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04/18/2009

どんどん注目を浴びるスーザン・ボイル(Susan Boyle)

すごいですね。スーザン・ボイル(Susan Boyle)さん。

昨日に引き続き、ボイルさんの明るい話題を紹介します。

彼女の歌った歌、「I Dreamed A Dream」は、本当に難しい歌です。私もボーカルトレーニングを受けたことがあり、レ・ミゼラブルの歌はいくつか英語で歌ったことがあるのですが、レ・ミゼラブルの歌はすべて高度の声量が要求される歌です。とりわけ、この歌は、女性役のメインソングの1つでもあり、難しい歌です。

さて、海の向こうでは、かなりのメディアがスーザン・ボイルさん一色のようです。

まだ見ていない方は、以下のリンクからぜひ動画を見てみてください。

http://www.youtube.com/watch?v=9lp0IWv8QZY

それでは、海外の注目状況を紹介しましょう。

まず、イギリスのメディア、「What's on TV」は、ボイルさんが登場した「Britain's Got Talent」の前回大会の優勝者で、今ではオペラ歌手として有名になったポール・ポッツさんのコメントを報じています。

現在オーストラリアでツアー中のポッツさんは、スーザン・ボイルさんの歌について、「信じられないくらいすばらしい。彼女は今まで居たことのない世界を経験することになると思う。彼女は本当にうまく彼女の人生に変化を起こした。彼女が優勝するチャンスはとても大きいと思うよ」と答えています。

また、記事によると、スーザン・ボイルさんは、Youtubeが何かこれまで聞いたことが無かったらしく、「インターネットビジネスっていうのは本当に新しいことで私にはわからない世界。でも、みんなそのことを話しているから、これから勉強しなきゃいけないわ」と答えているそうです。

次に、CBSニュースによると、既に、ボイルさんの家にはパパラッチが殺到しているそうです。

また、同ニュースは、「Britain's Got Talent」の審査員2人にもインタビューしており、アメリカ人の司会者が、「もう優勝はスーザンに決まってしまったんではないですか?」という質問に、審査員の一人、ピアーズ・モーガン(Piers Morgan)氏は、笑ないながら、「まだわかりません」と答えているが、回答の雰囲気から、スーザン・ボイルさんは只者ではないということが伝わってきます。

審査員のアマンダ・ホールデン(Amanda Holden)氏は、「スーザンは既に、みんなの中で優勝者になってしまっている」と認めています。

ニューヨーク・ポスト紙の電子版は、「一発屋なんかではない(No One Trick Pony )」と題し、彼女を取り上げています。

というのも、私が昨日紹介した記事(動画あり)にもあるように、ボイルさんが1999年に教会のチャリティー用に自主制作し、1000枚ほどで回った「Cry Me A River」にも注目が集まっており、インターネットオークションサイト、eBayで高額がつくだろうと記事は伝えています。

この「Cry Me A River」ですが、近年、ジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)氏がラップ調にアレンジしたものが出されたこともあり話題性があるようです。Youtube上では、スーザンの方がうまく歌っているなどの声もあり、彼女は一躍スターです。

ボイルさん人気ですが、番組発祥の地であるイギリスもさることながら、アメリカで特に彼女の話題がもちきりのようです。

個人的には、あまり好きではないのですが、ジェイ・レノ(Jay Leno)というアメリカで有名なコメディアンで、夜の人気トーク番組の司会者をしている人がおり、すでに、スーザン・ボイルのパロディーをやったということです。

小馬鹿にしている感じで、個人的には嫌いですが、そういう有名なコメディアンのネタにされるぐらいスーザン・ボイルさんは一気に時の人になったようです。

既にボイルさん人気の原因については、いろいろな人が分析すら始めています。

たとえば、フェミニストの視点から、ターニヤ・ゴールド氏は、イギリス・ガーディアン紙の電子版で、「醜かったのは彼女ではない。彼女に対する我々の反応が醜い」と題したコラムを発表しています。

