生放送ならではのミス(Britian's Got Talentより)
昨日紹介したボイルさんの出演した番組の最後をよく見ると、生放送ならではのミスが起こっている。
気がついた人はかなり注意深い人だろう。動画の6分あたりから司会者のAnt(おでこの広い方)の表情に注目してほしい。
「明日、9時からまた会いましょう」というような発言をした後、口をあけたまま表情が突然曇る。そして、相方のDecが笑いをこらえながら、「明日会いましょう」と続けた。
何が起こったかというと、海外のテレビ番組はすべてジョークなどもカメラの近くにあるスクリプト(セリフを表示するパネル)にすべて表示され、それを正確に読みながら司会を進めるのが一般的なのだが、相方のDecが読むべきセリフをAntの方が読んでしまい、困惑している状況だったらしい。生放送ならではのミスである。
それを知ってもう一回見ると、人気の司会者で、コメディー番組などを担当しているのに、ここまで、困惑するか?と思ってしまう表情をしており、面白い。
また、ボイルさんも素人ならではの動きをしている。結果が発表されるや、本来はその場で司会者の質問に答えるはずのところを、ステージ脇に向かって歩き出してしまう。だいたい、56秒あたりからその状況をみることができる。
司会者のDecが、「スーザン!こっちだよ。」と呼びかけても、しばらく声がする方がどっちなのか気がつかないあたりが実に普通の中年女性という感じがして、彼女の自然な姿が見て取れる。
また、第二位の発表がなされ、最後のエンディング向けに、ボイルさんがまた脇から登場するのだが、彼女はまた、第二位のグループの後ろの方に消えそうになり、あわてて司会者が呼び止め、彼女がどっかに言ってしまわないように手をつかんでいるあたりも、自然な感じがして、どことなくこの番組に共感を持てる。この状況は、動画の5分40秒あたりで確認できる。
どっかの日本のテレビ局の報道(?)番組の司会者が、演出が気持ち悪いと馬鹿げた発言をしていたが、まさに自然な動きだし、さほど過剰な演出なんてないだろう。同じ生放送の報道(?)番組を担当しているその司会者の番組の方が、生放送なのに不自然な演出があり気持ち悪いと改めて思った。
私も気がつかなかったが、世界中にはよくこういうところを注目してみて発見する人がいるものだと感心した。
それにしても、この番組の認知度は世界中に広がっただろうし、テレビ局のITV、審査員の3人、司会者2人は、ボイルさん人気に乗じて、彼らの知名度も世界中に広めたのではないだろうか。
なお、スーザン・ボイルさんが一夜明けて、準決勝戦の様子を振り返るインタビューの動画がITVの公式サイトにアップされている。内容を訳する時間が無いので、英語が苦手な人には申し訳ないが、リンクの紹介だけにとどめる。
準決勝から一夜明けたスーザン・ボイルさんのコメント
ただ、紹介だけして、後は知りませんというのも読者の期待を裏切るだろうから、簡単に話をまとめておく。以下、4点について、ボイルさんは語っている。
①第一声の出だしがあまり良くなかったのは風邪を少し引いていたことが原因ということ、
②でもとにかく歌い続けようと思い、歌い続けたらだんだんいつもの声の調子になってきたということ、
③実際、テレビ局のスタジオで歌うということ、たくさんの人が見ていることはプレッシャーにはなっていたが、とにかく自分の歌に集中しようと思って歌ったということ、
④決勝に向けて、100%確かということは言えないけどとにかく自分のベストを尽くして最後まで頑張りたいという抱負を語っていること。
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Comments
はじめまして。BGTで検索してこちらのサイト様に通うようになった者です。この記事について大変共感したのでコメントさせていただきました。
日本の報道番組司会者の発言については、私も大変不快に感じていました。編集されたVTRだけを見て、ありふれた番組のありふれた司会者アナウンサーが、さも自分は常識的な思考の持ち主だと言わんばかりに、評論気取って何を言っているんだと凄く苛立ったものです。
他の記事に書かれていたデーブ・スペクター氏等もそうですが、本当に日本の情報のしょぼさにはげんなりします。ほんの少しの情報で、誰かを馬鹿にしたり、または支持し過ぎたりというのは、なるべくしないでいたいものです。BGTの事に限らず日本のメディアはもっと真剣に取り組んでほしいです。
つまらない自己主張なコメントになってしまい申し訳ありません。
このブログは本当に勉強になります。今後も通わせていただけたらと思っております。
それでは。
Posted by: ふーま | 05/31/2009 05:41 pm
ふーまさん
はじめまして。貴重なコメント有難うございます。
私も同感です。
高校の倫理の授業なんかでも出てくるソクラテス「無知の知」という概念が今のメディアにはないんでしょうね。だから、少ない情報で知った気になって公共の電波で、誤ったメッセージを発信してしまうのかもしれません。
ただ、主要テレビ局には英語くらいできる記者やスタッフがいるはずですから、APとか、NYTIMESとか、BBCとかテレグラフ紙とか、そういう大手海外メディアの記事やタブロイド紙の記事など、もう少し海外のニュース記事を比較して読んだ上で、海外の反応などを伝えてほしいものですね。
私も片手間にブログで、ボイルさんやBGTを取り上げたのですが、訪問者も多く、中途半端にやめることができず、今日まで連日更新してしまいました。
訪問者が増えても、コメントしてくださる方の数は比例していなかったので、貴殿のようなコメントがあると張り合いがあります。笑
また、ぜひ色々な意見を寄せてください。
ところで、ボイルさんの人気はアメリカではイギリスのそれと比べ物にならないほど高いようですね。Googleニュースではアメリカだけボイルさんの決勝戦の結果をトップ記事にしていたようです。
私にとって、国や文化の違いによって生じる、こうした社会現象の微妙な違いを目の当たりにしたのは、BGTを補足して得た収穫の一つです。
Posted by: ESQ | 05/31/2009 06:56 pm