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02/10/2009

若者の安定志向に起因する問題

不景気になると安定志向が強くなるといわれるが、それを一番敏感につかみ取るのが新卒採用を控える就職活動生だろう。

この記事もそれを如実に表すものである。

ただ、仕方がない傾向だとしても、「本当に安定を最優先事項にしていいのか?」と一抹の疑念を投げかけたくなる。

終身雇用が前提の社会システムの中で、安定性が重視されるのは仕方がないかもしれない。しかし、若者にとって本当に安定性がモチベーション維持につながるのかという点に疑問を感じてしまうわけである。

最近の離職率は若い世代を中心にとても高い。これは氷河期になればなるほど、とにかく就職先を見つけようとするあせりもあるし、会社側も優秀な人材を見つけようと本音を語らずに採用活動をすることに起因して、ミスマッチが生じているように感じる。

もちろん、どの会社も、「うちは給料が安いし、職場環境も良くないよ」なんてPRするところはないだろうが、こんなこともできる、あんなこともできると理想で塗り固めるのも良くない気がする。

氷河期でなければ、学生が2,3個の内々定を留保しつつ、若者が主導権を握り、最終的に選ぶことで、ミスマッチの可能性が減るのだが、氷河期が続けば続くほど、この若者の離職率は高まるだろう。

個人的な感想ではあるが、近年離職している人々は、2002年~2004年の氷河期世代が多い。この世代の多くが、当初の職場のイメージと就職後の現実にギャップを感じた人が多いようである。

それに比べ、2005年から昨年までの就職市場は雪解けと売り手市場にあった。この時期に就職した人については、ミスマッチにより離職を考えている人はその前の時代よりも少ないという印象を個人的には感じている。

ただ、どうしても若者が不満を持ってしまう職場が現在の日本には多々あるようだ。

養老孟司氏が『逆さメガネ』という本で日本について以下のように評している。

若者に城を明け渡さない。さっさと若者に任せればいいことを、相変わらず年寄りがやってますな。とくに日本の世間は極端です。私のように六十歳を超えた教授なんか、もう定年で当然です。とうにそう思ってましたから、東大も早く辞めました。若い人の邪魔はしたくない。

それでも年寄りが頑張って、行先暗いなんて、日本中で思っています。そりゃ、暗いに決まってます。年寄りは、あとはお墓に入るだけです。墓穴は真っ暗ですからな。大切なことを、そういう人に任せてるんですから。

なるほど、反骨精神のある若者が牙を抜かれ、既得権を打破しようというよりは、寄らば大樹のかげと安定志向に転じて、既得権を持つ老舗にすがろうとし、結果として日本が疲弊していくわけである。

こうした若者の動向を、国会や公官庁、企業、および法曹界にはびこっている墓穴に片足をつっこんでいる年寄り達はどう考えているのだろうか。

今日は、毒舌が過ぎるのでこの辺で・・・本の紹介をして終わらせよう。養老先生の最新本がでるらしい、「先が読めない人生を選んだ著者の、先を読まずに本質を突く時評。2002年から08年までの政治、社会、経済、スポーツ等を論じる。」との解説があった。安定志向になってしまっている若い世代には特に読むべき本かもしれない。

大学生が働いてみたい業界――女性は「放送・出版・新聞」、男性は?
2月9日15時6分配信 Business Media 誠

2010年春に卒業する大学生の就職活動が激化しているようだが、現在大学2、3年生はどの業界で働いてみたいと考えているのだろうか。最も多かったのは「放送・出版・新聞」で27%、次いで「旅客(鉄道・航空)」(21%)、「銀行」(20%)であることが、C-NEWS編集部の調査で分かった。

 男女別で見ると、男性は「銀行」がトップで26%、次いで「通信・IT」(24%)、「旅客(鉄道・航空)」(22%)、女性は「放送・出版・新聞」(37%)、「広告」「化粧品・トイレタリー」(いずれも27%)という結果に。

 現在、すでに「応募や面接など行動を起こしている」という大学3年生は46%、「情報収集を始めている」の23%を合わせると、約7割が就職先の検討を始めていることが分かった。また大学2年生で「情報収集を始めている」と答えたのは21%で、5人に1人は就職活動を始めているようだ。

 インターネットによる調査で、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に在住する4年制大学2年生または3年生の男女400人が回答した。調査期間は1月23日から1月27日まで。

●銀行に求める理想のイメージ

 働いてみたい業界で男子学生のトップは「銀行」だったが、実際にはどこの銀行を利用しているのだろうか。全体で最も多かったのは「ゆうちょ銀行」で64%、次いで「イーバンク銀行」(47%)、「東京三菱UFJ銀行」(45%)、「みずほ銀行」(33%)、「三井住友銀行」(28%)と続いた。また今後利用したい銀行を尋ねると、トップは「ゆうちょ銀行」で41%。以下「東京三菱UFJ銀行」(35%)、「イーバンク銀行」(32%)、「みずほ銀行」(28%)、「三井住友銀行」(26%)などとなった。

 「利用している」と「利用したい」、ともに「ゆうちょ銀行」が1位だったほか、メガバンクが上位にランクイン。ネット銀行では「イーバンク銀行」の利用者が多いことがうかがえた。

 さらに「銀行」に求める理想のイメージを聞いたところ、「信頼できる」「安定性がある」「誠実である」といった回答が目立った。逆に「派手な感じがする」「カッコいい」「ボランティアや文化活動に積極的である」などの答えは少なかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000057-zdn_mkt-bus_all

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