以来1か月ほど立ち寄らせていただいております。スーザンさんの情報だけでなく、
様々な内容の記事をご紹介して下さり、感謝しています。

Posted by: MS | 06/07/2009 at 09:35 PM

MSさん

はじめまして。コメント有難うございます。
ブログで発信している情報が気に入っていただけているようで、こちらこそ有難うございます。

貴殿のようにコメントをいただけると、記事を書いていて張り合いが出ます。

今後のボイルさんのニュースもできる限り定期的に情報提供できればと思っています。

堅い政治や法律、経済の話題から、海外のエンターテイメント、文化などソフトな話題まで、色々な話題を皆さんと共有できればと思いブログを開始しました。

ただ、トピックはあくまで私の独断と偏見で書きたいと思ったものを選んでいるので、MSさんを含め全ての読者の方の趣向にあったものになるか解りませんが、今後もお付き合いいただければと思います。

ぜひ今後も気軽にコメントしてください。

Posted by: ESQ | 06/08/2009 at 12:49 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/530145/45230718

Listed below are links to weblogs that reference スーザン・ボイル(Susan Boyle)さん報道に見る法律家の役割:

« ロビン・シュコルツ(Robin Schlotz)君も凄い才能を持っています | Main | リベラル勢力、共産党、社民党が生き残る道はあるか »