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February 2009

02/28/2009

裁判員制度がはじまるので・・・(アメリカの裁判テレビ番組の話を再掲)

最近忙しくて、更新を怠り気味であった。

色々発信したいことはあるのではあるが、また別の機会に。

以前に紹介した記事の再掲で申し訳ないが、新しいこのブログのファンのためにも面白い記事だったので再度掲載する。

裁判員制度がはじまるので、今後日本で起こることを考える参考に良いかもしれない。

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アメリカにいたことのある人や、ケーブルテレビ等でアメリカの番組を見ている人の中には、Judge Judyという番組を見たことのある人はいないだろうか。

この番組は、Judy裁判官という番組名の通り、ジュディス・シードリン(Judith Sheindlin)という女性が裁判官の法衣をまとった格好で、法廷のセットで、裁判長のようにふるまい、実際の事件の当事者が原告・被告に別れて、それぞれの主張を言い合い、リードリン"判事"が"判決"を下すというものである。実際には、これは仲裁という形式で、少額訴訟に限って、シードリン氏を仲裁人として、当事者が仲裁合意をした上で行われるものであり、本当の裁判ではない。

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しかし、私が見ていた限り、出演している当事者も、視聴者も、仲裁だということを意識していないかもしれない。 なぜなら、当事者は「裁判長(your honor)」と同氏を呼び、また、仲裁合意について、一度話が出た際も当事者は、「良くわからない」と言っており、さながら、テレビ中継されている裁判所にいるつもりで出てきているような人もいるためである。

仲裁は、裁判と異なり、合意した事件について、上訴をしたり、別に裁判所の訴訟を提起することができず、1審限りの形式をとる。その意味で、手続き的保障が必ずしもなされていないという欠点がある。

また、費用が訴訟に比べ少なくて済む場合が多い反面、仲裁人の判断が、必ずしも最高裁の判例に合致するとは限らないので、訴訟の場合と異なる結果がでることもある。

この番組のすごいのは、シードリン氏が、要領を得ない当事者に対し、大声で、「そんなことは聞いていない。」「関係ないことは話すな」「私が話して良いというまで話すな」「貴方が言っていることはでたらめだ!」などとかなり高圧的な姿勢で、当事者に対し臨んでいるところである。

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同氏はニューヨーク州の家庭裁判所の裁判官を長く勤め、現在は弁護士として、仲裁人をしているにすぎないが、この番組内での態度はすごいものがある。

その姿勢が面白いということで、視聴者がかなりいる人気番組で、かつ、1996年頃から続く、長寿番組だが、日本で仮に同様の番組ができ、弁護士がこのような態度を取ったら、懲戒請求すらされかねない。

また、私の指摘通り、当事者までも、本当の裁判官だと信じてこの仲裁に参加していれば、本当に問題だと思う。また、この番組を見て、裁判官がこのように行動すると思われても、相当問題があるだろう。

しかし、アメリカでは、同様の番組が数多くある。私が知っているだけで、これを含め6つくらい名前は聞いたことがある。

日本でも、このような番組が将来できれば、裁判や仲裁というのを身近に感じる人が増えるかもしれない。泣き寝入りせずに、何らかの法的手段を取ろうと考える人も増えるかもしれない。

私はそういった形で、こうした番組がPRとなり、法的手段が積極的に活用されていくのは、好ましいと思う一方で、裁判と仲裁の違いなど正しい知識を持った上で、国民がそうした制度を活用するようになることが必要だと感じている。

とりわけ、裁判官がこのような抑圧的な態度も取らないということも十分に知ってもらいたいが。。。

興味のある人はぜひ、Judge Judyを見てもらいたい。Youtubeなどで検索すればすぐに見つかるだろう。字幕もないし、英語は苦手という人がいるかもしれないが、雰囲気だけはわかると思う。少なくとも、シードリン氏の高圧的態度は注目に値する。

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02/23/2009

無知の恥たる記事から学ぶ無知の知(無責任なメディアから学ぶべきこと)

私も政治問題などについては、辛口の視点で批判することが多いが、ちょっと、この記事は批判の矛先を間違っているし、批判の仕方として度を越しているのではないだろうか。

読んでいる方が、「は・ず・か・し・い」と思うし、逆に怒りさえこみあげてくる。

この記事のどの部分がおかしいと思うか。まず、この部分である。

保護主義をけしからんと叫んでみても始まらない。保護主義とそれを乗り越える努力とが交錯するところに外交がある。アメリカと日本の利益も同一でない。そうした時にこちらから助けをお願いする外交センスが私には分からない。拉致問題はあくまでも日本が自らの主権で解決すべき問題である。拉致家族にはお気の毒だが、アメリカに助けを求めていく姿は、日本人としてとてもとても「ハ・ズ・カ・シ・イ」。

拉致家族の活動をアメリカに助けを求めているとしか見ていないこの記者は何を見当違いしているのだろうか。

拉致家族に対し何十年も無視し続けてきた、メディア、ジャーナリスト、政治家、ひいては国民の責任と反省の下に、我が国においては拉致問題の解決が北朝鮮問題において、何においても最優先事項であるというコンセンサスがあったはずである。

そうしたコンセンサスを無視して、オバマ政権がいう対話政策が正しいと思い込み、オバマ大統領の過剰で中身のないパフォーマンスを素晴らしいと称賛し、アメリカの経済問題の本質を分かっていない記者がよくもまあ偉そうにこいういう記事をかけたものだと思う。

それこそ、怒りを通り越して笑っちゃうくらい呆れてしまう。

さらに、この記事は、以下のような部分がある。

 オバマ政権の最大課題は北朝鮮でもアフガンでもテロとの戦いでもない。瀕死の経済をどう立て直すかだ。そのためには金が要る。どこから金を引き出すか。それが最大関心事である。だから国務長官は最初にアジアに来た。中国と日本の金が狙いである。外交は形を変えた戦争だから、自国の利益のためにはありとあらゆる手段を使う。表で笑顔を振りまきながら、裏では恐喝と騙しの連続である。外交では寸分たりとも弱みは見せられない。その時にこの国の外交当局は「拉致問題」でアメリカにお願いをする日程を組み入れた。

全くもって、この記者はアメリカの現状を理解していない。

アフガン問題、テロ問題がアメリカの経済に根深く根付いていることを記者はわかっていないのであろう。

少なくとも、ブッシュ政権がITバブルが終わったクリントン政権以降に、軍事バブルと土地バブルで経済の根本的部分である技術力のロスという面を必死に覆い隠してきたこと、それにアフガン戦争、テロ戦争は大いに利用されてきたことが見えていないのである。

クリントン長官がなぜ日本に最初に来たか。それは、アメリカ民主党内に中国寄りすぎたことの反省と、「日本がアメリカの言いなりにはならないのではないか」という不安が根深くあるためである。

クリントン氏はファーストレディー時代の政治哲学とは豹変している。上院議員として、上院の外交委員会に所属して、共和党議員との交流を深める中で、より保守化しており、アメリカ外交において何が基軸になるべきかをオバマ大統領よりはるかに理解している。

アメリカが日本から得たいもの。それは金だけではなく、どうやって技術力を国内に保持してきているのか、政治が無能でも経済大国であり続けているのはなぜなのか。こうしたことをクリントン氏をはじめ、今のアメリカ民主党は重視しているのである。

そうした中で、拉致問題軽視と日本に受け取られ、日本の世論が反米化することに対する恐れが深くあると言われている。日本と協調していくことがアメリカの経済回復にとっても欠かせないことなのであり、そうした中、クリントン長官が日本を重視していると言うお世辞はあながち嘘ではない。

現に私の友人で、上院議員のスタッフとして働くアメリカ人からは、日本がアメリカの経済破綻に対しどういう見方をしているのか、日本の過去から学ぶべきことは何かよく聞かれる。

アメリカ政治やアメリカ経済の本質が何たるかをわからずあたかも知識人ぶったこの記者の記事は、『無知の恥』*の例として読むべき価値があるかもしれないが、それ以外には全く価値のない記事だ思う。

政治記事を書く人間の国際政治に対する知識がここまで乏しいと思うと、本当に今のメディアというのは誰でも出来る仕事なんだなとすら思ってしまうのは言い過ぎであろうか。

*無知の知と間違えているわけではなく、あえて無知であることがわからず、わかっているようにふるまっている人に対する皮肉を込めた表現として使ってみた

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02/22/2009

再びメディアに登場する弁護士の敗訴

最近、政治記事ばかり書いていたので、ちょっと法律の視点でニュースを見てみました。

良くわからない事件ですが、石丸弁護士の事務所がまた敗訴らしいです。

おそらく、石丸弁護士の事務所と委任契約を結んだ税理士のYさんに対して、債務不履行責任に基づく損害賠償請求をした事案なのだと思います。

一般的に、債務不履行に基づく損害賠償請求の場合、原告の側で、①契約関係(又は特別な社会的接触関係)の存在、②その不履行、③損害の発生とその数額、④②と③の因果関係を立証しなければなりません。

判決を見ていないので、詳しい事実関係がよくわからないのですが、おそらく②の債務不履行に当たる事実がないとして、請求原因段階で請求が否定されたような気がします。

石丸幸人弁護士の事務所、再び敗訴 
2月19日21時40分配信 産経新聞

 弁護士事務所設立にあたり節税できる資本金額を相談したものの、誤ったアドバイスを受けて損害を被ったとして、石丸幸人弁護士が代表の「アディーレ法律事務所」が、顧問税理士を相手取って約3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。鶴岡稔彦裁判長は「主張の中核である面談のやりとりに疑問点が多い」として請求を棄却した。

 石丸弁護士は、会計事務所職員から「資本金額はいくらでも良い」と聞かされたと主張したが、鶴岡裁判長は「石丸弁護士の説明には、勘違いや記憶違いとは考えられない変更がある」とした。

 判決によると、石丸弁護士は平成17年4月、資本金額1000万円で弁護士事務所を設立。資本金額が1000万円未満なら非課税となる消費税約3000万円分を課税された。

 石丸弁護士はテレビ情報番組のコメンテーターとして知られる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000620-san-soci

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02/21/2009

英国メディアが伝える政治家とアルコール(ブラウン首相にまでジョークにされる酩酊会見)

様々な醜態が次々に暴露される中川大臣。

イギリスのブラウン首相が記者会見で「次回のG20の会合では、飲酒をしている暇はない」と記者会見で語ったそうである。本当に世界に広まったのだと感じる瞬間である。

http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jI51QFDryfuEaumX5c0Q2NNNyHSw

