イギリスよりも日本の民度が高い部分もある(イギリスの差別意識について)
最近、小沢西松事件の話題ばかりなので、久しぶりに別の話題。
既存のメディア報道をよく批判するのであるが、今回の記事はなかなか面白い。
http://news.cocolog-nifty.com/cs/catalog/cocolog-news_article/catalog_world-200902271805_1.htm?s=app
ココログニュースからである。
イギリス・障がい者のテレビ司会者に苦情殺到!
イギリスBBC放送が放送している子ども向け番組『CBeebies』の女性司会者として、生まれながらにして片腕が不自由なセリー・バーネルさんを起用したところ、多くの視聴者から苦情が殺到しているという。
その内容は「ウチの子どもが悪夢を見てしまうたろ!」「彼女(バーネルさん)を見たウチの子どもが恐怖におののいているんだ! どういうキャスティングをしているんだ?」「寝つきが悪くなるのでやめていただきたい」など、ほぼすべてがバーネルさんの容姿に関するクレーム。
このことをイギリスのマスコミ各社は「障害をもったバーネルさんは、差別的で不穏なキャンペーンの犠牲者になった」と報じており、バーネルさんに対して同情を示している。日本人からすれば「同情して当たり前だろう」と思うかもしれないが、イギリスは障害者にとって、けっこう手厳しい国だといわれることが多い。
イギリスに留学経験がある人によると、イギリスは外国人はもちろんのこと、障がい者に対して厳しい態度に出る人が多いと感じたという。確かに、この時代になって障がい者がテレビに出ていることが苦情の対象となるのは、先進国としてどうなのかと疑問に思う。
この苦情の数々に対してバーネルさんは「障害について話すきっかけとして、私を使ってくれたらそれはすばらしいことです」と公式コメントをしている。バーネルさんのように寛大な心で人を見ることができる人が、どれだけこの世にいるのだろうか。体は五体満足でも心は不満足な人が多くいる気がしてならない。(Rocketnews24スタッフ)
この記事に対しては色々な批判もなされているようだが、私はこの記事は的を得ていると思う。私はイギリスとアメリカに2年ほどいたわけであるが、とりわけアメリカでは身体障害者に対する差別用語はかなりある。
日本では、海外では障害者に対する意識が高くて、普通の人と変わらない扱いがなされているとか、日本のように配慮する方がおかしいのかもという話があるが、私はこれには賛同できない。
つまり、海外では障害者に対する意識が高いというのがまず間違いなのである。
よく英語で使われる言葉で、「Retard」とか「Retarded」という単語がある。これは若者の間でよく使われる言葉であり、馬鹿なことをしたり、ふざけたことをした相手に対して使ったり、相手を嘲笑する際によく使われる言葉である。
しかし、意味は、知的障害があること、知恵遅れなどの意味であり、非常に差別的な言葉である。こうした言葉が結構使われるかなりの差別社会であることは否定できない。
その意味で、この記事の指摘は私は正しいと思うし、英米社会の本質的なものを付いていると思う。
良く差別というと、人種差別とか男尊女卑とかが思い浮かばれ、英米社会ではそれがだいぶ緩和されているという幻想が日本にはある。しかし、海外のそうした差別意識、階級意識はかなり根深いものがある。もしかすると日本以上にひどいかもしれない。
「海外は立派で、日本はダメ」という議論がなされる場合が多いが、私はむしろ「日本の方が立派で、海外は著しくレベルが低い」と感じることもたくさんある。
そういう意味で、この記事の指摘は日本の障害者に対する差別意識が海外よりも低い点を鋭くつくもので、なかなか良いと感じている。
日本で乙武さんがテレビに出ていてこういう抗議があるであろうか。彼は小学校の教員を現在している。それに対し、我が国で、このような抗議をした馬鹿親はいるであろうか。
私は、ある意味我が国は、こういう点については常識を兼ね備えており、民度が高いと感じる(もちろん、選挙での投票行動や万年自民党万歳というような面を見れば、我が国が英米社会に比べて民度が低い部分もあるが・・・)。
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