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02/14/2009

メディアに登場する弁護士の敗訴

テレビに出ている弁護士が、良い弁護士かどうかはわからないということだろう。

読売新聞の記事によれば、石丸弁護士側は、判決を受けて、「裁判所は破産法が分かっていない」と法廷外で主張しているようだが、2年も放置したのが、正当化される理由をどういう解釈で主張したのか気になるところである。

裁判所のどの条文の、どの文言につて、どういう解釈が間違っていると言っているのか否かをメディア関係者もキチンと報じてほしいものである。もしそうした説明がないのなら、裁判所への理不尽な批判かどうか読者自身が判断できるであろう。

なお、私見ではあるが、今回の裁判所の判断は妥当だと思う。

ところで、最近、多くの法曹関係者がテレビや雑誌、本など積極的に発言をしているが、そういう人が法曹として優秀かどうかというのはまた別の話なので、依頼するときはどういう弁護士がその法律分野で、専門的な論文や記事を書いているのかなども考慮したほうがいいかもしれない。

特に違和感を感じるのは、再任拒否をされた裁判官が書いている本を出版社が、「裁判官の視点」と大々的に宣伝したりしていることである。再任拒否されることは珍しいわけで、その人の言うことが全面的に真実だとは言い難い。

読者や一般国民は、医者とか弁護士とか裁判官とかいわゆる専門家がいうことだから正しいという視点は捨てて、懐疑的にみる視点が重要だと思う。また、メディアも安易に弁護士だからとか、自分たちの意に沿うコメントをしてくれるからということで、かかる専門家をコメンテーターとしているとすれば、自分たちの影響力に責任を取っているとは言えない。

メディアに出ている専門家=正しい指摘をしていると捉えがちな傾向は我が国の国民性に象徴されているのであり、それを踏まえた上でのメディア自身による自己規律が必要だと思う。

なお、何度もいうが、私がテレビなどを見ていて、なるほど発言内容が正確で信頼できるなと思う法曹関係者のコメンテーターは、オウム事件など公益活動を多く手がける紀藤弁護士や、日本テレビのコメンテーターを務める河上和雄先生くらいである。後者は刑事事件に対する解説は明快適確なものが多いし、司会者の意に沿わないコメントでも毅然とした姿勢で、自己の見解を言われるところは、勉強になる。

<「行列」出演弁護士事務所>依頼放置で賠償命令 東京地裁
2月13日22時9分配信 毎日新聞

 東京都内の衣料品卸会社から依頼された自己破産の申し立てを2年間放置し会社の財産が失われたとして、同社の破産管財人が、弁護士法人アディーレ法律事務所(東京都豊島区)に約496万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(針塚遵裁判官)は13日、全額の支払いを命じた。同事務所側は控訴した。

 判決によると、同事務所は会社から依頼を受けた約2年後の07年12月、破産手続き開始を東京地裁に申し立てた。この間、会社から預金通帳を預からなかったため、役員の報酬などで約1017万円が出金され残高は約6万円になった。針塚裁判官は「速やかに破産を申し立て、管財人に引き継ぐまで財産が散逸しない措置が求められた」と述べ、重大な過失があったと認定した。

 事務所代表の石丸幸人弁護士はテレビ番組「行列のできる法律相談所」への出演などで知られる。「破産法の運用を十分に理解していない裁判官による極めて不合理な判断で、到底許容できない」とのコメントを出した。【銭場裕司】

 ▽管財人の佃克彦弁護士の話 当然の判決。受任から数カ月で破産を申し立てるのが普通で、資産が散逸した例は珍しい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090213-00000147-mai-soci

なお、紀藤弁護士もブログでこの事件について、ご自身の見解を示されている。かなり鋭い御指摘をされており、気骨ある方だと感じる。

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Comments

アディーレに入って職歴壊された。自分の実力がなかったのは前提であるが。
「なにかにつけて遅いんだよ!」「おまえさー」などと言われた時点で辞めるべきだった。
我慢して居続けたらその月から給与を減らされた。生活できない額にされた。
NPO法人にもひどいと言われた。
だからこれを見た人はどんな会社か知ってほしい

Posted by: 匿名 | 01/10/2010 11:44 pm

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