イギリスのチャンネル4は、「政治家の失態(Politicians' ruin)」と題し、政治家とアルコールの関係は長い歴史があるが、政治家がアルコールによって悪ふざけした姿がカメラに撮られるようになったのはごく最近だという記事を書いている。

http://www.channel4.com/news/articles/politics/politicians+ruin+/2958762

この記事で面白いのが、今回の中川酩酊会見と他の国の政治家が、アルコールを飲んだことによって、悪ふざけをしている映像を比較しているところである。

まず、中川酩酊会見があり、記事は「大臣は大きな代償を払うことになった」というタグをこの映像につけている。

次に、フランスのサルコジ大統領が2007年のG8の後のプーチン大統領との会談後の記者会見で、「私に質問に答えてほしいか?」など不規則な発言をしている映像について、「質問と葛藤している大統領」というタグがつけられている。

さらに、英国自由民主党の党首であったチャールズ・ケネディー氏が、アルコール中毒であることを告白して退任する前の記者会見で、同氏が感情的になったり、不明瞭な会見をしていた映像が並んでいる。

最後には、ウォッカを欠かさず飲んでいたといわれているロシアのエルツィン元大統領が酔っ払っているのか不明であるが、かなりおどけてダンスをしたり、指揮者のマネをしている映像を紹介している。

これらすべての映像を比較して感じた私の感想は、最初の中川会見以外は酔っ払っているのかな?程度の行動であって、激しいダンスをするエルツィン元大統領の映像でさえ、にこやかに笑って見てられるが、中川酩酊会見だけは、「なんだこの酔っ払いは!」と思ってしまうほど失態を晒している印象を受ける。

これを風邪薬だと未だに説明しているし、マスコミも中川氏のアルコール中毒患者とすら思えてしまう飲酒癖を今まで報じずに国民の目から真実を隠してきたことは、お友達内閣以上に、権力とお友達のマスメディアという民主主義国家ではあってはならない事態だと思う。

そろそろ、記者クラブ制度とかやめた方が良いのではないだろうか。

こういう情報があとから出てくるのもやっぱり記者と政治家の癒着のせいかもしれない。

中川前財務相 バチカン博物館でマナー違反 石像触り警報
2月21日11時34分配信 毎日新聞

【ローマ藤原章生】ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ろれつが回らない状態で記者会見に出席し、辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相が、会見直後に訪れたバチカン博物館で陳列品の石像に触れるなどマナーの欠ける行いをしていたことが、同行者らの証言でわかった。中川氏は博物館でも、政府代表とは言い難い姿をさらしていた。 

 今月14日午後4時(日本時間15日午前0時)すぎ、ローマ中心街のホテルで、眠り込みそうな表情で会見を終えた中川氏は、その足で博物館に向かった。イタリアを去る間際の2時間の「視察」で、当初から予定に組み込まれていた。

 財務省職員を伴った中川氏を現地の大使らが案内する形で、一行10人は博物館職員と共に館内を回った。午後4時の閉館時刻を30分ほど過ぎていたため、一般客はいなかったという。

 その際、中川氏は館内を好きに歩き回った。触ることを禁じられている石像を2回ほど触り、一度は警報のブザーが鳴った。

 疲れていたようだが、酒臭くはなく、酔っている様子はなかったという。同行した上野景文駐バチカン大使は「確かに、天皇陛下が(礼儀正しく)視察するような形でなかった。美術が好きで触ってみたかったようだが、周囲が振り回されたり、騒ぎになるようなことはなかった」と話している。

 【ことば】バチカン博物館 ローマ市内にあるバチカン市国が誇る世界屈指の美術館。歴代の教皇が集めてきたコレクションが収蔵されている。ミケランジェロの壁画「最後の審判」や「楽園追放」などの天井画があるシスティーナ礼拝堂など、見学コースは全長7キロ、総面積は約4万2000平方メートルに及ぶ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090221-00000005-maip-soci

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麻生太郎内閣にいるもう一人の曲者

麻生政権にもう一人の曲者がいることを忘れてはいけない。

それが、友達の友達はアルカイダの鳩山邦夫である。

かんぽの宿で、支持が高まっているという話があるが、そう簡単に支持できる人物ではないし、かんぽの宿批判の裏に何があるのかを国民は真剣に受け止めないといけない。

この人物はかねてより失言が多い。小泉元総理が退陣するまでは、鳩山一郎の孫でありながら、自民党内では、下野していたにひとしく要職からは遠ざかっていた。なぜこの人物が安倍政権以降に元気を取り戻しているか。

改革とは真っ向から反対の立場にいる人間(利権の代表者)だからだと私は思う。

鳩山氏は麻生太郎を首相にした太郎会会長で、いわば現在の日本の国益を著しく損なう結果を招いた張本人である。そして、郵政改革には批判的な立場なのである。

かんぽの宿の問題も、お兄さんの鳩山由紀夫氏がいる民主党の指摘を受けて、情報をもらい、嬉しくなってはしゃいでいるのである。なぜはしゃぐのか。

それはこの機とばかりに、郵政民営化を妨げよう、なんとか既得権を保護しようとしていると考えるのが論理的である。

鳩山邦夫氏は、法務大臣時代に、司法試験の合格者人数を抑制しようと動いたことがある。これこそまさに日弁連という本来は強制加入団体として政治的メッセージを発するべきではない団体が既得権益の塊となって、抑制に動こうとしたからである。同氏が東大法学部であり、法曹関係者とのつながりもあることを考えると、なにかきな臭さを感じざるを得ない。以前も別の記事で指摘したように、法曹人口が増えて困るのは、既存の弁護士だけである。

今回のかんぽの宿についても、純粋に入札が不公正だと思って追及していると考えるのは、あまりにもお人よしに過ぎる。

鳩山氏は政治的判断を何度も誤り、政治家としては基本的に失敗してきた人間である。たとえば、一旦自民党にいたのに民主党と歩調を合わせ、離党。その後都知事選挙で、石原都知事に敗れると、今度は突然管直人氏を批判して対立候補になった。その後は、自民党に返り咲きである。

政治理念が麻生太郎と同じでフラフラしているから、政局や決断を見誤り、渡り鳥のように政党を行き来し、何一つ政治家としての成果をあげていないのである(挙げたと言えば非常識な論説を書いた朝日新聞と喧嘩したくらいのことかもしれない)。

そして、有名な総理大臣の孫なのに鳩山邦夫氏は強い一定の選挙基盤を持たない。これもフラフラと政党を渡り歩いているからではなかろうか。現在は母方のブリジストン関係者の多い福岡6区にいる。つまり、ブリジストンの創業者の親族として、組織票を頼みの綱にしている政治家なのである。

そうした既得権益の塊みたいな人がなぜ、かんぽの宿売却を一生懸命叩くのか。

そして、なぜ事業性などに着目した民間なら当然出てくる合理的な数字(年間40億円の赤字事業であること)や根拠を一切無視して、ショッキングな数字(赤字事業であることを隠し、2000億円が100億円になるのがおかしいと内情を知らない国民の無知を煽る数字)を出して、郵政改革が間違いであることを印象付けようとしているであろうか。

麻生太郎がなぜ郵政民営化にはもともと反対だったと言ったのか。なぜ、再度公正な基準の下で売却しようという発言はないのか(売却を許さないと言うだけなのか)。

その答えはずばり、今度の選挙で地方に強く残っている郵政組織票を狙っていると考えるのが論理的だろう。もしかすると、地元のかんぽの宿とそれに群がる利権関係者の票を押さえたいのかもしれない。

いずれにしても、民間では当たり前の合理的な判断ができず、郵政改革や司法改革などすべての局面で、既得権保護の側に立つ政治家を間違っても、国民のために真実を追及しているなどともてはやしてはいけない。

マスコミは、疑惑を報じれば、面白いので飛びつくだろう。しかし、その疑惑を作り上げて、結局は国民の利益を著しく損なう方向へ持っていこうとしているならば、これは有権者が本質を見抜かなければならない。

無知に付け入られるとすれば、無知な国民に問題がある。今、まさに有権者の見識が問われている気がする。

なお、私は竹中平蔵氏の政策や理念、考え方に対してはかなり批判的であるが、この点について同氏の反論は明確であるし、論理的であると考える。

同氏の動画による反論をぜひ見てほしい。費用対効果という視点が欠けた族議員への痛烈な批判はとてもわかりやすい。

そして、マスコミは、以下のようなミスリーディングな報道はやめるべきである。

税評価額が800億あって、いくら資産価値が高いと言っても、売却にはぬるま湯の環境で育った従業員がくっついてきて、事業が40億の赤字のもの不良資産であることを無視して、税評価額と売却価格を単純に比較しようとするのは、極めて危険である。

また、帳簿価額と税評価額の違いに一切言及していない。帳簿価額とは、取得した価格から減価償却費(使ってしまえば、価値はなし崩し的に減っていくのでその減る分の費用)を引いたものである。

他方、固定資産税評価額は、市町村が近隣の時価・路線価を基に、その土地を評価した額であり、全く違う算出方法なのである。たとえば、この評価額の場合は、土地の下落に評価が追いつかないことがあり、実際の時価より評価額の方が高いということもある。

まさしく、こうやって算出基準が違うのに、数字に踊らされているマスコミは、まんまと鳩山氏や郵政官僚、既得権益代表者に操られていると言っても過言ではない。

国民は、会計士である山田真哉先生が御自身の著書『食い逃げされてもバイトは雇うな』で書かれている「数字の力」に騙されない視点を身につける必要があるだろう。

かんぽの宿 税評価額、簿価の7倍 79施設で857億円
2月19日15時54分配信 産経新聞

 ■総務相「極めて疑問」

 日本郵政が撤回した宿泊保養施設「かんぽの宿」の一括譲渡問題で、オリックス不動産への売却がいったん決まった社宅を含む79施設の固定資産税評価額が、売却の基準となった簿価の約7倍だったことが19日、分かった。日本郵政の寺崎由起(よしき)執行役が同日午前の衆院予算委員会で明らかにした。

 寺崎氏によると、昨年9月末時点の簿価は総額123億円だったのに対し、79施設の昨年の固定資産税評価額は約857億円だった。日本郵政は123億円の簿価を基に、継承する負債分を考慮してオリックス不動産が提示した109億円の譲渡額を「適正な価格」と主張していた。