ゴールド氏は、ポール・ポッツ氏のときより、スーザン・ボイルさんに対する歌う前の審査員および観客の偏見は凄まじいものがあり、女性は美しくなければならないという男性社会の目線がその根底にあったと評しています。

また、記事には、「彼女の見た目が良くないから、みんな喜んでみて、彼女の歌に感動したということで、偏見を持っていたことを良くないと改心することができるため、人気になっている」と書いている部分があり、これに対しては、ネット上の読者から、ゴールド氏の考え方の方が偏見があると批判がなされているようです。

アメリカのインデペンデント(The Independent)紙の電子版の記者は、アメリカがボイル氏に今熱狂していると伝え、「アメリカというのは、おとぎ話が好きな国で、シュレックがマイフェアレディーへと変化する姿を見たがっている」と評しています。また、一般視聴者の反応として、「醜いあひるの子が白鳥へと姿を変える瞬間である」とも報じています。

アメリカやイギリスの記事を見ていると、かなりハッキリと言いたいことを言っている記事が多いですね。右ならえのような報道をする日本のメディアとは異なる感じがします。

メディア批判は、今日は置いておいて、彼女がなぜイギリスだけではなくアメリカや世界中で一瞬にして、有名になることができたのかを少し考えたいと思います。

アメリカやイギリスのメディアでも既に指摘されていることなのですが、この要因には、インターネットパワーがあるようです。

もちろん、イギリスのテレビ番組に彼女が登場したというのは、既存メディアの力ではあるのですが、彼女が世界的に有名になる原動力になったのは、Youtubeでの彼女の動画の再生回数が異常な記録を更新し続けていることにあります。

また、デミ・ムアーさんやアシュトン・カッチャーさんらハリウッドの有名人が、トゥウィッター(Twitter)と呼ばれる、インターネットサービスを通じて、個人の見解を明らかにしたことも大きな要因です。

このTwitterとは、「個々のユーザーが「つぶやき」を投稿し合うことでつながるコミュニケーション・サービス」(Wikipediaより)というものだそうで、ブログとインターネット・メッセンジャーを掛け合わせたようなサービスのようです。

こうしたネット上の多数の一般人やセレブの口コミで、彼女の人気は高まり、ついに既存の主要メディアも彼女の人気を見逃せなくなったのでしょう。

そして、今、アメリカでは主要テレビ局の情報番組や報道番組で、彼女の生インタビューが盛んに行われているわけです。

もちろん、ボイルさんの歌の凄さが彼女の人気の第一の原因ではありますが、インターネットでの原動力というのは本当に見過ごせなくなったのではないでしょうか。

また、上述で紹介した意見にもありましたが、やはり、動画を見たときに視聴者は少なからず、「なんだこのおばんさん?」と彼女が登場した瞬間、思ったことでしょう。この偏見を打ち破るだけの凄さがボイルさんの歌にあったあること、これは否定できません。

さらに、アメリカで特に人気になっている理由を考えたのですが、おそらく、「アメリカンドリーム」を待望する文化に起因しているのと思います。

つまり、一見普通の人が、とてつもない才能を発揮して、なにか1つの機会をきっかけに成功していく姿、、これがアメリカ人の根底にあるフロンティアスピリットに起因したアメリカ文化であり、スーザン・ボイルさんの登場は、まさに金融問題、経済問題に疲弊したアメリカによき日のアメリカを思い出させてくれるという効果があったのではないでしょうか。

私のアメリカ留学時代の仲間で、現在はフランスに在住している友人にこの動画を教えたところ、「どんなに馬鹿にされても、自分の夢を堂々と主張してる。だからこそ運命が味方してチャンスが巡ってきたんだよ。主張するのをやめたら、どんな夢も叶いようがないものね。」という言葉が返ってきて、その通りだと思いました。

これは日本でも同じでしょう。確かに、日本ではなかなかこうしたアメリカンドリームのような成功を支える土壌は少ないかもしれません。成功する人を成金と評するのもその1つでしょう。しかし、アメリカンドリームをつかむ人と成金になる人は違います。

