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12/28/2008

アメリカ人に問う―オバマ次期政権の経済政策の問題点

このブログで以前から、次期アメリカ政権の経済政策には疑問があることを指摘してきた。

それを、アメリカ人で、大学院で世界経済を勉強している友人にこの疑問をぶつけてみた。

彼の政治思想は中立ではあるが、どちらかといえば民主党寄りなので、オバマ政権の政策を批判することには多少気が引けたのだが、帰ってきた回答は意外だった。一部抜粋して紹介する。

I agree with you. Everyone thinks an economy can be manipulated using politics and monetary policy, but the truth is the economy only does well when the productivity of its people increases. I think that is what you referring to. Building the skills of the workforce...developing new ideas....new products....People want fast progress so the governemnt acts by increasing debt, but in the end it weighs down the productivity in the long term by reducing private investment in ideas and new products as the country pays off the interests on its debt.

I do think we must preserve our environment along the way so that we don't have economic collapse because of resource degradation...but I don't think environmental protection is going to be the source of economic progress. It will only be expensive to protect the environment, not profitable, so people will have to become more productive to offset the cost.

要は、私の主張を全面的に受け入れてくれたのである。彼の上記意見の要約は以下の通り。

多くの人は経済を政治や金融政策で巧みに操作できると考えているが、実際には経済が好転するのは、国民の生産性が向上したときだと思う。君の指摘はこのことだろ?労働者の職能技術の向上、新しいアイディアや商品の開発。

国民はすぐに経済の回復を望み、政府は財政出動という措置をとる。でも、結局これは、長期的に見れば、新しいアイディアや商品開発に対する民間投資を減らし、国家の借金を作るだけだよね。

僕は、環境保全は、資源不足による経済破綻ということを避けるためにも、すべきだと強く思うけど、環境保全は経済成長に資するものではないと思う。環境保全はコストがかかるだけで、経済的な利益は生み出さない。むしろ、環境保全にかかるこのコストを賄うためにも、アメリカ国民の生産性を上げないといけないんじゃないかな。

意外な反応だった。というのは、彼を含めてアメリカ人は未だに自分たちには生産性があると思っているだろうと予測していたためである。

さすが、有名大学で世界経済を勉強しているだけある。それこそ、「客観的にみることができる」と感心した。こういう人は彼だけではない。

この友人の他にも、法律分野で活躍するアメリカ人の私の親友も、私の考えに賛同してくれた。彼がいうには、「アメリカ人のほとんどは経済の悪化という現状が自分たちの危機であるという認識ができていない。」という。

次期政権の経済政策がこうした客観的な視点から修正されることを切に望む。さもなくば、期待だけ持たせて、結果が伴わないことへの日本と同様の政治不信現象が起こり、さらなる混乱を招くだろう。

ただ、アメリカの民主主義の危うさも感じる。以下の記事の通り、オバマ次期政権への支持率が8割を超えているという。単純に見れば、アメリカのリーダーは国民に支持されているなという論調になるかもしれない。しかし、私はこれにアメリカ国民の未成熟さがあるとみている。というのは、オバマ政権は何1つまだ実行していない。にもかかわらず、期待だけで、支持率がここまで高まっているのである。

つまり、神頼みと変わらないくらいの、根拠のない支持率であって、それが高いということは、①それほどアメリカが病んでいるということ、②仮に私の指摘するように次期政権の経済計画が失敗すれば、アメリカでの政治不信が進み不安定な状況がさらに続くということが考えられると思う。

いずれにしても、こういう記事は、アメリカの病んだ現状を知る上でも、注意して読む必要がある。

82%がオバマ氏支持=過去30年の移行期で最高-米調査
12月25日15時7分配信 時事通信

 【ワシントン25日時事】米CNNテレビが24日公表した世論調査によると、オバマ次期米大統領の政権移行期における対応を支持する人は全米で82%に上り、過去30年間に大統領選で初当選した人物の中で最高の支持率を記録した。
 調査によると、過去2回の政権移行期の支持率は2000年のブッシュ氏(現大統領)が65%、1992年のクリントン氏(前大統領)が67%だった。
 CNNの世論調査部長は「オバマ氏は過去30年間の大統領当選者の誰よりも米国民と良好な蜜月関係を築いている」と指摘した。
 オバマ氏は経済政策で、1993年1月時点のクリントン氏の2倍近くの支持率を誇っているという。また、回答者の3分の1は大統領選後に、オバマ氏の印象が良くなったと答えた。
 調査は、19-21日に全米の成人1013人を対象に行われた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000080-jij-int

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