 これに関し、鳩山邦夫総務相は「(双方の額が)あまりにも違うことに驚いている。なぜそうなるのか。実勢価格が固定資産税評価額よりも高いのが常識で、極めて大きな疑問を感じている」と答弁した。

 簿価は不動産鑑定した額に過去の収益性の低下を反映させる「減損処理」をした金額。固定資産税評価額は地方税法に基づく土地・建物などの評価額で、市町村が決定し固定資産税の課税標準となる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000131-san-pol

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02/20/2009

小泉発言は自民党議員への踏み絵ではなかろうか。

政治アナリストたちも無責任に、色々好き勝手言っているので、私も好き勝手に今後の政局を予想しようと思う。

小泉発言が注目されているが、これは自民党にとっての最後の希望ではないだろうか。そもそも、私は小泉改革については良いところ(既得権益にメスを入れた)もあれば、悪いところ(市場主義への移行が急速過ぎたこと、脱落した者への保護ないし再度のチャンスを与えるの手当が不十分だったこと)もあったという立場で、1か0かという極端かつ無責任な立場にはそもそも立たない。

いずれにしても、小泉元総理が安倍、麻生総理に比べれば、世論に敏感な人間である点は否定できないと思う(あえて福田前総理を外したのは、福田総理は自分が人気が無いことを自覚し、世論を意識して辞任し自民党を救おうとしたとも評価し得るからである)。

小泉元総理は、「麻生をやめさせろ。定額給付金のような無駄なバラマキはやめろ」という国民の7割から8割の世論を感じ取り、自民党に最後のチャンスとして、再議決に欠席すると言ったのであろう。

これに対し、自民党の議員の大勢の意見は「なぜ今頃。もう造反はできない」という消極的な反応であるとメディアは伝えている。

しかし、小泉発言は非常に論理的に緻密であると思う。

まず、一旦賛成したのに再議決反対というのは矛盾だという声に対して。

参議院で定額給付金以外については野党が賛成しているのだからそれを飲めば良い。国民も定額給付金には反対している。それなら、一旦衆議員を通ったとしても、直近の選挙の声が反映されている参議院の判断を尊重すべきである。

また、2/3は郵政選挙の民意で、いわば古い民意の反映である。それが、郵政関連以外の世論の大勢が批判的な政策を推し進めるために利用するのは筋が通らない。

こういう論理を小泉発言は投げかけている。

次に、自民党内では、「自分だって参議院の反対を押し切って郵政解散したじゃないか。参議院の声を聞くなんて笑っちゃう」という発言がある。

これも的外れな批判である。小泉郵政解散のときは、郵政に対する民意が衆議院にも参議院にも反映されていなかった。だからこそ、民意にその是非を問うて解散し、民意が小泉郵政改革を支持したわけである。

それに対し、今は直近の民意が反映されている参議院の意向を全く無視し、定額給付金に対する民意を問うべく衆議院を解散するというでもなく、郵政の民意をごり押しで使おうとしているにすぎない。

こうした自民党内の議員の批判が論理的に破たんしていることは馬鹿でもわかることだろう。

にもかかわらず、折角のチャンスである小泉発言をさらに批判するというのは自爆テロに他ならないのではない。小泉発言は、ある種の踏み絵を自民党議員、とりわけチルドレンに課したのではないだろうか。

つまり、予算が通らず政治が機能しない経済危機において、麻生太郎という支持率一桁で総理職に留まろうとする権力に対し、引導をつきつけられる政治家として気骨のある人間かどうかの踏み絵を課したのだと思う。

牙を抜かれて麻生太郎の自民党という泥船にとどまるのか、それとも、造反により麻生太郎に牙をむくと同時に、小泉元総理と行動を共にすることで、公認は失う覚悟はあるが、同氏の選挙応援がつく急きょ作られたイカダに乗るのか。

どうせ勝ち目がないのなら、後者の選択をし、参議院で示された直近の民意を受けて、麻生太郎という人間に歯向かうことで、一か八か自分の人生をかける姿を有権者に見せるほうがよっぽど有権者に訴える力があると私は思うのであるが・・・

いずれにしても、もう過ぐ小泉元総理の自民党をぶっ壊すというシナリオは約9年越しに達成されるのではないだろうか。

小泉元首相発言「笑っちゃう」 自民参院幹部が批判
2月19日11時59分配信 産経新聞

 自民党の脇雅史・参院国対筆頭副委員長は19日午前の記者会見で、小泉純一郎元首相が定額給付金の財源に関する特例法案の衆院再議決に欠席する意向を示したことについて「よく言うもんだと笑ってしまった」と批判した。

 脇氏は「小泉氏は(首相当時の平成17年に)郵政民営化法案で衆参の議決が違ったとき、両院協議会で意見調整したらどうかという声があったのを一切無視して衆院解散に踏み切った。自分のやったことと違うことを言うのは納得いかない」と語った。

 小泉氏は今月12日、定額給付金に関し「参院の意見を調整して妥当な結論を出すべきだ」などと主張。さらに麻生太郎首相の郵政民営化をめぐる言動を「笑っちゃうくらいあきれている」と批判していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090219-00000547-san-pol

以前、インターネット上で、会社の上司や要職につく無能な幹部を示す言葉として、「バカンブ」という言葉を目にしたことがあるが、この記事で批判している自民幹部は正しくバカンブだと思うのは私だけではないはずだろう。

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02/19/2009

日本の国益を損なった麻生のロシア訪問(北方四島の放棄になりかねない失態)

マスコミは十二分にこの問題を報じないが(成果が無かった程度の報道しかしていないが)、支持率の一桁で総理職にとどまっている人間が、外交で重要問題を語ることがいかに恐ろしいことになるか、将来我々は身をもって体験するかもしれない。

麻生太郎とメドベージェフ露大統領との会談は完全に失敗だった。麻生太郎が自分の得点にしたいとした今回の合意は、日本の国益を著しく損なったと思う。マスコミはこの事実をもっとしっかり報じるべきである。

今回の合意で、強かなロシアは、国民の支持がない麻生太郎の弱みとあせりを逆手にとり、まんまと麻生太郎は「新たな、独創的で型にはまらないアプローチで解決」ということに、同意してしまった。

つまり、これは、既存の2島返還方式にロシアがこだわらない反面、日本も本当返還を求めないという意思を表明したと受け取れかねないものである。

「独創的で型にはまらない」という文言内容をもっと明らかにしなければ、「あの時、4島返還方式の放棄に合意していた」と言われ、日本の主張の正当性を著しく害する事態が生じかねない。

外交というのは言葉の戦いである。漢字が読めず、言葉の重みを理解できない麻生太郎という政治家が軽々しくこういう文言に同意してしまうこと、これは先日の中川酩酊会見以上に日本の国益を著しく損なったといえる。

私の専門は、法解釈や判例の解釈をいかに行うかである。そうすると、条文や判例が示す文言の1つ1つに非常に重要な意味があることはいつも痛感する。そういう立場の人間からすると、「独創的で型にはまらない」という文言は、過去の日本の立場すら放棄することを意味しているとも読める内容で、非常に危険な文言を用いてしまったと感じるわけである。

国民の中で、四島返還という原則以上の議論が進んでいない中で、支持率一桁の人間が軽々しくこうした文言に合意したこと、これは今後のロシアとの交渉にとって著しく不利な立場に立たされたと言っても過言ではないと思う。

北大の教授が同じような見解を示している記事があるので紹介する。

日露首脳会談 4島返還放棄は歴史的汚点…北大名誉教授
2月18日22時56分配信 毎日新聞

◇木村汎・北大名誉教授の話

 日露首脳会談でロシア側が提案した「独創的なアプローチによる領土問題解決」に同意した日本は、「4島返還」という従来の立場を捨てたといえる。

 ロシア側の狙いは、2島でも4島でもない「2島(歯舞、色丹)プラスα」による解決であり、αの部分は共同開発などを想定している。残る2島(国後、択捉)が返ってこなければ、日本にとってプラスどころか「マイナス2島」になる。麻生氏は島の「面積分割」による解決に言及したことがあり、ロシア側から「スキがある人物」と思われたのではないか。4島以外の解決はないと、なぜ側近たちが首相を制しなかったのか。

 日本は第二次大戦後、サハリン(南樺太の主権)を犠牲にしている。そのサハリンに行って今回のような妥協をしたのは致命的な後退であり、日露交渉史の大きな汚点になる。【聞き手・杉尾直哉】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090218-00000117-mai-pol

この木村教授は今回麻生太郎が訪問したサハリンの天然ガスに関する最新の本の著者でもある。プーチンの戦略に詳しい人が同じように懸念していることからすれば、私の今回の分析も間違いではないのかもしれない。

そして、ロシアのマスコミの報道はもっとすごい。

露メディア「ロシアの領土主権が保証された」 2月18日19時42分配信 産経新聞  

【モスクワ=佐藤貴生】麻生太郎首相のサハリン訪問について、ロシアの有力紙コメルサントは18日付で、イタル・タス通信のゴロブニン東京特派員の寄稿を掲載した。  記事は「日本の首相がサハリンのロシアの領土主権を保証した」という見出しで、日本政府が帰属未確定としている南樺太を含むサハリンを、麻生首相が訪問することで「ロシアがサハリンに主権を有することをはっきりと、最終的に確認することになる」と、日本外務省当局者が語ったとしている。  

記事はサハリンをめぐる日露間の交渉の経緯を振り返った上で、2001年、ユジノサハリンスクで日本の総領事館が活動を開始したことを踏まえ、「日本政府はサハリンも、その行政区内にある(北方領土を含む)クリル(千島列島)も、ロシアに帰属していることを言外に認めた」としている。  

また、出入国カードの提出をめぐり、今年1月に日本側の北方四島支援事業が中止された件については、ロシア外務省には日本側の要望を聞き入れる用意があるものの、ロシア側の移民や国境警備関連の部局がビザ(査証)なしでの国後島上陸に反対している可能性を示唆した。

だから、早く解散しましょうよーと嘆きたくなる・・・

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02/18/2009

酔っ払い大臣、羞恥心のない総理大臣、そしてまだまだ耐える(?)国民(そろそろ怒りませんか?)

