内部統制の欠如―マクドナルドの例から
連日報道されているこのニュース。前記事に引き続き。
自社のブランドに泥を塗る行為だと思う。一度生じた企業への不信はそう簡単には回復できない。
株価が下がる自体にも至っており、取締役の善管注意義務としての監視義務違反を問う株主でてきても不思議ではない。経営判断としてもマズイ行為だったのではないだろうか。
代表取締役が原田泳幸氏になってから、サラダの賞味期限の改ざんや、名ばかり管理職など不祥事が連続している。「知らなかった」という言い訳は、会社法上は通じない。監視義務があるため、適切な内部統制制度の構築がなければならないが、今回のサクラ報道からしても、そうした適切な制度自体がないのではないだろうか。コンプライアンスという基本的意識を欠いているのであれば、経営者としての能力を疑ってしまう。
関係者は下手な言い訳をせずに辞任した方が株主の利益、ひいては社会全体の利益になるだろう。創業者の藤田田氏も泣いている気がする。
マクドナルドの新商品発売、「サクラ」動員は東京でも
12月27日12時58分配信 読売新聞日本マクドナルド(本社・東京都新宿区)が大阪市内の店舗で新商品を売り出した際、アルバイト1000人を動員し、「行き過ぎた演出」などと批判が出ていた問題で、東京都内での発売日にも、イベント会社が手配した「サクラ」に行列を作らせていたことが分かった。
日本マクドナルドのコミュニケーション部によると、渋谷区で11月1日、新商品「クォーターパウンダー」を販売する臨時店舗を開設した際、「盛り上がりを演出するため」、イベント会社が手配したスタッフを開店前に並ばせ、商品を購入させるなどしたという。動員人数は公表できないとしている。
客寄せのためのサクラとの批判について同部は「サクラの定義がないので何とも言えないが、消費者に誤解を与える手法は見直したい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000030-yom-soci
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