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02/23/2009

無知の恥たる記事から学ぶ無知の知(無責任なメディアから学ぶべきこと)

私も政治問題などについては、辛口の視点で批判することが多いが、ちょっと、この記事は批判の矛先を間違っているし、批判の仕方として度を越しているのではないだろうか。

読んでいる方が、「は・ず・か・し・い」と思うし、逆に怒りさえこみあげてくる。

この記事のどの部分がおかしいと思うか。まず、この部分である。

保護主義をけしからんと叫んでみても始まらない。保護主義とそれを乗り越える努力とが交錯するところに外交がある。アメリカと日本の利益も同一でない。そうした時にこちらから助けをお願いする外交センスが私には分からない。拉致問題はあくまでも日本が自らの主権で解決すべき問題である。拉致家族にはお気の毒だが、アメリカに助けを求めていく姿は、日本人としてとてもとても「ハ・ズ・カ・シ・イ」。

拉致家族の活動をアメリカに助けを求めているとしか見ていないこの記者は何を見当違いしているのだろうか。

拉致家族に対し何十年も無視し続けてきた、メディア、ジャーナリスト、政治家、ひいては国民の責任と反省の下に、我が国においては拉致問題の解決が北朝鮮問題において、何においても最優先事項であるというコンセンサスがあったはずである。

そうしたコンセンサスを無視して、オバマ政権がいう対話政策が正しいと思い込み、オバマ大統領の過剰で中身のないパフォーマンスを素晴らしいと称賛し、アメリカの経済問題の本質を分かっていない記者がよくもまあ偉そうにこいういう記事をかけたものだと思う。

それこそ、怒りを通り越して笑っちゃうくらい呆れてしまう。

さらに、この記事は、以下のような部分がある。

 オバマ政権の最大課題は北朝鮮でもアフガンでもテロとの戦いでもない。瀕死の経済をどう立て直すかだ。そのためには金が要る。どこから金を引き出すか。それが最大関心事である。だから国務長官は最初にアジアに来た。中国と日本の金が狙いである。外交は形を変えた戦争だから、自国の利益のためにはありとあらゆる手段を使う。表で笑顔を振りまきながら、裏では恐喝と騙しの連続である。外交では寸分たりとも弱みは見せられない。その時にこの国の外交当局は「拉致問題」でアメリカにお願いをする日程を組み入れた。

全くもって、この記者はアメリカの現状を理解していない。

アフガン問題、テロ問題がアメリカの経済に根深く根付いていることを記者はわかっていないのであろう。

少なくとも、ブッシュ政権がITバブルが終わったクリントン政権以降に、軍事バブルと土地バブルで経済の根本的部分である技術力のロスという面を必死に覆い隠してきたこと、それにアフガン戦争、テロ戦争は大いに利用されてきたことが見えていないのである。

クリントン長官がなぜ日本に最初に来たか。それは、アメリカ民主党内に中国寄りすぎたことの反省と、「日本がアメリカの言いなりにはならないのではないか」という不安が根深くあるためである。

クリントン氏はファーストレディー時代の政治哲学とは豹変している。上院議員として、上院の外交委員会に所属して、共和党議員との交流を深める中で、より保守化しており、アメリカ外交において何が基軸になるべきかをオバマ大統領よりはるかに理解している。

アメリカが日本から得たいもの。それは金だけではなく、どうやって技術力を国内に保持してきているのか、政治が無能でも経済大国であり続けているのはなぜなのか。こうしたことをクリントン氏をはじめ、今のアメリカ民主党は重視しているのである。

そうした中で、拉致問題軽視と日本に受け取られ、日本の世論が反米化することに対する恐れが深くあると言われている。日本と協調していくことがアメリカの経済回復にとっても欠かせないことなのであり、そうした中、クリントン長官が日本を重視していると言うお世辞はあながち嘘ではない。

現に私の友人で、上院議員のスタッフとして働くアメリカ人からは、日本がアメリカの経済破綻に対しどういう見方をしているのか、日本の過去から学ぶべきことは何かよく聞かれる。

アメリカ政治やアメリカ経済の本質が何たるかをわからずあたかも知識人ぶったこの記者の記事は、『無知の恥』*の例として読むべき価値があるかもしれないが、それ以外には全く価値のない記事だ思う。

政治記事を書く人間の国際政治に対する知識がここまで乏しいと思うと、本当に今のメディアというのは誰でも出来る仕事なんだなとすら思ってしまうのは言い過ぎであろうか。

*無知の知と間違えているわけではなく、あえて無知であることがわからず、わかっているようにふるまっている人に対する皮肉を込めた表現として使ってみた

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