海外のメディアが厳しい皮肉コメントを良くするのは知っているが、これだけ酷評されると、日本国民として非常に恥ずかしい。未だに、支持する有権者が地元の選挙区にいるということが信じられないし、井の中の蛙というのはある種恐ろしいと思う。

ただ、同情するわけではないが、中川財務大臣が父親と同じ道を歩まないことだけは願いたい。今回の事件で、世界に失態をさらしたわけであるから、羞恥心がある人間だとすれば、完全に政治生命は絶たれたと言っていい。

どんなに反省しても、海外に今度公の人間として日本を代表する立場に仮に立つことがあるとすれば、海外メディアは、酔っ払い大臣とか、アル中大臣とか、中川昭一という人間について面白おかしく伝えるだろう。

そうすると、プライドが高い人間がこういう没落の途を辿ると、それこそ予期もしない判断をしかねない。特に、酒好きで、酒を何度もやめるように言われていたのに、景気づけに記者会見に酒気帯びで臨む過去が何度もある気の小さな人間という側面もあるようである。

身から出た錆びとはいえ、こういうバッシングに耐えきれず・・・という事態もないとは言えないと思う。不謹慎かもしれないが、異常行動がないように周りは気を付けた方が良いだろう。

いずれにしても、麻生太郎の責任は重い。支持率が一桁になり、重要閣僚が大失態を犯し、クリントン長官が訪日している日に、この問題でのドタバダ劇である。

小沢代表の振る舞い(選挙重視で会談を一旦は断ったこと)が外交上非礼だという批判があったが、それ以上に、日本の総理大臣にある人間が、この問題で訪日中に自分の発言を二転三転させて、問題をさらに拡大させていることこそよっぽど非礼ではなかろうか。

もっと言えば、支持率一桁の人間が総理の座に居座って、クリントン国務長官を迎えることが非礼なのかもしれない。世界中には一般的に評判の悪いブッシュ前大統領でさえ、1月の退任直前でも、29%の支持率はあった。

つまり、支持率1桁の人間が総理大臣として、未だに外交をしようとしていること、オバマ大統領に初めての海外リーダーとして会おうとしていること自体が恥なのかもしれない。

かつて、我が国には恥の文化があった。その恥の文化はどこにいってしまったのであろうか。麻生太郎(一桁の人間に総理という敬称を使いたくないので使っていないわけであるが)という政治家が日本の総理職にとどまっていることが恥であると怒りの声を上げなければ、日本はいよいよ世界に相手にされない民度の低い国家と評されることになるだろう。

私はよくアメリカ人の友人と政治問題について意見交換することが多いが、今回の事件についてだけはあまり触れられたくない。

 中川財務相の記者会見は「サケ・プロブレム」
 2月17日20時46分配信 産経新聞

 中川昭一財務相の辞任や問題となったローマでの記者会見の模様を、米国や英国など世界各国のメディアは、早速伝えた。

 米国では、MSNBCテレビなどが16日、中川財務相が批判を浴びていることを「サケ・プロブレム(酒問題)」と伝え、ロイターやAPなどの通信社は17日、中川氏の辞意表明を「人望のない麻生太郎首相への新たな打撃」などと速報した。

 MSNBCはまた、記者会見の映像を流した後、女性キャスターが、「これが日本の財務相だ」と笑いながらちゃかしたうえで、「そんな国が、きょうクリントン国務長官が訪れている日本だ」とコメントした。

 17日付の英紙インディペンデント(電子版)は、中川財務相の記者会見を「1970年代以来最悪の危機に直面している世界第二の経済大国のかじを取る責任者が、酒酔い運転だろうか」と伝えた。英BBC放送は同日、東京株式式場の下落を伝える際に、記者会見の映像をだぶらせ、キャスター自身がろれつが回らないようなしぐさをした後、笑い転げた。

 KBSなど韓国の主要テレビ局も、記者会見の映像を流し、聯合ニュースは「酒に酔ったように記者らの質問に思い通りに答えられず、ちんぷんかんぷんな発言をする醜態をみせ、国際的な大恥をかいた」と指摘した。

 中国では17日付各紙が、「日本の財務相が『酔っぱらって』G7参加」と大きく報じた。また中国中央テレビは、16日夜のニュースから、中川財務相が記者会見でろれつが回らない状態だったことを詳報し、中川氏の釈明も紹介した。

 ウエブ上では、各国メディアや動画サイト、ユーチューブで記者会見の映像が掲載されている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090217-00000616-san-pol

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02/17/2009

酩酊会見の余波

中川財務大臣の酩酊会見は、なんともタイミングよくGDPの低下(戦後2番目の低さ)と麻生政権への支持率一ケタ台(日本テレビの調査)と重なり、いよいよ国民は呆れを通り越して、静かなる重々しい怒り(怒りも通り越せば呆れになるが、呆れをさらに通り越すとジワジワとした怒りが再度こみあげてくるものである)満ち満ちてくるのではないだろうか。

今回の報道に対して、会計士の山田真哉先生は企業のCFOに財務大臣をたとえて皮肉を込めた批判を自身のブログでなさっている。「おっしゃる通り」と共感できる。

山田先生の著書『食い逃げされてもバイトは雇うな(上)』に、数字の使い方の技法として、「常識破り」という技法が紹介されており、常識を破るような数字の使われ方はかなりのインパクトを与えると述べられているが、まさしく、悪い意味で今回の中川大臣の酩酊会見は、常識破りだったといえよう。そのインパクトは絶大だった。

そろそろ、「呆れて笑っちゃう」では済まされない事態に来ているのではないだろうか。

日本経済が悪いのは、貿易に頼っている産業構造があるにしても、麻生政権下では、政治が全く機能していない。まさに、麻生不況と銘打っても言いすぎではないと思う。

まだ、福田政権のときの方がマシだったのではないだろうか(少なくとも福田政権には酩酊大臣は在籍していなかったのは事実である)。

マスコミはGDPが12%以上下がったと他国と比較した数字ばかり強調しているが、私は日本の経済危機の本質は、むしろ雇用対策や派遣労働者等の雇い止め規制の遅れ、さらには、雇用創出計画の青写真すら描けていない状況にあるため、国民全体の不安が増大し、内需すら低迷しているところにあると考えている。

1か月くらい前に、どこかの大臣経験がある学者が、テレビで、日本の裁判所の解雇権に関する判断がおかしいなどと批判していたが、日本が個々の社員の愛社精神など終身雇用制度が基盤にある前提を見誤った批判であったと思う。

我が国においては、終身雇用の要請が経済の原動力になっているという側面を見落とせないのであり、終身雇用制度とSocial Mobility(社会的流動性)を対立概念として捉えることから脱却しきれなかったところに、小泉竹中路線の影があるような気もする。

ところで、昨日、このブログに、アル中という言葉を使うか非常に迷った。というのは、名誉毀損になりかねないと多少の危惧をもったためである。

しかし、中川昭一氏のアルコール依存性が高いというエピソードは、永田町やメディア関係者のみ(一部のタブロイドも報じていたようであるが)の事実から、公の事項に関わる事実となり、真実と信じるに足る相当の理由も既にでてきているので、安心してこの事実を批評できる。

同氏の酒への依存度が高いという話は色々な場面で聞かれてきた。そういう人間が、小泉内閣以降要職に今までついてきたこと、この事実を公のメディアが一切報道せずに無批判のまま慣れてしまったことに対しても、私は強い疑問を感じる。

報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものである。このことから、報道機関には、報道の自由を憲法21条による保護のもとに置かれているのであるから、その責任を果たしてこなかった主要メディア、大臣番記者、記者クラブの責任は非常に重たいと思う。

こうした報道がされると、メディアは自分たちの責任を蔑ろにして、責任を取れというが、メディア自身も今回の醜態事件を機に、襟を正してほしいと思う。

さらに、北海道11区(帯広市、十勝支庁管内)の有権者は、自分の選んだ議員が、世界中に醜態をさらしたこと、日本人の品格を貶めたことを真摯に受け止めて、民度の高い投票行動に次回の選挙では出るべきと個人的には感じる。

つまり、「『ごっくんしていない』と薄ら笑いを浮かべながら答弁するとは何事か。馬鹿にするのもいい加減にしろ」とそろそろ有権者もまともに政治に怒りをぶつけなければ、明日の日本経済はどうなるかわかりませんよ。それくらいの危機意識持ちましょうよということである。

今回AP通信が世界中に配信したという事実も重たく受け止めなければならない。私がGoogleのニュースサーチで「Nakagawa Shoich」「Drunk(酔っ払い)」というキーワードで検索をかけたら、262件の記事が引っ掛かり、西はスペイン・イギリスをはじめ、中東ではイスラエル。アジアではパキスタン。南はオーストラリアの大衆紙と、本当に恥が文字通り世界中に広まっている。

イギリスの大衆紙サン紙は、今回の騒動をあざ笑うかのような記事をインターネット版に掲げている。タイトルは、「私は酔っ払っていない。ただ風邪をひいていただけだ。」と一面中川大臣の顔と画像が大きく取り扱われている。

動画には、「お酒飲みすぎた?(too much Sake?)」との表題も・・・酔っ払いの財務大臣なんて聞いたことがないので、注目も大きいのかもしれない。

今回の酔っ払い(?)事件が、海外の国民レベルではどう受け止められているのか、今後機会があれば紹介したい。

<財務相失態>海外メディアが酷評
2月16日21時35分配信 毎日新聞

 中川昭一財務・金融担当相がろれつが回らなくなった問題について、海外メディアは中川氏の会見での様子や16日の「深酒否定」の発言などを詳しく伝えた。

 米ABCテレビは14日、インターネットの記者ブログで、「居眠り運転」との見出しを付けた記事を、眠そうに見える中川氏の会見写真3枚と一緒に掲載。「15時間の飛行による時差ぼけ解消が難しいのは分かるが、日本経済が2.5%縮小すると予想され、トヨタ、日産が何万人も解雇しようとしている状況では目が覚めるはずだ」と指弾。「刺激が足りないならイタリア伝統の目覚まし、エスプレッソがある」と皮肉った。

 英国のタイムズ紙(電子版)は16日、「世界第2の経済大国のかじ取り役が泥酔しているように見えた」と報じ、会見の模様を伝える日本のテレビからの動画映像も掲載した。

 フランスのAFP通信は16日、東京発で「(日本の)テレビは『世界経済だけでなく財務相の健康も心配』と言っている。財務相は酒豪とされる」などと伝えた。【杉尾直哉】http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090216-00000110-mai-pol 

