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03/06/2009

検察「正義」に対する懐疑的見方も必要

連日のように小沢民主党代表の強制捜査の話が続いているが、マスコミ各社の報道をみていると、私の懸念した有罪ありき報道、検察の情報が真実かのような報道、検察の小出し情報という事態がやはり発生しているようである。

小沢氏側、3団体への献金分散・金額を指示
3月5日15時7分配信 読売新聞

小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、同会の会計責任者で小沢代表の公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が準大手ゼネコン「西松建設」(東京)に対し、小沢代表側の三つの政治団体への献金を分散するよう、献金額を個別に指示していたことが関係者の話でわかった。

 東京地検特捜部は、小沢代表側の各団体が受ける金額を少なくし、西松側団体からの献金を目立たなくする狙いがあったとみて調べている。

 特捜部は5日、岩手県内の大久保容疑者の自宅を捜索した。

 小沢代表側の政治団体は、陸山会のほか、小沢代表が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」と小沢代表が最高顧問を務める「民主党岩手県総支部連合会」。西松建設が1990年代中盤以降、同社のOBを代表とした政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」をダミーに使うなどして小沢代表側に寄付した総額は約3億円で、2003~06年、ダミー団体を通した3団体への献金は計4600万円に上る。

 同社関係者などによると、00年に陸山会の会計責任者に就いた大久保容疑者は毎年、西松建設の総務担当者に対し、3団体がそれぞれいくら献金してほしいかを指示。同社側は、二つのダミー団体の手持ち資金などを考慮し、献金額の振り分けを決定していた。

 小沢代表側は西松建設との間で、年間2500万円前後の献金を受ける約束を取り交わしており、このうちダミー団体を通して約1500万円を受けることになっていた。大久保容疑者はこの合意に基づき、3団体に振り分けるよう求めていたとみられる。

 04年の場合、新政治問題研究会は陸山会に500万円、民主党支部と民主党岩手県連に各300万円を献金。一方、未来産業研究会は、陸山会に200万円、党支部と県連に各100万円を献金し、西松側ダミー団体から3団体への献金総額は1500万円となっている。3団体のうち陸山会の政治資金収支報告書は総務省に、他の2団体は岩手県選管に提出することになっており、公表も別々に行われる。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090305-00000681-yom-soci

そして、案の定、メディアで発言する「専門家」は、検察経験者ばかりである。

検察の判断を聞きたいというのだろうが、検察の判断に疑問が呈されている今回については、やはりバランス感覚のある裁判官出身者又は刑事弁護人経験の多い弁護士などの専門家にも意見を求めるべきであり、裁判員制度を前に「疑わしきは被告人の利益に」という原則が、マスメディアにおいては自覚のかけらすらないことが明らかになった気もする。

他方、そんな見識の低いマスメディアにおいても、なかなか気骨のある意見を述べていた方がいたようである。奔放な発言で知られている作家、室井佑月氏のコメントである。

同氏はある番組で、「検察は額の多さを捜索の根拠と言うが、問題はルールを守ったかどうか。証拠があったというが、疑いがあると言われる自民党の議員についても本当に証拠を探そうとしているのか。小沢氏だけという感じがして不自然」という発言を検察出身の弁護士の横で堂々としていたという。

おっしゃる通りだと思う。かかる疑念がでることは、全くもって自然なことだろう。

少なくとも時期的な関係で検察に対する捜査に疑問を持つ人がかなりいるのは確かなのだから、検察はしっかりと公正な捜査活動、証拠の収集をしているということを示さなければ、検察権力に対する不信感は増大する。

私は最近何度も言っているが、昨年7月に東京地検特捜部が担当した事件は最高裁で無罪判決が確定しているのであり、こういった過去のミスがあるわけだから、不信を払しょくしてもらえるような行動をしなければ、見せしめ的捜査とか、意図的に自民党寄りの捜査ではないかという謀略論を持たれてしまいかねない。

準司法を標榜している以上、検察サイドにはより公正さが国民に伝わる努力が必要だと思う。

そして、マスコミも検察が正義と思ってやっていることでも、時には冤罪(裁判で無罪が確定すること)があるわけだから、常に検察サイドの報告や小出し情報を垂れ流して報道するのではなく、批判的検証をした上で、否認事件においては、疑わしきは被告人の利益にという原則を徹底してほしい。

ところで、ある通信社が以下のような記事を流している。勾留という法律用語をなぜ拘置決定というわけのわからない言葉に置き換えるのだろうか。

そもそも、拘置決定という言葉すら存在しない。おそらく、拘置所に拘束されるという意味で、刑事法に関する知識の乏しい記者が、勝手に作りだした造語である。恥ずかしいことに、勾留期限についても、拘置期限などという言葉をつかっている。

ただ、何度も言うが裁判員制度が始まるのだから、正しい言葉を国民が理解できるようにするためにも、マスメディアは最低限の法的知識をもって、国民の知る権利に資するべく、「勾留」「勾留期限」と正しく書くべきである。

わからない、細かいことを言うなと言うのであれば、刑事事件に関する報道記事を書く資格はないだろう。なぜなら、冤罪を防ぐためにも、細かい手続きによって、被疑者の人権、防御権及び被告人の防御権が保護されているのが刑事事件なのだから、そういう細心の注意を払う姿勢が無いものに、報道する資格はないと思うわけである。

大久保秘書らの拘置決定=西松建設の規正法違反-東京地裁
3月5日11時37分配信 時事通信

 西松建設をめぐる違法献金事件で、東京地裁は5日、政治資金規正法違反容疑で逮捕された小沢一郎民主党代表の公設第1秘書大久保隆規(47)、同社前社長国沢幹雄(70)両容疑者ら3人の拘置を決定した。拘置期限は14日まで

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Comments

 欠く資格はないだろう。

 欠く? 

 「勾留」「勾留期限」と、

 「欠く」ではなく「書く」と、正しく書くべきですよね^^;

 せっかくのいい話なんだから、訂正したほうがいいのでは。

 余計なお世話でごめんなさい。

Posted by: ひねくれ女 | 03/06/2009 at 06:42 AM

ひねくれ女さん

はじめまして。御指摘ありがとうございました。
他人の言葉の間違いを批判する以上、誤字にも気をつけるべきですね。

余計なお世話ではないです、御指摘感謝します。

また、良い話と評価してくださり、有難うございます。

Posted by: ESQ | 03/06/2009 at 09:20 AM

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Tracked on 03/05/2009 at 08:28 PM

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