裁判員制度がはじまるので・・・(アメリカの裁判テレビ番組の話を再掲)
最近忙しくて、更新を怠り気味であった。
色々発信したいことはあるのではあるが、また別の機会に。
以前に紹介した記事の再掲で申し訳ないが、新しいこのブログのファンのためにも面白い記事だったので再度掲載する。
裁判員制度がはじまるので、今後日本で起こることを考える参考に良いかもしれない。
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アメリカにいたことのある人や、ケーブルテレビ等でアメリカの番組を見ている人の中には、Judge Judyという番組を見たことのある人はいないだろうか。
この番組は、Judy裁判官という番組名の通り、ジュディス・シードリン(Judith Sheindlin)という女性が裁判官の法衣をまとった格好で、法廷のセットで、裁判長のようにふるまい、実際の事件の当事者が原告・被告に別れて、それぞれの主張を言い合い、リードリン"判事"が"判決"を下すというものである。実際には、これは仲裁という形式で、少額訴訟に限って、シードリン氏を仲裁人として、当事者が仲裁合意をした上で行われるものであり、本当の裁判ではない。
しかし、私が見ていた限り、出演している当事者も、視聴者も、仲裁だということを意識していないかもしれない。 なぜなら、当事者は「裁判長(your honor)」と同氏を呼び、また、仲裁合意について、一度話が出た際も当事者は、「良くわからない」と言っており、さながら、テレビ中継されている裁判所にいるつもりで出てきているような人もいるためである。
仲裁は、裁判と異なり、合意した事件について、上訴をしたり、別に裁判所の訴訟を提起することができず、1審限りの形式をとる。その意味で、手続き的保障が必ずしもなされていないという欠点がある。
また、費用が訴訟に比べ少なくて済む場合が多い反面、仲裁人の判断が、必ずしも最高裁の判例に合致するとは限らないので、訴訟の場合と異なる結果がでることもある。
この番組のすごいのは、シードリン氏が、要領を得ない当事者に対し、大声で、「そんなことは聞いていない。」「関係ないことは話すな」「私が話して良いというまで話すな」「貴方が言っていることはでたらめだ!」などとかなり高圧的な姿勢で、当事者に対し臨んでいるところである。
同氏はニューヨーク州の家庭裁判所の裁判官を長く勤め、現在は弁護士として、仲裁人をしているにすぎないが、この番組内での態度はすごいものがある。
その姿勢が面白いということで、視聴者がかなりいる人気番組で、かつ、1996年頃から続く、長寿番組だが、日本で仮に同様の番組ができ、弁護士がこのような態度を取ったら、懲戒請求すらされかねない。
また、私の指摘通り、当事者までも、本当の裁判官だと信じてこの仲裁に参加していれば、本当に問題だと思う。また、この番組を見て、裁判官がこのように行動すると思われても、相当問題があるだろう。
しかし、アメリカでは、同様の番組が数多くある。私が知っているだけで、これを含め6つくらい名前は聞いたことがある。
日本でも、このような番組が将来できれば、裁判や仲裁というのを身近に感じる人が増えるかもしれない。泣き寝入りせずに、何らかの法的手段を取ろうと考える人も増えるかもしれない。
私はそういった形で、こうした番組がPRとなり、法的手段が積極的に活用されていくのは、好ましいと思う一方で、裁判と仲裁の違いなど正しい知識を持った上で、国民がそうした制度を活用するようになることが必要だと感じている。
とりわけ、裁判官がこのような抑圧的な態度も取らないということも十分に知ってもらいたいが。。。
興味のある人はぜひ、Judge Judyを見てもらいたい。Youtubeなどで検索すればすぐに見つかるだろう。字幕もないし、英語は苦手という人がいるかもしれないが、雰囲気だけはわかると思う。少なくとも、シードリン氏の高圧的態度は注目に値する。
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