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02/16/2009

資質を欠く総理大臣の仲間の資質を欠く財務大臣

この映像をが世界に配信されたと思うと恐ろしくなる。

最近の財務大臣の様子を見ていると、この種の失態の話が多く、アルコール中毒患者とすら思わせてしまうような醜態を見せている。仮に体調が悪いなら、会見を欠席すべきだったし、深酒や居眠り疑惑が出ることすら大臣としての資質を書いているのではないだろうか。

大事な時期に経済の重要閣僚がこれでは、日本が世界経済破綻の犠牲者になってもやむを得ない状況にまで追いやられてしまっても仕方がないかもしれない。

中川財務相 変調? G7会見でろれつ回らず
2月15日22時9分配信 毎日新聞
 【ローマ藤原章生】ローマで14日午後に閉幕した先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の記者会見の席上、中川昭一財務・金融担当相は、体調が優れないのか、時折ろれつの回らない口調がみられた。時差ぼけの影響か、疲労によるものか原因は不明だが、初めて目にしたイタリア人の政府職員からは「彼はどうしたんだ」という声が聞かれた。

 中川氏は、白川方明日銀総裁らと会見に臨んだ。中川氏は終始眠そうにまばたきを続けていたかと思うと、白川総裁に対する記者の質問に「何、もう一度言って」と割り込んだり、いきなり語調を強め「どこだ」と質問した記者の位置を確認するなど、不自然な態度が目立った。

 また「アメリカの対策も……、一応……説明を、説明を……受けましたし」と、かなり遅い口調で語る場面もあった。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090215-00000012-maip-pol

中川財務相、G7会見で“迷言”  「深酒」や「居眠り」疑惑
 【ローマ15日共同】中川昭一財務相兼金融担当相が、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後に行った14日の記者会見で、日銀の現在の政策金利を言い間違えるなど“迷言”を連発。ろれつが回らなくなったり目を閉じる場面もあったことから、外国メディアの記者らから「深酒」や「居眠り」を疑われた。

 会見で中川財務相は、「アジア開発銀行(ADB)に10億ドル(約900億円)の支援をすると約束した」と発言。しかしこれは実際にはしていない。無担保コール翌日物金利の誘導目標が0・1%程度である現行の日銀の政策金利についても、「ゼロから0・25(%)ですか。非常に低い状況になっていらっしゃる」と語った。

 財務相同行筋は「今まで見た中で一番ひどかった」とはらはらした様子だった。

 中川財務相は1月の衆院本会議でも金融危機の「渦中」を「うずちゅう」と読み間違えた。http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021501000410.html

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02/15/2009

小泉発言で山が動いた?!

一挙に政治の動きが活発になりそうである。

日本テレビの調査で、9%台なのだから、朝日新聞やテレビ朝日ではもっと低くなるかもしれない。

麻生内閣支持率1ケタ台 永田町に衝撃<2/15 19:56>

 日本テレビが13~15日に行った世論調査で、麻生内閣の支持率は9.7%と、1ケタ台に落ち込んだ。内閣支持率が1ケタ台にまで落ち込んだことで、永田町には衝撃が広がっている。

 麻生首相は、国民から「ノー」を突きつけられたと言っても過言ではない。自民党内からは「予算案が成立したら退陣してもらうしかない」との声が相次いでいる。

 支持率を聞いた自民党・細田幹事長は「大幅に下がったねえ」と驚きを隠せない様子だった。河村官房長官は「小泉発言がそのまま結果に出たのかな」と話している。また、閣僚の一人は「打つ手がない」と嘆き、麻生首相の側近も「どうしようもない。ばん回は難しい」と語っている。ある公明党議員は「予算成立後も居座るのは国民が許さない」と突き放している。民主党・鳩山幹事長は、麻生首相の退陣を求めた。

 一方、麻生首相は、予算成立後に新たな経済対策を打ち出してばん回の機会をうかがう考え。「ポスト麻生」に有力な名前が挙がってこないことが、麻生首相の唯一のよりどころとなっているとはいえ、「麻生首相では選挙で戦えない」という声は大勢になってきており、麻生首相はいよいよギリギリまで追いつめられた。http://www.ntv.co.jp/news/129169.html

内閣支持率、10%切る=日テレ調査
2月15日22時31分配信 時事通信

 日本テレビが15日明らかにした世論調査結果によると、麻生内閣の支持率は9.7%に落ち込んだ。郵政民営化をめぐる麻生太郎首相の一連の発言もあり、支持率は低下傾向が続いているが、主要な報道機関の調査で10%台を切ったのは初めて。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090215-00000066-jij-pol 

そして、これに呼応するかのような小沢氏の発言。なかなかまともなことを言っているなと感じる。

オタクに人気とかいって、一番選んではいけない人物を選んだ自民党議員の責任はとても大きいと思う。いつまでも居座り続けようとするアンポンタンをどうやって引きずりおろすのかが今後の選挙で、自民党が政党として(もはや与党なんておこがましい状況ではなかろうか)生き残れるか最大のポイントだろう。

09年度補正「不見識で非常識」=小沢民主代表
2月15日17時58分配信 時事通信

 民主党の小沢一郎代表は15日、和歌山市内で記者団に対し、政府・与党内で浮上している2009年度補正予算案の編成について「非常に不見識で、非常識な判断だ。それならば(09年度)予算案を組み替えるなり、修正するなりしてやればいい」と厳しく批判した。
 小沢氏は「今(審議中)の予算案は欠陥予算で、経済対策にも効果がないと自分で認めているようなものだ。本当におかしな、筋道の通らないことだ」と語った。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090215-00000042-jij-pol 

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民意を聞こうとしない自民党の古株議員とそれを選ぶ民度の低い有権者

小泉発言を活かそうとするならともかく、自分たちでそのチャンスを潰すのだから、今の自民党は全く空気を読めないというか、世論を読めていない無駄な議員ばかりだということだろう。

定額給付金なんかもらいたいと思って待っている人間は2割程度で、8割近くの人間はくれるというならもらうが、馬鹿な金の使い方しやがってと思っているに違いない。これが民度の高い国民性からくる帰結のはずである。

それにしても、現在の麻生政権で、自分の思うようにやれる反対勢力だった親玉たちが小泉発言を受けて右往左往している様は、滑稽であると同時に、そういう政治家が長年選ばれているという事実に他方で呆れかえってしまう。

例えば、「うるさい。どけ」という暴言をメディアに向ける首相経験者は政治家としての資質を欠くにもかかわらず、引退表明もしなければ、未だに選ばれ続けている。

阿呆太郎やAsshole(穴)と揶揄される麻生太郎首相を支え続けようとする既得権益の塊みたいな議員の選挙区民は、その選挙区の民度が問われていると思って、しっかりした投票行動に出ることが期待される。

最近は、アメリカで発生した不況が、日本を犠牲にすることで世界経済が回復するというようなシャレにならない事態も生じかねない危惧すら感じる。

野党ももう少ししっかりしてほしい。一日も早く安定した政権をつくるためにも、民主党の管直人氏もそろそろ何でも批判するみたいな万年野党の姿勢を改めてほしいものである。小泉発言を受けても、もうすこしドッっと構えて共産党みたいな批判は慎むべきだろう。静観するのも君子の資質ではなかろうか。

<小泉発言>町村信孝氏も批判 「場違いなタイミング」
2月14日20時4分配信 毎日新聞

 自民党町村派会長の町村信孝前官房長官は14日、北海道江別市で記者団に対し、小泉純一郎元首相の発言について「国会情勢が分かっていないから、場違いなタイミングで発言してしまったのではないか」と批判した。これに先立つ会合では「小泉さんが言ったからといって以前賛成したものに反対する議員はいない。方々手を打っている」と述べ、再可決の際に与党からの造反はほとんどないとの見方を示した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090214-00000062-mai-pol

古賀選対委員長「足引っ張るのは慎むべき」小泉発言に苦言
2月14日20時9分配信 読売新聞

 自民党の古賀選挙対策委員長は14日、福岡市内で記者団に「首相まで経験した方が、政局で足を引っ張ることは慎むべきだ」と述べ、麻生首相を批判した小泉元首相をけん制した。

 これに先立ち、古賀氏は党福岡県連大会で、「(経済の)未曽有の危機は麻生政権、麻生首相しか切り開くことはできない。結束して麻生政権を支えなければいけない」と強調。太田誠一前農相は「首相をやった人は、(首相を)辞めたらさっさと政界を去るべきだ。政局についてとやかく言うことはタブーだ」と小泉氏を批判した。

 一方、山崎拓前副総裁は同市内で記者団に、小泉氏が定額給付金の財源確保のための法案に異議を唱えたことに関し、「(小泉氏が)反対ということは100%ないと思う。(採決に)欠席などはあり得るが、大勢に影響しないので(法案は)成立する」と語り、党内で造反の動きは広がらないとの見方を示した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090214-00000052-yom-pol

小泉発言は「叱咤激励」=給付金問題では反発も-各閣僚
2月13日12時25分配信 時事通信

 小泉純一郎元首相が麻生太郎首相の郵政民営化に関する発言を批判したことについて、各閣僚からは13日午前の記者会見で、「叱咤(しった)激励だ」(河村建夫官房長官)などと、謙虚に受け止めるべきだとする意見が相次いだ。一方で、小泉氏が定額給付金の衆院再議決に異議を唱えたことには反発する声が目立った。
 河村長官は「厳しいおきゅうを据えられた」とした上で、「しつけをするとき、殺す気で殴る親はいない」と述べ、小泉氏の首相批判は「親心」との見方を披露。「拳々服膺(ふくよう)しながら難局を乗り切るのが首相の使命だ」と語った。
 甘利明行政改革担当相は「真摯(しんし)に受け止め、誤解なきよう取り組んでいくことだ」と指摘。二階俊博経済産業相は「群を抜いて存在感と影響力を持つ政治家だ。小泉氏の言うことには慎重に、謙虚に耳を傾ける態度が必要だ」と述べた。
 定額給付金に関する小泉氏の発言に対して、首相に近い中川昭一財務相は「いったん(小泉氏も)賛成し、党で決定したものを今ごろ反対だと、首相までされた方が言うのは理解に苦しむ」と批判。野田聖子消費者行政担当相は「最初の採決の時に言ってほしかった」と苦言を呈し、金子一義国土交通相も「一歩踏み込み過ぎた」と強調した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090213-00000075-jij-pol

