責任転嫁するマスコミ(裁判員制度の報道から)
さて、ココログで日本語の記事は初めてです。途中で消えたりしないことを祈りつつ・・・
最近、裁判員制度を取り上げるメディアが多くなってきました。そのうちの多くは、どちらかというと消極的な視点で、批判的に取り上げるものです。
この制度について、皆さんにも色々な考えがあるかもしれません。この制度の是非は置いておいて、私がこの記事で指摘したいことは、議論が遅すぎるのではないかということです。
既に4年前にこの制度が行われることが決まりました。そして、法曹三者を含め関係者はこの制度を導入すべく色々な活動をしてきました。しかし、マスコミはこの制度を一切報道してきませんでした。にもかかわらず、裁判員制度がいよいよスタートという時期に、初めて取り上げ始めて、制度の根本的な問題(市民が人を裁けるのか等)を指摘し出しているのです。
これでは、マスコミとしての機能と責任の放棄としか言いようがありません。読売テレビのある番組の司会者は、制度がやっと見えてきたと発言していました。
これは大間違いです。
すでに、4年前に制度はしっかりと示されていたし、法律もできていたのですから、根本的な問題についてはもっともっと早く警鐘を鳴らすのがマスメディアの責務だったのではないでしょうか。
私は裁判員制度には基本的に賛成の立場ではあります。ただ、疑問点がないわけではありません。ですが、マスメディアの節操のない無責任な報道を見ていると首をかしげたくなるのは私だけでしょうか。4年も猶予があったわけです。
この間、制度の根本的な批判をする人やマスコミは何をしてきたのをまず振り返ってほしいものです。
もう少し建設的な報道というのはできないのでしょうか。
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Comments
ブログ移転おめでとうございます。
今朝もテレビを見ていたところ、司会者が、ゲストに「あなたは裁判員制度に賛成ですか?反対ですか?」と問いかけていて思わず吹き出してしまいました。
賛成もこうも反対もこうも、管理人様のおっしゃるように制度は既に4年前に走り出していたわけです。賛成反対うんぬんは4年前にやってもらいたかったところです。笑
制度を批判的に検証するという報道姿勢は時期を問わず大切ではありますが、最近のマスコミ論調は、場当たり的な言い逃れにしか感じられません。
Posted by: やまだ | 12/13/2008 11:03 pm
>やまださん
もしかすると、同じ番組を見たのかもしれませんね。
おっしゃる通りで、今マスメディアがすべきことは制度の根本の批判ではなく、現在ある問題点をどう解決すべきかという視点からの報道ではないでしょうか。
新たな制度が始まることへの不安につけこんで、4年前から全然報道もせずに、今になって根本的な問題提起をするのは無責任だなと思います。
私は4年前はこの制度の導入には消極的でした。量刑まで検討させるべきなのかという疑問があったからです。しかし、この4年間の間に、やはり職業裁判官と市民感覚にはズレがあることを認識しました。
また、他の先進諸国に比べ、司法参加の意識が日本は低く、いわゆる水戸黄門や遠山の金さんのようなに、公儀(裁判官)が全部正しい判断をしてくれるという安易な認識があります。これを変え、主体的に市民に司法に関心を持ってもらうためにも、この制度は「他人事」で済まさないという点で、日本に必要な気がし、現在は賛成しています。
Posted by: ESQ | 12/14/2008 06:40 am