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01/19/2009

やるべきことやれ!

ワンフレーズ選挙が得意な小泉元総理が一院制を提案し、何の議論もなく自民党の公約にするらしい。これを改革だというのだから、日本語力も乏しいと感じる。

未だ一院制の議論が日本国内で始まってもいないのに、すぐに人気があった首相に言われたから取り入れる。公約とはそんな軽いものなのだろうか。

一院制の話も、改革ではなく、参議院の民主党と交渉し、妥協する方法を知らないから、遅延を招くのであって、これで一院制にすべきというなら、思い道理にできないから、駄々をこねる駄々っ子でしかない。この程度の浅知恵で国民が騙されるとしたら、民度が著しく低いだろうが、私はそんなことにはならないと信じている。

確かに、小泉改革を全部否定すべきではないと思っている。しかし、国家公務員の天下り規制や道路特定財源の一般財源化、特殊法人の徹底的削減などやるべきことをやらずして、国民の目を覆い隠すためだけにこうした聞こえの良い、ワンフレーズ政策には、民度の高い国民であればもう騙されないはずと思うのは私だけであろうか。

議員を削減することは、大いに歓迎すべきである。もし、無駄な議員を純粋に削減して健全な政治体制を作るという発想から来ている政策ならば、なぜ一院制という憲法改正が必要な実現困難な政策を公約にするのであろうか。

実現する気もなく、参議院は無駄だという一部の国民の無知と、議員が多すぎるという多くの国民の不安の双方を利用しようとして、公約にして、上っ面の改革を訴えようということなのだろうか。小泉氏はさらに言えば、引退するのではなかったのだろうか?よく無責任な政策を公約にすべきと言えると感心してしまう。

また、単純に、議院削減を本気で考えているなら、公約にせずとも、今すぐにでも公職選挙法4条を改正してしまえば済むことである。それこそ、民主党が反対するというなら、2/3条項を使って強行採決すればよい。なぜ、それをせずに、一院制なのか。

私は、参議院が無駄という論者の発想が理解できない。衆参ねじれ国会を未だにマスコミなどは悪く取り上げる。しかし、我が国のように議院内閣制をとる国であれば、ねじれ国会こそ最も歓迎すべき政治状況だろう。

なぜか。簡単である。議員がきちんと仕事をする必要があるからだ。民主党が一番恐れているのは、審議拒否を強行することにより、政権担当能力がないと思われることである。他方、自民党の場合は、2/3条項による強行採決を連発することである。

こういう政治状況では、通常の民度の高い国家においては、与野党が政策のすり合わせをする。一方の議院で可決した法案は、他方で修正され、それに納得して、妥協点を探る。これこそまさに望ましい政治の在り方である。

むしろ、今回のアメリカのように、大統領と議会が同じ政党である民主党となってしまう方が、偏った政策ばかりになる危険がある。しかし、我が国では、このねじれ国会について、悪いものとして扱われている。これは残念なことだし、やはり民度の低さを感じてしまう。

現在の素晴らしい状況を利用できないでいる原因は、交渉力がそもそもない与党の政治家、発想力の乏しいマスコミの責任であると同時に、ひいては、マスコミに踊らされた世論を形成して、そうした政治家を選ぶ国民の責任にあることを自覚しなければならないだろう。

マスコミは未だに、小泉待望論などという馬鹿げた主張をする。彼の改革のどの部分が成功し、どの部分が失敗したのか、そうした反省もせずに。

自民党の政治家も本当に次の選挙で、過半数は到底維持できないという危機感を感じているのであれば、どうせ落選するなら、公職選挙法4条を改正し、衆議院の議員定数を現在の480人から400人、参議院の議員定数を242人から100人程度にすべきだろう。

それもやらずに、選挙目当てのワンフレーズ公約はもう沢山だという良識のある有権者が多いことを私は切に望む。

なお、この削減後の定数は、日本の約2倍の人口がいるアメリカでは、下院が435人、上院100人であることから、まずはこのレベルにまでスリム化すべきということから試算した数字である。

<自民>「1院制導入」など政権公約盛り込みを検討
1月19日2時31分配信 毎日新聞

 自民党は18日、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に、国会や選挙制度改革の一環として(1)衆参両院の統合による1院制導入(2)議員定数削減(3)議員歳費削減--などを盛り込む方向で検討に入った。麻生太郎首相(党総裁)は景気回復を前提に、11年度の消費増税も選挙戦の争点に据える方針で、国民の負担増に対する批判をかわす狙いもある。

 首相は18日の自民党大会で、ねじれ国会の現状に触れ「国会の制度やあり方を見直さなければならない。衆参両院で非常に似通っている選挙制度の見直しも必要になる」と指摘。自民党の細田博之幹事長も党大会後、「不都合なところは改革すべきだ」と記者団に強調した。

 1院制をめぐっては、自民党の小泉純一郎元首相が麻生首相に「選挙で攻める材料をつくらないといけない」として公約化を助言している。ただ、導入には憲法改正が必要で、自民党も実施時期は10年後の19年以降などと想定。具体的論議はこれからだ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090119-00000003-mai-pol

小泉氏、「一院制」を選挙公約に=自民議連、4月に提言
1月16日19時1分配信 時事通信

 衆参両院の統合による一院制移行を目指す自民党有志の議員連盟(会長・衛藤征士郎元防衛庁長官)の総会が16日、党本部で開かれた。顧問の小泉純一郎元首相も出席し、「この議連を一院制への原動力にしたい」とあいさつ。次期衆院選での政権公約(マニフェスト)に盛り込むため、4月をめどに提言をまとめたいとの意向を表明し、了承された。
 総会では、衛藤氏が(1)議員定数を現在の両院合計722から500に削減(2)選挙制度は都道府県単位の大選挙区制を採用(3)2019年に移行-するとの案を提示。来週以降、これをたたき台に議論を進めることを決めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000172-jij-pol

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