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02/14/2009

メディアに登場する弁護士の敗訴

テレビに出ている弁護士が、良い弁護士かどうかはわからないということだろう。

読売新聞の記事によれば、石丸弁護士側は、判決を受けて、「裁判所は破産法が分かっていない」と法廷外で主張しているようだが、2年も放置したのが、正当化される理由をどういう解釈で主張したのか気になるところである。

裁判所のどの条文の、どの文言につて、どういう解釈が間違っていると言っているのか否かをメディア関係者もキチンと報じてほしいものである。もしそうした説明がないのなら、裁判所への理不尽な批判かどうか読者自身が判断できるであろう。

なお、私見ではあるが、今回の裁判所の判断は妥当だと思う。

ところで、最近、多くの法曹関係者がテレビや雑誌、本など積極的に発言をしているが、そういう人が法曹として優秀かどうかというのはまた別の話なので、依頼するときはどういう弁護士がその法律分野で、専門的な論文や記事を書いているのかなども考慮したほうがいいかもしれない。

特に違和感を感じるのは、再任拒否をされた裁判官が書いている本を出版社が、「裁判官の視点」と大々的に宣伝したりしていることである。再任拒否されることは珍しいわけで、その人の言うことが全面的に真実だとは言い難い。

読者や一般国民は、医者とか弁護士とか裁判官とかいわゆる専門家がいうことだから正しいという視点は捨てて、懐疑的にみる視点が重要だと思う。また、メディアも安易に弁護士だからとか、自分たちの意に沿うコメントをしてくれるからということで、かかる専門家をコメンテーターとしているとすれば、自分たちの影響力に責任を取っているとは言えない。

メディアに出ている専門家=正しい指摘をしていると捉えがちな傾向は我が国の国民性に象徴されているのであり、それを踏まえた上でのメディア自身による自己規律が必要だと思う。

なお、何度もいうが、私がテレビなどを見ていて、なるほど発言内容が正確で信頼できるなと思う法曹関係者のコメンテーターは、オウム事件など公益活動を多く手がける紀藤弁護士や、日本テレビのコメンテーターを務める河上和雄先生くらいである。後者は刑事事件に対する解説は明快適確なものが多いし、司会者の意に沿わないコメントでも毅然とした姿勢で、自己の見解を言われるところは、勉強になる。

<「行列」出演弁護士事務所>依頼放置で賠償命令 東京地裁
2月13日22時9分配信 毎日新聞

 東京都内の衣料品卸会社から依頼された自己破産の申し立てを2年間放置し会社の財産が失われたとして、同社の破産管財人が、弁護士法人アディーレ法律事務所(東京都豊島区)に約496万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(針塚遵裁判官)は13日、全額の支払いを命じた。同事務所側は控訴した。

 判決によると、同事務所は会社から依頼を受けた約2年後の07年12月、破産手続き開始を東京地裁に申し立てた。この間、会社から預金通帳を預からなかったため、役員の報酬などで約1017万円が出金され残高は約6万円になった。針塚裁判官は「速やかに破産を申し立て、管財人に引き継ぐまで財産が散逸しない措置が求められた」と述べ、重大な過失があったと認定した。

 事務所代表の石丸幸人弁護士はテレビ番組「行列のできる法律相談所」への出演などで知られる。「破産法の運用を十分に理解していない裁判官による極めて不合理な判断で、到底許容できない」とのコメントを出した。【銭場裕司】

 ▽管財人の佃克彦弁護士の話 当然の判決。受任から数カ月で破産を申し立てるのが普通で、資産が散逸した例は珍しい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090213-00000147-mai-soci

なお、紀藤弁護士もブログでこの事件について、ご自身の見解を示されている。かなり鋭い御指摘をされており、気骨ある方だと感じる。

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02/11/2009

チェンジって・・・

コネタマ参加中: あなたが“チェンジ!”したいものは何?

Answer:「何の疑問も持たずに、無批判にオバマ大統領素晴らしいと考える人々。」

アメリカ政治を学んだことがある者として、そんなにアメリカ大統領は美化されるべき存在ではないし、ましてやオバマ大統領なんて中身がなく、不安定なリーダーであるということをこのブログを通じて伝えたい。

まあ、芸能人などのブログではないので、影響力はないのであるが・・・笑

何事にも懐疑的に自問自答する姿勢がなければ、人間としても成長できない気がする。

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02/10/2009

若者の安定志向に起因する問題

不景気になると安定志向が強くなるといわれるが、それを一番敏感につかみ取るのが新卒採用を控える就職活動生だろう。

この記事もそれを如実に表すものである。

ただ、仕方がない傾向だとしても、「本当に安定を最優先事項にしていいのか?」と一抹の疑念を投げかけたくなる。

終身雇用が前提の社会システムの中で、安定性が重視されるのは仕方がないかもしれない。しかし、若者にとって本当に安定性がモチベーション維持につながるのかという点に疑問を感じてしまうわけである。

最近の離職率は若い世代を中心にとても高い。これは氷河期になればなるほど、とにかく就職先を見つけようとするあせりもあるし、会社側も優秀な人材を見つけようと本音を語らずに採用活動をすることに起因して、ミスマッチが生じているように感じる。

もちろん、どの会社も、「うちは給料が安いし、職場環境も良くないよ」なんてPRするところはないだろうが、こんなこともできる、あんなこともできると理想で塗り固めるのも良くない気がする。

氷河期でなければ、学生が2,3個の内々定を留保しつつ、若者が主導権を握り、最終的に選ぶことで、ミスマッチの可能性が減るのだが、氷河期が続けば続くほど、この若者の離職率は高まるだろう。

個人的な感想ではあるが、近年離職している人々は、2002年~2004年の氷河期世代が多い。この世代の多くが、当初の職場のイメージと就職後の現実にギャップを感じた人が多いようである。

それに比べ、2005年から昨年までの就職市場は雪解けと売り手市場にあった。この時期に就職した人については、ミスマッチにより離職を考えている人はその前の時代よりも少ないという印象を個人的には感じている。

ただ、どうしても若者が不満を持ってしまう職場が現在の日本には多々あるようだ。

養老孟司氏が『逆さメガネ』という本で日本について以下のように評している。

若者に城を明け渡さない。さっさと若者に任せればいいことを、相変わらず年寄りがやってますな。とくに日本の世間は極端です。私のように六十歳を超えた教授なんか、もう定年で当然です。とうにそう思ってましたから、東大も早く辞めました。若い人の邪魔はしたくない。

それでも年寄りが頑張って、行先暗いなんて、日本中で思っています。そりゃ、暗いに決まってます。年寄りは、あとはお墓に入るだけです。墓穴は真っ暗ですからな。大切なことを、そういう人に任せてるんですから。

なるほど、反骨精神のある若者が牙を抜かれ、既得権を打破しようというよりは、寄らば大樹のかげと安定志向に転じて、既得権を持つ老舗にすがろうとし、結果として日本が疲弊していくわけである。

こうした若者の動向を、国会や公官庁、企業、および法曹界にはびこっている墓穴に片足をつっこんでいる年寄り達はどう考えているのだろうか。

今日は、毒舌が過ぎるのでこの辺で・・・本の紹介をして終わらせよう。養老先生の最新本がでるらしい、「先が読めない人生を選んだ著者の、先を読まずに本質を突く時評。2002年から08年までの政治、社会、経済、スポーツ等を論じる。」との解説があった。安定志向になってしまっている若い世代には特に読むべき本かもしれない。

大学生が働いてみたい業界――女性は「放送・出版・新聞」、男性は?
2月9日15時6分配信 Business Media 誠

2010年春に卒業する大学生の就職活動が激化しているようだが、現在大学2、3年生はどの業界で働いてみたいと考えているのだろうか。最も多かったのは「放送・出版・新聞」で27%、次いで「旅客(鉄道・航空)」(21%)、「銀行」(20%)であることが、C-NEWS編集部の調査で分かった。

 男女別で見ると、男性は「銀行」がトップで26%、次いで「通信・IT」(24%)、「旅客(鉄道・航空)」(22%)、女性は「放送・出版・新聞」(37%)、「広告」「化粧品・トイレタリー」(いずれも27%)という結果に。

 現在、すでに「応募や面接など行動を起こしている」という大学3年生は46%、「情報収集を始めている」の23%を合わせると、約7割が就職先の検討を始めていることが分かった。また大学2年生で「情報収集を始めている」と答えたのは21%で、5人に1人は就職活動を始めているようだ。

 インターネットによる調査で、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に在住する4年制大学2年生または3年生の男女400人が回答した。調査期間は1月23日から1月27日まで。

●銀行に求める理想のイメージ

 働いてみたい業界で男子学生のトップは「銀行」だったが、実際にはどこの銀行を利用しているのだろうか。全体で最も多かったのは「ゆうちょ銀行」で64%、次いで「イーバンク銀行」(47%)、「東京三菱UFJ銀行」(45%)、「みずほ銀行」(33%)、「三井住友銀行」(28%)と続いた。また今後利用したい銀行を尋ねると、トップは「ゆうちょ銀行」で41%。以下「東京三菱UFJ銀行」(35%)、「イーバンク銀行」(32%)、「みずほ銀行」(28%)、「三井住友銀行」(26%)などとなった。

 「利用している」と「利用したい」、ともに「ゆうちょ銀行」が1位だったほか、メガバンクが上位にランクイン。ネット銀行では「イーバンク銀行」の利用者が多いことがうかがえた。

 さらに「銀行」に求める理想のイメージを聞いたところ、「信頼できる」「安定性がある」「誠実である」といった回答が目立った。逆に「派手な感じがする」「カッコいい」「ボランティアや文化活動に積極的である」などの答えは少なかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000057-zdn_mkt-bus_all

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02/09/2009

法曹人口増加と既得権保護

人事院が公務員の既得権を守ろうとするように、日弁連も弁護士の既得権保護に必死である。

質の悪い法曹が多いなら、懲戒処分で退場させればよい。何度も懲戒されても、処分内容が甘いために非行を繰り返す弁護士を放置しておいて、パイが減るから(質の悪い)新人を減らせというのでは、渡りという天下りがなければ良い人材は得られないという公務員の論理と究極的には同じではなだろうか。