ちょっと成功して、メディアに取り上げられて天狗になっていれば、時代の寵児と言われていても、結局没落してしまうのは、最近のニュースを見ていればわかるでしょう。

アメリカンドリームならぬ本当のジャパニーズドリームをつかむということは、私のフランス在住の友人が指摘するように、「どんなに馬鹿にされても自分の夢を堂々と主張し続けて」努力し、その夢を追い続ける人なのでしょう。

また、そういう人は、お金を尺度にした人格形成はしないのだと思います。

それにしても、日本も、早く物欲主義がら抜け出せて、一般の人に埋もれているこういう才能が発掘されるチャンスがある世の中になってほしいものですし、そういう社会になるために、日々一人一人が努力していくことが重要なのかもしれません。

日本でもだんだん報道されはじめました。

天使の歌声も顔は… 世界を魅了した英国発「普通のおばさん」
4月18日18時22分配信 産経新聞

 【ロンドン=木村正人】人気動画投稿サイト、ユーチューブを通じ、驚異的な歌唱力で世界中を魅了した英国の教会ボランティア、スーザン・ボイルさん(47)。ネット上の視聴回数は1週間で4300万を超え、CDデビューの話も進む。「英国発のアメリカン・ドリーム」などと、英米メディアは人気急沸騰の理由を検証している。

 ボイルさんは17日、米CNNの人気トークショーに出演、“天使の歌声”を披露した。米人気女性司会者、オプラ・ウィンフリーさんの番組にも出演する。

 ボイルさんが人気を集めているのは「普通のおばさん」にしか見えない外見と、英人気ミュージカル女優、エレイン・ペイジを思わせるような歌声との落差だ。

 ボイルさんは英北部スコットランドで愛猫と暮らす独身女性。これまで男性とキスした経験がないという。11日放送の英タレント発掘番組に出演、目を輝かせて「ペイジのようになりたい」と語ると、会場から失笑が漏れた。しかし、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲「夢破れて」を歌い始めると、会場の雰囲気は一変、観客は総立ちになった。

 この様子がユーチューブに投稿されて米国やオーストラリアでも人気を呼び、米女優デミ・ムーアさんも動画を見て涙を流した。

 ボイルさんは米紙ワシントン・ポストに「現代社会は外見で人を判断しすぎ」と語り、英紙インディペンデントは「米国人はおとぎ話を求めている。ユーチューブを通じ英国ではなく米国で人気が爆発した」と分析する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090418-00000552-san-soci

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Comments

私もスーザン・ボイルさんの歌声に素直に感動しているものとして、浅薄なブログ記事が多いなか、この真面目なブログを選び投稿させていただきます。ボストンに住んでおりますが、こちらでの反応は一週間経過した今もますます大きくなってきています。
ひとつにはI dreamed a dreamの歌詞も雰囲気も彼女にぴったりだということ、また見た目と歌のうまさのギャップがあるということ、が指摘されています。しかしそれだけでしょうか?私はこの曲の大ファンですが、スーザンの歌は他の誰よりも(エレイン・ペイジよりも!)この曲の本質を突いていると思います。
世の中に歌の上手い人は数え切れないほどいます。しかしひとの心を感動させることのできる人、辛口の審査員の顔を柔和にしてしまうひと、YouTubeを通してさえも人々に涙が出るほどの感動を与える人、そんなひとがこの世に何人いるでしょうか?
10分にも満たないビデオクリップには「人を見かけで判断してはいけない」とか「みにくいアヒルの子」とか「ミュージカル・キャッツのストーリーのクライマックス」とか、なんとでも理屈はつけられるでしょう。しかし、彼女の持っている純粋さ、明るさ、そして技巧も飾り気もない不思議な声の魅力は、ただ声量があるとか歌がうまいとかそれだけでは片付けられない何か特別なものがあります。
彼女は聴衆が多ければ多いほど真価を発揮する、とにかく、こんなに素晴らしいI dreamed a dreamはこれまで聴いたこともないし、今後も必要ないでしょう。
スーザン、おめでとう!そしてこれからも自分の歌いたい歌だけを歌って素晴らしい声を聞かせてください。おい、サイモン・コーウェル、責任重大だぞ、おまえ。

