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03/16/2009

企業献金の全面解禁と透明化の徹底が必要

企業献金が悪という固定観念を取り除いてみてはどうであろうか。

私は海外で政治を勉強していたことがある。よくアメリカでは企業献金は禁止されているという趣旨の発言があるがこれは間違いである。企業献金がなければ、あんな大規模な選挙キャンペーンはできない。

アメリカ政治はまさに金権政治である。しかし、アメリカはそれを是としている。オバマ大統領の選挙キャンペーンについて、日本では、個人献金ですべて賄っているかのような報道があったが、これは大きな誤解と歪曲である。

オバマ大統領も、クリントン長官も、また共和党の大統領候補だったマケイン氏も企業献金はかなりの額で受け付けているし、大企業からは直接受けずとも、間接的に様々な方法で献金を受けている。

つまり、献金そのものは、企業がしようと、個人がしようと問題はない。問題は、それに対する不公正な見返りがある場合の贈収賄の問題だけである。

この点、アメリカは情報開示を徹底しており、情報が開示されていればあとは各有権者の判断に委ねようとするものである。たとえば、開示された情報は相手方候補陣営も確認でき、選挙戦での攻撃材料にすることもある。

例えば、クリントン陣営は、「オバマ陣営が『大企業からの献金を受けていない』『ロビイストを排除する』と言っているのに、大企業のロビイストグループから献金を受けているではないか」と痛烈に批判していた。このことは記憶に新しい。

よくメディアの知識人ぶった芸能人コメンテーターなどは、「企業が献金するのは見返りがあるからだ」という。確かに企業はそれを期待しているのかもしれない。しかし、その期待だけでは刑事上罰すべき犯罪とは言えないし、また禁止するほどのことか?と思ってしまう。

企業以外にも宗教や利益団体、強制加入団体、労働組合など様々な利権代表団体があるわけで、一切の企業献金を禁止して、他の団体の献金を認めることを肯定するだけの理由はないし、むしろ現実的に選挙活動にはお金がかかるのであるから、このような硬直的な規制は、百害あって一利なしだろう。

これに対しては、政党への助成金を交付しているのだから、企業献金は禁止すべきという声があるかもしれない。それなら政党助成金をやめてしまうべきだろう。今や自民党の一党独裁状態に甘んじて来た世代よりも、「自民党の一党独裁は異常だ」とか、「もう自民党は時代の役割を終えた」と感じている世代の人間の方が多いのではないだろうか。

だとすれば、企業であっても、必ずしも常に自民党に献金して、自民党のみが優位になるという懸念はさほど大きくないはずである。むしろ、1つの党にのみ献金して運命共同体と考える企業は、今の時代、リスク分散のできない危険な企業だというべきであろう。

そうすると、企業も自民党と民主党、はたまた第三局の政党に献金しよう、または分散して献金しておこうという企業が現れてもおかしくはない。

また、企業は政権政党べったりになると危惧する人は、それこそ労働組合のような団体組織を全国規模でつくって、加入者から徴収し、個人献金の集合体を作ればいいだろう。

労働組合などの組織率が下がっているのは、その組合が組合員を代表していないと組合員が感じているからだろう。自分たちの不手際をよそに企業献金を批判するのはお門違いではなかろうか。

さらに、余裕がある人は、個人でも献金すればいい。お金が無いが時間に余裕がある人は、ボランティアなどにより応援する候補の人件費分の労働力を「献金」してあげればいい。

ただ、絶対条件として、すべての金の流れをオープンにし、その情報をマスメディアやライバル候補、さらにはNGO組織などが監視して、問題がある企業等からの献金があることがわかれば、不買運動ならぬ落選運動ができる環境を整える必要はあるだろう。

そして、不透明な処理をした場合には、罰則を持って厳しく臨めば良い。

規制すれば、汚職がなくなるわけではない。むしろ、国民一人一人が不公正な金の流れがあると思えば、自分の価値判断に従った投票行動をする方が大事であろう。

およそ金権政治が悪いと抽象的な批判をするのでは、いつまで経っても物事は先に進まない。少し発想を変えてみて、「企業献金=悪」ではなく、「監視をしない有権者=悪」をいう自戒の念を持つことも必要ではないだろうか。

<河村官房長官>「企業献金は限定的に」 上限額引き下げも
3月16日21時19分配信 毎日新聞

 河村建夫官房長官は16日の記者会見で、政治資金規正法について「企業献金は極めて限定的なものに絞っていく方向を模索すべきだ」と述べ、企業・団体献金の規制強化に前向きな考えを示した。その上で「(献金額の)上限が非常に高いものに設定されているため、疑念を抱かれているとの指摘がある」とも語り、見直しの内容として、献金上限額の引き下げを挙げた。

 一方で麻生太郎首相は、16日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂氏の質問に対し「企業・団体献金自体が必ずしも悪だとは考えていない」と述べ、法改正に慎重な考えを強調した。小沢一郎・民主党代表の公設第1秘書の逮捕に関連し「今の法律でも、それなりにきちんと効果があったから、逮捕になった」と答弁した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090316-00000111-mai-pol

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