法曹人口が少ないことへのしわ寄せは国民にくる。泣き寝入りしなきゃいけない状況に追い込まれる国民がいることは忘れるべきではないだろう。

それこそ、主婦の弁護士とか、非正規社員の弁護士とかでてきて、片手間に公益活動をやる弁護士がいてもいいのではないだろうか。

そして、病院に行くのと同じような感覚で弁護士に相談に行ける雰囲気があってもいいのではないだろうか。

就職活動が厳しいのは一般の学生も同じなのだから、弁護士だけ100%就職しなけりゃならないなんてのは、「私たちは資格のある弁護士だ」というエゴそのものだろう。

資格を持っていても、人間性に劣る人や他に特技が無い人間は弁護士であっても就職できない。これはごく当たり前のことである。

それに、インハウス(企業内弁護士)も他の諸外国に比べれば少ない。普通の会社員で、弁護士資格を持っているだけという人が増えて不都合があるのは、既存の弁護士だけで、会社や法務部では下手に多額の顧問料を払うより、自前の社員に処理してもらうほうが安心ということもあるだろう。

実際に、弁護士であっても会社員として同じ待遇で働いている人もいるし、諸外国はそれが当たり前の状況にある。

「増えたら弁護士の収入が減る」などというそれこそ浅ましい考えで、時代の流れに異議を唱えるのであれば、日弁連=単なる既得権保護団体と思われても仕方ないかもしれない。

今は公務員がやり玉に挙がっているが、日本経済全体が疲弊する中で、倒産処理すら金脈である弁護士に対して、今後批判がなされないとは考えにくい。

医者は非常識という総理大臣の発言があったが、そのうち、日弁連や日本の弁護士や親方日の丸の象徴として批判され、弁護士の常識は国民の非常識と揶揄される時代が来ることが懸念される。

増員、数年は抑制を」現状と同水準、日弁連提案へ

司法試験の合格者を2010年までに年間3千人にする政府の計画について、日本弁護士連合会(宮崎誠会長)が、09年以降の数年間は現状の合格者数と同水準(2100~2200人程度)に抑えるよう求める提言の原案をまとめた。組織内の了承を経て今年度内に最終決定する。

 「3千人計画」をめぐり、具体的な数に言及した見直し案が法曹三者の中から示されるのは初めて。見直しは鳩山元法相時代に法務省内でも検討されたが、内閣改造などで事実上棚上げの状態。日弁連は提言をもとに計画変更を求める方針で、見直し論議が再び動き出すかが焦点となる。

 合格者数は以前は500人程度だったが、07年は新旧試験を合わせて2099人、08年は同2209人と計画に従って段階的に増えている。一方で、弁護士の「就職難」が表面化。「法曹の質の低下」を懸念する声もある。

 原案は、日弁連会長の諮問機関「法曹人口問題検討会議」がまとめた意見書をもとに策定した。意見書は、法科大学院の「教育の質」が問題となっていることや、企業や市民の弁護士利用が増えていない現状を挙げ、「3千人という数値目標にこだわるのは不適切」と指摘した。

 このため、原案は「法科大学院の改革や修習のあり方を含めた法曹養成制度全体の改善が必要」とし、現時点では合格者数をこれ以上増やさないことを求める内容となった。その後は、法曹養成の成熟度や社会の変化を見ながら改めて判断するとしている。

 日弁連は、計画通りのペースで進むと、政府が想定する法曹の総人口「5万人規模」には2016年に達すると試算。今回の見直し案では、「5万人」の目標は維持し、現状の合格者数も減らさない姿勢を示すことで、国民の理解を得たい考えだ。09年から合格者数を現状程度に据え置いたままでも、4年遅れの20年には5万人に到達するとみている。(延与光貞)

http://www.asahi.com/national/update/0207/TKY200902070239.html

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02/08/2009

内定取消をした会社が破綻

日本総合地所が会社更生法の適用を受けた。

都内に住んでいる人はよく見かけたと思うが、この企業のよくマンション販売のチラシが郵便ポストに入っていたことが思い出される。

内定取消の学生に対する補償金はすでに支払われているということなので、最後に上場企業としての最低限のモラルは示せたようだ。

ただ、私はこの企業の従来からの対応には強い疑問を感じている。この時期に会社更生法の適用を申請しなければならない状況にまで追い込まれていたのであれば、なぜもっと早い段階で採用を取りやめるとか、内々定を取り消すなどの措置ができなかったのだろうか。

いくら景気が急速に冷え込んだとしても、負債総額が2000億近くあり、昨年8月には同業者であるアーバインコーポレーションの倒産が明らかになっている以上、その時点で何らかの手は打てたはずではなかろうか。

以前の記事に書いたことがあるが、日本社会はどうしても、「新卒者の価値」を過大評価する。そのような状況にあることは、社長をはじめ人事部も知っていたはずだろう。安易な採用継続がどれほどの学生の悲劇を招くのか肝に銘じてほしいと思う。

他方、会社再生法の適用を申請した、札幌の丸井今井の方は、すでに内定を出している学生は予定通り採用するということである。自主再建を断念した点では、日本総合地所も丸井今井も共通するが、内定者への対応は大きく分かれたようである。

この時期になって破たんの知らせを聞かされた丸井今井の内定者の立場に立ったら、「もっと早くに教えてほしかった」など色々な不満はあるだろうが、少なくともこの時期に至ってから内定取消という暴挙に出なかったことだけは評価したい。

そして、内定取消の被害にあった人は、ぜひこの過去の記事を参考に、泣き寝入りせずにしかるべき対応を検討してもらいたいと切に願う。

なお、この記事で、「内定取消の問題が直接の原因ではない」とご丁寧に説明してくれている。この指摘がなければ、内定取消のせいだとでも読者が思うと懸念したのだろうか。53人に100万円だから、せいぜい5300万円の賠償金。こんなことで会社が倒産したと誤解する人がいたら、計算ができない人かよっぽどのおっちょこちょいだろう。

日本綜合地所が破綻 負債総額1970億円 今年最大
2月6日8時5分配信 産経新聞

 採用内定の取り消しが問題となったマンション分譲大手で東証1部上場の日本綜合地所は5日、会社更生手続きを東京地裁に申し立て、受理されたと発表した。負債総額は約1970億円。上場企業の倒産は今年6件目で、負債総額は最大となる。マンション販売の不振や金融危機の影響で資金繰りに行き詰まり、自力再建を断念した。東証は3月6日付で同社の株式を上場廃止にする。

 同社は「ヴェレーナ」のブランドで首都圏を中心に分譲マンションを展開。欧州風の外観などで人気を集め、平成19年にはマンション供給戸数で首都圏2位、全国6位にランクインするまでに成長。20年3月期決算では過去最高益を達成していた。

 しかし、景気の冷え込みによる販売不振で業績が悪化。昨年11月には社債の償還資金の調達が難しくなり、この時は銀行に担保を差し入れて融資を受け、何とか乗り切ったが、その後、銀行などの融資姿勢が一段と厳しくなったという。この結果、2月上旬に期限が来る建築代金の支払いが不可能になり、更生法申請を余儀なくされた。

 同社は昨年11月に業績悪化を理由に採用内定者53人の取り消しを決定。その後、批判が高まったことなどを受け、12月に1人当たり100万円の補償金を支払うことを決めた。

 5日記者会見した西丸誠社長は「金融情勢の変化は想像以上だった」と述べた。同社によると、補償金の支払いはすでに済んでいるという。また、内定取り消し問題が倒産の直接の原因ではないとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000085-san-soci

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02/07/2009

鬱と過失相殺の話

現代社会では、ストレスが多く、鬱になるひとが増えている。ニュースなどで過労により鬱になり、自殺に追い込まれたというケースを耳にすることも多いだろう。

この場合、会社に対する民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求や415条に基づく使用者に対する安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求という形で訴訟が提起されることが多いと思う。

そこで、よく争点になるのが、鬱にかかるのは被害者の心理的素因によるものであって、これにつき、722条2項の「被害者の過失」による損害額相殺を類推適用して認めるべきという話である。

これにつき判例は、およそ、結果の発生(自殺)に寄与した被害者の素因については、722条2項の趣旨が損害額の算定において被害者側の事情を考慮することで、損害の公平な分担を図る趣旨にあることからすると、相殺の対象とすべきとする。

しかし、素因が身体的特徴や通常想定される個々人の性格の範囲内であれば、過失相殺の対象とはならないと判断している。

つまり、個々人の差異というのは当然予定されているから、通常想定しがたいというような特段の事情が無い限り、被害者の性格を問題視して、そこに「過失」があるというような判断はしないということである。

暗い話題ばかりが多く、労働者にとっては締め付けがあったりして、精神的バランスを崩す人も多いだろうが、それが職場環境に起因していれば、賠償に対象にもなる。不景気だからと言って、そういう人を狙い撃ちにするような整理解雇もまた違法という判断になるだろう。

こういうときこそ、企業家はコンプライアンス精神にのっとった判断をしてほしいものである。

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02/06/2009

不景気に対する航空業界の対応

全日空は、賃金の一割カットを労組に申し入れたという。

これに対し、日本航空は、かなり前から賃金カットを役員自ら行うとともに、従業員が無給のリフレッシュ休暇を取れるようにすることで、対応している。

これに加え、日航は面白い手法に出ている。内部留保金を切り崩して、配当をするらしい。西松遥社長は元々財務畑なので、株主に対する配当を重視する姿勢はとても評価できると思う。株主から経営の委任を受けている取締役としての一番重要な姿勢であろう。

さらに、同社長は以前CNNでも取り上げられたように、自ら社員食堂で平社員と同じ場で食事をしているなど、当たり前のことを当たり前にできる資質のある経営者だと思う。

こういう人がJALの社長であるということは、同社の再建に力強さを感じるわけである。

JALに対してはANAの大株主である朝日新聞が常に批判的に取り上げるので、良くも悪くも情報が入ってくるが、ANAの経営状況はいま一つどうなっているのか見えてこない。

アメリカのメディアに取り上げられるくらいの風通しの良さを確保しなければ、ANAが経営危機に陥るのも時間の問題かもしれない。

日航 優先株配当実施へ 信用力確保
2月6日8時5分配信 産経新聞

 日本航空は5日、昨年の増資で発行した優先株について、平成21年3月期末に総額約60億円の配当を実施する方針を固めた。世界的な景気後退に伴う航空需要減で同社の今期の連結最終損益は赤字に転落する可能性が高いが、利益剰余金などを取り崩して配当に充てる見通しだ。