Posted by: bostonMarathon | 04/19/2009 at 07:42 AM

bostonMarathonさん

はじめまして。コメント有難うございます。
ボイルさんについて、日本でも最近注目を浴びだしたようで、彼女を取り上げるブログもかなり増えているみたいですね。

数あるブログの中から、このブログを選んでいただき、有難いです。

おっしゃる通りで、アメリカでは、「彼女があのようなルックスでなければ、みんな注目しなかったのではないか?」なんていう議論も最近は出ているようですね。

bostonMarathonさんの仰る通りで、ポール・ポッツさんのとき以上に、インターネットパワーが原動力となって、彼女が注目を浴びているのは、やはり彼女の単純な歌の上手さだけではなく、彼女の声にある表現力が評価されているのだと思います。

彼女の歌を聞いて、2度涙しうる場面があると私は考えています。

1つ目は、彼女の歌を聞いて、自分の持っている偏見(「どうせ大したことないだろうこのおばさん」という見た目からの先入観)と向き合い、彼女に目を覚まさせられた思いをする場面に涙しうる要素があるのではないでしょうか。

2つ目は、彼女のキャラクター(前向きな性格)、人生のバックグラウンド(91歳の母親を介護していたことやかつて学習障害等でいじめを受けたこと)などを知り、その上で、彼女の歌を聴くと、彼女の歌に込めた思いがより鮮明に伝わってくることに感動の要素があるのだと思います。

これら2つの場面を作り出しているのは、まぎれもなく彼女の歌声にある表現力の高さなのかもしれません。

審査員のアマンダ・ホールデンさんも言っていますが、注目を浴びたからといって彼女のスタイルを変えたり、彼女らしさを奪うべきではないでしょうね。

なお、英国通信協会(The Press Association)の報道によれば、ボイルさんがなりたいといった、1978年にアンドリュー・ロイド・ウェバーの「エビータ」で主役を演じたミュージカル女優として有名なエレイン・ペイジさんも、ボイルさんの歌を聞いて、「そのうち、デュエットしてみるのはどうかしら?」と語っています。

エレインペイジさんが司会を務めるラジオ番組のEメールボックスは、既にパンク状態らしいです。ペイジさんは、「彼女の歌は私を含めみんなの心をとらえた。彼女は夢を追うすべての人のモデルのような存在。」と語っているそうです。

http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5jpnm5OlWAomzkfkdnqka6yneRLNQ

Posted by: ESQ | 04/19/2009 at 12:35 PM

>日本も、早く物欲主義がら抜け出せて、一般の人に>埋もれているこういう才能が発掘されるチャンスが
>ある世の中になってほしいものですし

そうでしょうか?
根底に偏見が根強い国、人ほど彼女を評価すると思います。
私に偏見がなかったせいか、彼女の歌、ギャップで感動することはなかったですね。私の周りもそうです。
彼女はとてもうまいし素敵です。ただ普通にプロ並にうまい。スーザンさんほど上手に歌う人はプロにたくさんいるため、これほどの話題になるのはやはり偏見からではないでしょうか。
そういう意味では日本であまり話題にならないのは、ある意味、偏見のなさもあるかもよ。

Posted by: tera | 06/01/2009 at 01:12 PM

teraさん

はじめまして。こんにちは。
とても良い問題喚起だったので、貴殿への返信は記事の形にさせてもらいました。
私の回答については、以下の記事をご覧いただければと思います。

http://esquire.air-nifty.com/blog/2009/06/post-71ff.html

Posted by: ESQ | 06/01/2009 at 10:27 PM

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