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12/23/2008

就職留年の問題 ― 新卒採用が日本の人材力を失わせる

以前にもブログで内定取消の話について触れたが、本末転倒という事態が起きている。

内定取消留年をする、いや、むしろ内定留年をしなきゃいけない状況に学生が追い込まれて、大学側が対策に出たという記事である。

大学の対応はしかたないにしても、このような就職留年について、私は疑問に感じる。

日本は新卒採用がメインで、新卒でなければ、そもそもの応募条件を満たせないことが多い。なので、新卒というポジションを保持するために、希望する職種や就職が決まらない学生は、あえて単位を落とし、留年するというものである。それによって、次の年には希望する職種に行ける学生もいる。

馬鹿馬鹿しいと思わないだろうか。そこまでして、なぜ企業は新卒の肩書きにこだわるのだろうか。卒業してから、就職活動をしてもいいのではないか。むしろ、海外はでそれが常識なのであって、この採用対象を新卒者に限るのは日本の悪しき伝統として残っている。

私の友人で、フェミニスト思考のある人が、「それは、処女を好む男のように、自分色に染めたいという日本企業の男性社会の現れ」と称していることがあり、最初は、「出た。フェミニスト思考」と思ったが、後で考えてみると、説得的に感じた。あながち、間違いではないと思う。

つまり、企業側は終身雇用制度を前提に、新卒採用に力をいれようとする。そして、そういう中で、いろいろ経験してきた人物よりも、初々しい学生に自らの企業文化しみこませ、その会社の人間を育てたいという願望があるのではないだろうか。

もっとも、この前提自体が崩れているのだが、未だに多くの日本企業はこうした制度は採用制度は改めない。他方で、人事部も何か改革をしないといけないと考えて、形だけの成果主義(本当の成果主義ではない)を導入し、失敗する。

本当の人材改革をするのであれば、やはり、新卒採用制度を改めて、既卒者に対しても、幅広く採用の道を開けるべきだと思う。そうしなければ、眠れる有能な人材がどんどん海外に流出するだろう。

そのフェミニスト思考があるといった私の友人も、大学時代は就職活動があまり上手くいかなかったものの、有能な人物で、今では世界中を飛び回りながら、世界規模の外資系会社で働いている。海外流失の一例だろう。

ある中小企業の方が、「不景気だからこそ、良い人材確保のチャンスがある」と言っていた。学生も大企業ばかり目を向けなくなるので、良い人材確保のチャンスが自分たちにもあるということだそうだ。こうした中小企業の経営者の姿勢を大企業の人事部も真摯に学ぶべきだと感じた。

<青山学院大>内定取り消し者の留年容認…授業料半額以下に
12月22日23時36分配信 毎日新聞

 青山学院大は、就職の内定を取り消された来春卒業予定の学生について、希望すれば単位をすべて取り終えていても特例として留年を認めることを決めた。卒業した場合、来春以降の就職活動で新卒扱いされず、不利になる恐れがあるため。

 青学大によると、内定を取り消された来春の卒業予定者は22日現在8人。7人が内定先企業の経営破綻(はたん)で、1人が業績悪化が理由だった。授業料については、単位不足による留年の場合で半額程度のため、半額以下にすることを検討している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000140-mai-soci

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