 融資の意味合いが強い第三者割当増資で初年度から無配とした場合、信用不安につながる恐れがあると判断。また、優先株を保有する銀行などの融資姿勢も厳しくなりかねない。このため、配当を実施して信用力を確保し、自主再建路線を維持する構えだ。

 日航は昨年3月、銀行や商社など15社を引受先に優先株を発行する第三者割当増資を実施。総額約1500億円を調達し、自己資本比率を20%超に高めるなど経営基盤を強化した。

 しかし、昨年9月以降の世界同時不況で国内外の航空需要が急速に低下して旅客、貨物ともに輸送量が激減しており、業績悪化は避けられない情勢となっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000053-san-ind

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02/05/2009

漢字を読めない首相と不正確な言葉を使うマスメディア

既存のメディアは麻生総理の漢字が読めないことを馬鹿にして批判しているが、この記事では、安楽死と尊厳死の違いすらわからないようである。

安楽死というのは、激烈な肉体的苦痛の緩和・除去が目的であり、尊厳死とは生命維持治療を断念・中止することである。

この事案は、尊厳死の事案であって、安楽死とは言えない。最近ではこうした言葉の峻別がなされず、同義的に使われてしまっているが、言葉で物事を伝えるメディアとしては、言葉の意味をしっかり捉えて伝えなければ、その信頼はどんどん落ちるのではないだろうか。

我が国では、安楽死については、一定の要件のもとに、違法性阻却事由とするという方向にあるが、未だ判例は出ておらず、裁判例にとどまっているので議論の余地があろう。

なお、尊厳死についてまでは認める方向には至っていない。

17年間意識不明の女性、安楽死実施へ イタリア
2月4日17時15分配信 CNN.co.jp

(CNN) イタリアで17年近く昏睡状態にある女性が裁判で争った末に安楽死を認められ、栄養補給チューブを外してもらうために3日、北部ウディネの民間医院に転院した。

この女性、エルアナ・エングラロさんは20歳だった1992年、自動車事故で脳に回復不可能な損傷を負って昏睡状態に陥り、父のベッピーノさんが娘の尊厳死を求めて裁判を起こしていた。

ベッピーノさんによると、エルアナさんは交通事故に遭う以前、意識不明になった友人を見舞い、もし自分に同じことが起きたらこんな状態で生かされたくないと話していたという。

イタリアでは法律で安楽死が禁じられているが、家族が治療を拒否する権利は認められている。ベッピーノさんはこれを根拠に、治療を拒否することによる安楽死は認められるべきだと主張していた。

長年にわたる争いの末にイタリアの最高裁は昨年11月、下級審の判断を支持し、治療打ち切りを認める判決を言い渡した。

しかし実際に栄養補給チューブを外してくれる病院探しは難航。当初複数の病院が受け入れる姿勢を示したが、厚生省の圧力を受けて引き下がった。

最終的に、ウディネにある民間医院が受け入れることになり、エルアナさんは2日夜、これまで入院していたミラノ北部の病院を出て、救急車でウディネの医院に搬送された。

カトリック信者が多いイタリアではエルアナさんの安楽死をめぐって大きな論争が起きており、抗議グループがエルアナさんの乗った救急車を妨害しようとする騒ぎもあった。

ウディネの医院は判決で定められた条件に従って約3日以内に栄養補給チューブを外し、エルアナさんは約20日で死に至る見通しだという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090204-00000014-cnn-int

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オバマ大統領の失敗―小泉元総理と同じなのは偶然か

以前、オバマ大統領と小泉元総理の共通する問題点を指摘した。

まさにこのニュースもその一例ではないだろうか。同じ扇動政治家的要素のある2人は、パフォーマンスには長けているが、やはり詰めの甘さがあるような気がする。

小泉元総理は、年金未納で、人生いろいろ発言をしていた。オバマ大統領も一旦は擁護したようだが、しきれなかったようだ。

オバマ大統領の政治と金にまつわる人材の選択失敗は既に、リチャードソンニューメキシコ州知事の件もあり、2回目。

出だしの人材の選別に問題がある以上、オバマ政権は今後さらなる問題(不祥事を含め)を抱えることが予測される。

ダシュル氏、厚生長官指名を辞退=納税漏れで引責、米政権に打撃
2月4日6時13分配信 時事通信

 【ワシントン3日時事】オバマ米政権の厚生長官に指名されていたトム・ダシュル元民主党上院院内総務(61)は3日、過去の納税漏れの責任を取って指名を辞退した。同政権ではこのところ閣僚や高官の納税問題が相次いで表面化。内政の懸案である医療保険制度改革の推進役として起用した大物が指名辞退に追い込まれたことは、政権にとって大きな打撃となった。
 ダシュル氏は上院議員落選後の2005年から07年にかけ、コンサルタント収入などに絡み約12万8200ドル(約1150万円)の納税漏れがあった。同氏は追徴課税に応じ、オバマ大統領も2日まで擁護する姿勢を示していたが、上院の指名承認審議が紛糾する可能性が強まり、景気対策法案の審議にも影響を及ぼしかねないことから、指名辞退で収拾を図った。
 大統領は3日のテレビインタビューで「ダシュル氏は間違いを犯したし、わたしもへまをした。責任はわたしが負う」と述べ、任命責任を全面的に認めた。その上で「失敗を教訓に前進していく」と医療保険改革実現への決意を示した。ダシュル氏も「厚生長官は、議会や国民から完全な信頼が得られる指導者が務めなければならない。わたしは任に堪えない」との声明を出した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090204-00000014-jij-int

この本、まだ読んでいないが、暇があったら目を通してみたいとは思った。世界全体が、無批判にオバマ大統領を好意的にとらえようとする中、1つの警鐘を鳴らす本として貴重な気がする。私自身、くだらない9・11陰謀説などの話は好きになれないが、オバマ大統領を選出するアメリカの衆愚性やそれが素晴らしいこととしかとらえられない日本の無知には言いたいことがたくさんある。この本がオバマ大統領に熱狂する人々が自ら疑問を持てるきっかけになればいいかもしれない。

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02/03/2009

民法改正って本当に必要なのか?

民法の債権法部分を改正しようという動きがある。

本来、こうした法改正をする場合は、法務省や官邸で審議会ができるはずだが、なぜか商事法務という社団法人が主体になっている。

しかも、構成員のほとんどが民法学者である。その改正の理念については、一般人にもわかりやすい民法と作るということらしい。あるところの話によれば、現在の民法の1044条から、数千条にまでしようということらしい。

民法の会社法化?という気がしてならない。

ただ、本当にそこまでする必要があるのだろうか。一般人にわかりやすい民法というが、なぜ国会議員による監視や関与を避けるかのように私的団体を装いながら、委員会と名乗り、かつ、構成員のほとんどが学者で占めているのか非常に疑問が多い。

ある種の権威主義の匂いすらする。つまり、会社法の改正は、官僚主導でやられてしまい、立法者意思が重視され、学者が入り込める余地がなく、会社法学者の権威は落ちて、痛い目を見たので、民法はそうさせまいというような意識で、改正を考えているのではないだろうかとふと疑問に思ってしまう。

民法がなぜ抜本的に改正されずに、判例の解釈や、一部の改正、特別法による対処で今まで来ているのかという歴史的重みをもう少し考えた方が良いのではないだろうか。

なにより、法学者のみでこうした議論が進んでいるあたりが恐ろしさを感じる。民法の運用に直接かかわっている実務家が関与しなければいけないはずである。

それこそ、事件は学者の机上の自己満足の範囲で生じているのではなく、現場で起こっているのであり、現場から改正の声が強くなっているのであれば格別、そうでないのであれば、そもそも議論の必要性すら危うい気がしてならない。

裁判員制度が施行されようとして、初めて世間は騒ぎだす。民法が学者に勝手に改正されてから騒ぎ出してももう遅いということを肝に銘じてこうした動きに注視すべきであろう。

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02/01/2009

気合いを入れる曲

昨日は体調が優れませんでした。どうも金曜の夜や土曜日に疲れがドッと出てしまい、土曜日を無駄に過ごしてしまうことが最近多いです。

インフルエンザもはやっているようなので気を付けないといけません。

コネタマ参加中: 聴くと気合が入る曲を教えて!

ところで、ココログでは、こうやってブログのネタを提供してくれるサービスがあるようで、いつもはあまりこのブログに馴染むトピックが少ないのでほとんど利用していませんが、まさしく気合いを入れないといけないなと思っていたところにこのトピックがあったので、記事を書くことにしました。

昨日のように体調がすぐれないときに気合いを入れないといけない!という時、私が必ず聞く曲があります。

それは・・・・

カーリー・サイモンのLet The River Runです。知っているでしょうか?

映画ワーキングガールの主題歌として使われた曲で、この曲を聴くと、80年代のアメリカの良き時代を思い出します。

といっても、私がアメリカで生活していたのは、2000年からなので、80年代のアメリカを経験しているというわけではないんですが、当時はNYに行くたびに、この音楽が頭の中を駆け巡ることがありました。

アメリカのエネルギッシュさが伝わってくるリズムで、気合いを入れるのにはもってこいの曲です。

ただ、日本ではこの映画よりも、ドラマ「ホテル」の挿入歌としてもイメージが強いかもしれません。私個人は、やっぱりワーキングガールの曲だよ!と思うのですが・・・

このアマゾンにあるアルバムの15番目の曲です。おそらくYoutubeでも視聴できるとおもうので、Let the River Runをぜひ一度聞いてみてください。

なお、もう1つ気合いを入れるのに良い曲があります。

それは、ミュージカル「Les Miserables」の曲で、「Do you hear the people sing?」と、「One Day More」という曲です。

アメリカの大学では、歌や楽器のレッスンを受けることができるのですが、その時に、歌のレッスンを受講していました。そこで、これらのミュージカル音楽を知ったのですが、とても迫力のある曲で気に入っています。

また、Les Miserables自体が革命時期のフランスを描いた作品で、人間のあり方などを考えさせられるVictor Hugoの傑作であるため、その世界観に引き込まれます。

余談ですが、その話の中に、法の順守を徹底しようとするJavertという捜査官(Inspector)が登場するのですが、ある意味、法の支配と法治主義の在り方を考えさせてくれるキャラクターで深い話だといつも思います。

上記2つの曲は以下のCDの収録されています。よければ聞いてみてください。歴代のミュージカルキャストで一番上手な人を選んで10周年の記念コンサートを1996年にやった時の曲です。このミュージカルができて、もう23年が経つんですね。

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